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「ガソリンの減りが早い…」→あなたの運転が原因かも!プロが教える“燃費を良くする運転テクニック”

  • 2025.8.15
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写真:photoAC(イメージ)

ここ数年来、ガソリン価格が高騰する中「同じ距離を走るならできるだけ燃費を良くしてガソリン代を節約したい」と考える人は多いはず。最新の燃費の良い車に買い替えるのはなかなか大変ですが、車の性能だけでなく運転の仕方や走行環境、日頃のちょっとした習慣が燃費に大きく影響することをご存じでしょうか。「なんかガソリンの減りが早い気がする…」と思っている方は実は車ではなく自身の運転方法に原因があるのかもしれません。

そこで今回は、これまで自動車ディーラーなど多くの自動車関連の仕事に従事し複数の資格を保有する、車のプロであるyukieさんに愛車の燃費を向上させるための具体的な走り方と、日常でできる工夫について詳しく伺いました。

アクセル操作が燃費を左右する理由

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写真:photoAC(イメージ)

走り方によって燃費の良し悪しは変わってくるのか、という点について「もちろん走り方、特にアクセルによる加速の仕方は燃費に大きく関わってきます」とyukieさんは言います。

エンジンはガソリンなどの燃料を消費して回転力を生み出しますが、一定の速度を保って回転するのは得意でも、回転速度を変えるのは苦手な特性があるのだとか。

特に車は停止状態から加速する瞬間が最も燃料を消費します。自転車で止まっている状態からこぎ始めるとき、最初は立ちこぎで力が必要なのに、一度スピードが乗れば軽い力で維持できる感覚に近いです。

「だからこそ、発進や加速の仕方を意識するだけでも燃費は変わります。勢いよく踏み込むのではなく、車にとって“楽”な加速を意識しましょう」とyukieさんは強調します。

走行環境や季節でも燃費は大きく変わる

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写真:photoAC(イメージ)

どこまでを“環境”とするかはさておき、走る道路や季節などの「走行環境」も燃費に大きく左右してきます。

【燃費が悪化する走行環境】
一定速度が保てないアップダウンの多い道
タイヤ性能を十分に発揮できない未舗装の凸凹道
ストップ&ゴーが増える信号や車両の多い市街地
冷房を使用する夏場

たとえば「同じ距離でも、田舎の空いた道と都会の混んだ道では燃費は全く違います。信号が少なくスムーズに流れる道の方が燃料効率は圧倒的に良いです」(yukieさん)なのだとか。

カタログ燃費「WLTCモード」の正しい見方

自動車カタログに記載される燃費は、日本では「WLTCモード」という国際基準の試験方法に基づいて計測、表示されています。これは2014年頃に国際的に採択され、日本の自動車は2018年10月以降に型式認定された新車から採用されています。

WLTCモードは以下の3種類の走行条件を組み合わせて計測します。

  • 市街地モード:信号や渋滞がある低速走行
  • 郊外モード:流れの良い中速走行
  • 高速道路モード:高速走行

「同じWLTCモード同士なら、メーカーや車種が違っても比較できます。ただし、あくまで試験条件下での数値なので、実際の走行条件によっては差が出ます。参考値として捉えるのが大事ですね」とyukieさんは話します。

今すぐできる!燃費改善の運転テクニック

手軽にできて効果的なのが、ふんわりアクセル「eスタート」と言われる発進方法です。環境省によると「信号待ちから発進する時、最初の5秒で時速20kmまで緩やかに加速する。これだけで燃費が10%程度改善する」とされています。実質ガソリン代が1割安くなるのと同じ効果と考えると大きいですよね。また、CO2の排出削減にもつながるため環境にやさしい運転を実現できるのもうれしいところ。

さらに、以下の運転方法も効果的だとか。

  • 早めのアクセルオフで燃料消費を抑える
  • ムラのない加減速の少ない運転を心がける

「アクセル操作を見直すだけでも、燃費は今日から改善できます」(yukieさん)。

運転以外でできる燃費アップ習慣

燃費は運転技術だけでなく、車への負担を減らすことでも改善します。

  • 不要な荷物を降ろす:重量のある趣味道具や季節外れの用品など、必要ないものは車から降ろす
  • 満タン給油を控える:ガソリンの比重はおよそ1㏄あたり0.75gなので普通車のタンクは55Lほどで、満タンだと燃料の重さだけで約41kg。半分にすれば20kg以上軽量化できる
  • タイヤ空気圧を適正に保つ:JAFのユーザーテストでは適正圧から30〜60%減すると燃費が4.6〜12.3%悪化するというデータも
  • エアコンの使用はなるべく控える

満タン給油を控える、という点についてはメリットばかりではありません、単純に給油するペースは増えてしまうので、ガソリンスタンドへ行く手間やそのための燃料消費もありますし、万が一の災害時はやはり満タン近くに燃料が入っているほうが安心でもあります。

また、特に「タイヤ空気圧は季節や使用状況で自然に減っていきます。最近はガソリンスタンドでも気軽にチェックできますから、定期的に確認しましょう」とyukieさんはアドバイスしています。

今日からあなたの「燃費は変わる」

「燃費は、運転中の小さな意識や日常の習慣で大きく変えられます。ガソリン代の節約はもちろん、環境への負荷軽減にもつながります」とyukieさんは話します。

今日からできることばかりなのでぜひ試してみてください。


監修:yukie
無類のクルマ、バイク好き。ドイツ系外車ディーラーの整備士、国内高級車メーカーの検査員を経て、現在は自動車学校の教官として主に二輪の教習に従事。保有資格は「一級小型自動車整備士」、「教習指導員資格(普通車、中型車、二輪車)」、「中古車査定士」、「低圧電気取扱者」、「危険物取扱者」など多数。休日は古いバイクのレストアが趣味。

参考:環境省「エコドライブ10のすすめ」、JAF「タイヤの空気圧不足、燃費への影響は?(JAFユーザーテスト)」