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【大人の奈良】願いごとやお悩みがあるなら奈良・春日大社をじっくりお参りして!「究極の国宝大鎧展」も開催中

  • 2025.8.10

こんにちは、奈良在住の編集者・ふなつあさこです。毎日びっくりするほど暑いですが、いかがお過ごしでしょうか。奈良公園の鹿たちも夏バテ気味なのか、日陰から動こうとしなかったり、池に飛び込んで水浴びしたりと、鹿なりの暑さ対策をしているのを横目に、今回は春日大社にお参りしてきました。

春日大社といえば、興福寺、東大寺に隣接する奈良を代表する神社のひとつ。こちらにはたくさんの神さまがお祀りされていて、じっくり巡ると半日がかり! でも、豊かな森に鎮座しているので、夏でも気持ちよくお参りできます。

そして春日大社の国宝殿では、2025年9月7日まで「究極の国宝 大鎧展」が開催中。国宝指定の甲冑類18点のうち、半数の9点が一堂に会することはもう二度とないともいわれていて、こちらも立ち寄ってきました。

奈良の鹿は春日の神様のお使い 世界文化遺産の千古の森へ

古来、神さまの山とされる「御蓋山(みかさやま)」のふもとに、奈良時代の神護景雲2年(768)に御本殿が造営されたことに始まる春日大社。天皇や上皇からの崇敬もあつく、また藤原氏の氏神であり、多くの貴族たちも参拝していたそう。

参道を進み、まずは手水所(てみずしょ)で手と口を清めます。コロナ禍前には柄杓が置かれているところが多かったですが、現在はこんなふうに工夫されています。

私がお参りする際には、右手、左手の順に手を清めたら、右手に水を受けて少し口に含んで吐き捨ててから、軽く右手をすすいでいます。

お参りする前に、末社(御本殿以外の小さなお社)のひとつ「祓戸神社」に立ち寄りました。神様は穢(けが)れを嫌うといわれているので、念には念を入れて身を清めるようにしています。

準備が整ったところで、回廊に囲まれた「御本社(大宮)」へ。せっかくなので、特別参拝してきました!

回廊内に進むと、色鮮やかにして華麗な中門の左右にはさらに「御廊」が延び、もっとも大切な神域である御本殿の内と外とを隔てています。

そんな御本殿には、武甕槌命(たけみかづちのみこと)様、経津主命(ふつぬしのみこと)様、天児屋根命(あめのこやねのみこと)様、比売神(ひめがみ)様がお祀りされています。

周囲の回廊には釣燈籠が吊るされていて、春日大社ならではの風情。幻想的な雰囲気に包まれ、日々の慌しさを忘れられます。

春日大社の燈籠は貴重な歴史的資料でもあり、日本全国の室町時代の燈籠のうち、6割以上が春日大社にあるといわれているのだとか。たとえばこちらの釣燈籠は、大河ドラマの主人公にもなった直江兼続や宇喜多秀家といった戦国武将が寄進したもの。

節分と8月14日・15日にはおよそ3000基もあるという春日大社の石燈籠と釣燈籠に清らかな火が灯される「万燈籠」が行われます。回廊内の「藤浪之屋(ふじなみのや)」では、年間を通じて万燈籠の幽玄の美を体験できます。

回廊内には、主祭神(しゅさいじん。主にお祭りされている神様)以外にも、たくさんの神様がお祀りされています。約140年ぶりに開門されたこちらの「後殿御門(うしろどのごもん)」からは、御本殿の背後にあるお庭や、災難厄除けの神々にお参りすることができます。

春日大社にお祀りされている神様は62社! 願いを込めてお参りを

春日大社のご神域には、御本社(大宮)にお鎮まりになる4柱の神様のほか、霊験あらたかな神々が摂社・末社としてたくさんお祀りされています。その数、合わせてなんと62社!

なかでも御本殿に次ぐ格式のお宮が、御本社の南門を出て左手に進んだ先にある「若宮」。長承4年(1135)の創建の翌年から900年近く続く12月17日の「春日若宮おん祭」は、こちらの神様のお祭りで、重要無形民俗文化財にも指定されています。

詳しく説明するとキリがないので割愛しますが、ものすごいスケールで、まるでタイムカプセルのようなお祭りなんです!

