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大人のひとり時間を叶える都会の隠れ家「DDD HOTEL」。ミニマムな空間で静寂に浸る週末ステイ

  • 2025.8.12

日本橋馬喰町に「DDD HOTEL」が開業したのは2019年のこと。3つのDは、Design、Development、Destinationを意味し、新たなデザイン、アート、食をここから発信する。

創業37年のビジネスホテルをフルリノベーションしたホテルに入るのは、カフェ、バー、アートギャラリー、そして海外のフーディーも注目する『nôl(ノル)』。

そんなホテルでの滞在は、東京の東エリアのクリエイティブと、未知の日常への気付きとなるはずだ。

JR馬喰町駅など4駅が徒歩圏内の好立地。レンガビルの屋上の「D」を目指して
入り口の看板は小さく繊細で非常にさりげないが、屋上のDとゴールドの自動扉が目印となる。地上10階建て


古くから繊維問屋街として栄えた馬喰町。いまも生地店が残る街に立つ煉瓦のビルが「DDD HOTEL」だ。

実はオーナーは、この街の老舗衣料品問屋の若き4代目。自社のホテル事業部が運営していたビジネスホテルを、アパレルやアートの経験を生かしてライフスタイルホテルへと蘇らせた。

自身が70ヶ国以上を旅し、「好奇心旺盛な旅行者が気軽に泊まれるように」と、1泊2万円台程度の身近なホテルに設定。

そんな背景から、デザインは「新たな気付きや体験を生む、あえて削ぎ落とした余白のある空間」がテーマとなった。

モーニングからカフェタイムまで、有名ロースターの美味しいコーヒーを楽しめる
2階レセプションに併設するカフェ『abno(アブノ)』では、デンマークの『The Coffee Collective』のコーヒーを提供


レセプションからテーマカラーの深緑と白で統一。余計な飾りがないから、天井が低くとも奥行きに魅せられる。

そこにいたのは「あなたと同じくらい日本に詳しいかも」とスタッフにご機嫌に話す外国人旅行客。

一方、隣のカフェでは仕事に集中するフリーランスの姿があり、街に溶け込むホテルにしか出せないエネルギーに気分が上がる。

上質な空間をつくりだすミニマルデザインの客室
全室「フランスベッド」で、高番手のシーツなど上質なリネンがそろう。「スイートルーム」(40㎡)1泊1室¥55,000~


客室に入ると、時間ごとの光で壁の緑の色味が変わり、それに気付けるのもミニマルデザインだから。

設計担当は、空間デザイナーの二俣公一氏が率いる「ケース・リアル」。アーチ形の窓にかかる木製ブラインドも深緑に塗られ、そこから入る光が緑色を明るくする。

衣料品問屋の目利きが光る、上質素材のルームウエアが快適な眠りへと誘う
部屋着は日本の「HATRA(ハトラ)」がデザイン。なめらかな肌触りのコットンで、秀逸なパターンにより寝心地も良い


衣料品問屋の運営だけあり、リネンもユニセックスなデザインの部屋着も、肌触りが最高だ。

ディナーは、ミシュラン一ツ星の『nôl』で“サステナブル”な体験を
1階『nôl』はオープンキッチンのラボ的空間。ミシュランでは一ツ星とグリーンスターを継続して獲得している


滞在の華は『nôl』でのディナー。

昨年4月からシェフに就任した丹野貴士さんは、フランス料理歴17年。『ラ・ロシェル南青山』でクラシックなフランス料理を学び、『レフェルヴェソンス』などで腕を磨いた。

コーヒーの香りを纏ったひと皿には、2階のカフェのコーヒー豆を流用!?
エスプレッソ後のコーヒー豆の粉に食材としての価値を見出し、コーヒーのフレーバーのみを抽出して鹿に纏わせる


サステナビリティに重きを置きながらリッチな食べ心地も両立させるのは、ソースに深みがあるゆえ。

「丹野はソースにいいワインをどばどば使うんです」とソムリエは笑い、例えばコーヒーの香りを纏わせて焼いた鹿のソースには、カカオなどのほかにブルゴーニュの「シャンボール・ミュジニー」が入る。

ペアリングも同じワインだ。

ソースでドレスアップした“野菜のご馳走”には、フレッシュな味わいのワインを合わせて
35種の野菜がのるひと皿に、大地の強さと蜜を感じる「サンセール・ブラン・サウレタス」が相性抜群。コース¥16,500


シンプルな部屋に戻り、それらの相性の良さを思い返す時、なるほど“余白が余韻に効く”と実感したのだった。

■施設概要
施設名:DDD HOTEL
住所:中央区日本橋馬喰町2-2-1
TEL:03-3668-0840
料金:1泊1室¥15,000~
部屋数:122室

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