こちらは日本で唯一、大国主命(おおくにぬしのみこと)様と后神の須勢理姫命(すせりひめのみこと)様をご夫婦でお祀りした夫婦大国社(めおとだいこくしゃ)。縁結びや夫婦円満などを願ってお参りする方が……約900年(!)絶えないそう。

夫婦大国社で、女性の上半身と下半身の病平癒を願う絵馬を見つけました。

絵馬に願いを託したら、赤乳・白乳両社の遥拝所(遠く離れた場所におられる神様を拝む場所)の絵馬かけに納めます。今ほど医療が発達していない昔から、女性特有の病に悩まされていた女性たちがいはったんでしょうね……!

おおよその人が神様にお願いたいことをほぼカバーできそうな「若宮十五社めぐり」は、夫婦大国社で受け付けています。

このほか、お能を大成した世阿弥が「春日龍神」という作品を作るほど古くから絶大な信仰を集めた春日龍神ゆかりのお社を巡る「春日五大龍神めぐり」も。それぞれ、特別な御朱印やお守りをいただけるようです。

ちなみに開運招福に霊験高い9つのお社を巡拝する「開運招福水谷九社めぐり」もあります(こちらの受付は御祈祷所です)。参道の途中には「萬葉植物園」もあります。そんなわけで、もし春日大社さんにお参りして30分ぐらいで済んだ、という方は、おそらくほんの一部しかお参りできていないと思います。私も全部はお参りしきれていないです……!

もちろん、そんなに躍起になって巡らなければいけないわけではないと思います。個人的には、聖なる森で深呼吸して心惹かれた神様に手を合わせ、スッキリいい気分にチューニングできるだけで、十分ありがたいです。

それでもぜひ春日大社さんの全域をお参りして回りたいという方におすすめなのが、朝のお参り「朝拝」。午前8時50分頃に直会殿に伺うと、神職さんたちによる毎朝のお参りに参加することができるそうです。行われない日もあるので、スケジュールをチェックしてから訪れてくださいね。

国宝の鎧が春日大社 国宝殿に大集結! 「究極の国宝 大鎧展」がアツい!

天皇や上皇、そして貴族たちからの崇敬を集めた春日大社には、主に平安時代に制作された多くの品々が奉納され、その点数と質の高さから「平安の正倉院」ともいわれています。約3000点におよぶ神宝が収蔵されている「国宝殿」では、現在「究極の国宝 大鎧展 ―日本の工芸技術の粋を集めた甲冑の美の世界―」が開催中。

左からそれぞれ、竹虎雀飾と菊一文字の鎧兜のディテール。とんでもないほどの工芸技術の高さに目を見張ります。これはもはや着るジュエリーですね……!

こちらの「南都本談義屋伝来紫萌葱地逆沢瀉威鎧切型(なんとほんだんぎやでんらいむらさきもえぎじさかおもだかおどしよろいきりがた)」〈江戸時代/個人蔵〉は、焼損してしまった鎧を原寸大で書き写したもの。焼損する前のようすが分かる貴重な資料です。

個人的にグッときました。服でゆうたら型紙ですね。原寸大コピーが欲しい。

ミュージアムショップでは、国宝・重文の鎧のアクリルスタンドや、オリジナルキャラの展覧会限定グッズも販売されていました。

鎧兜の切型を見て興奮していた私のイチオシグッズは『春日大社 国宝の兜をつくろう! ダンボール制作キット』。完成後は頭にかぶることもできるようなんです。買いかけました。いや、買って作ってかぶるべきだったのか……!?

株式会社カプコンの大人気ゲーム「モンスターハンター」シリーズとコラボしていて、フォトスポットもありました(撮影していただいてみました)。コラボグッズも販売されていましたので、ご興味のある方はぜひ!

この記事を書いた人

編集者 ふなつあさこ

ふなつあさこ

生まれも育ちも東京ながら、幼少の頃より関西(とくに奈良)に憧れ、奈良女子大学に進学。卒業後、宝島社にて編集職に就き『LOVE! 京都』はじめ関西ブランドのムックなどを手がける。2022年、結婚を機に奈良へ“Nターン”。現在はフリーランスの編集者として奈良と東京を行き来しながら働きつつ、ほんのり梵妻業もこなす日々。

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