1. トップ
  2. おでかけ
  3. 大人コーデのアクセントに!デイリーに使える「DESIGNSETTASANGO」のSETTA「関西コレ、ええやん♡vol.6」

大人コーデのアクセントに!デイリーに使える「DESIGNSETTASANGO」のSETTA「関西コレ、ええやん♡vol.6」

  • 2025.8.8

こんにちは、奈良在住の編集者・ふなつあさこです。夏の足もとというとサンダルですが、この夏はトングサンダルやフラットサンダルがトレンドインしているようです。そんなトレンドにぴったりなフラットなトングサンダルをご紹介します! それこそが、雪駄……ではなく、SETTA!

実は、奈良県の三郷町(さんごうちょう)は100年以上続く、「鼻緒履物」つまり草履や雪駄の町。最盛期には国産の鼻緒履物の8割に及ぶ生産量を誇ったそうです。その鍵を握っていたのはまさに鼻緒をすげる職人さんたち。三郷町の鼻緒履物は、鼻緒の具合がよく、履き心地がよいことで知られていたのです。

でも、今や日本人の私たちのなかですら、日常的に草履や雪駄を履く人は少数派。浴衣を着たときや、冠婚葬祭などで和装する際に久々に履いて痛い思いをした覚えもある方もいるでしょう。

そんななか、雪駄を「SETTA」として世界のスタンダードに!と発信し続け、ファン急増中のブランド「DESIGN SETTA SANGO」を訪ねて三郷町まで取材へ。履いて走れる新感覚の雪駄ならぬ“SETTA”を手がける星田さんご夫妻にお話を伺ってみたら……びっくりするほど、ドラマティックでした!

一日中履いて歩いても痛くない! スニーカー感覚の「SETTA」

私がDESIGN SETTA SANGOのことを知ったのは、上方食文化研究會の連載でもお世話になっている日本料理家の吉田麻子先生にお誘いいただいて、大阪・梅田の阪神百貨店の奈良イベント「enjoy NARA!」でアンバサダーを務めたときのこと。

インスタライブで取り扱い商品をご紹介していたときにDESIGN SETTA SANGOの雪駄を試着させていただいて、あまりの歩きやすさにびっくりしたんです。

そんなわけで、ぜひ読者の皆さまにもご紹介しようと、JR三郷駅から徒歩3分ほどのところにあるDESIGN SETTA SANGOのお店へ取材に訪れました。

お店があるはずのJAMビルに入ってびっくり。雪駄ではなく、おいしそうなパンがずらりと並んでいるではありませんか。

さては間違えたかしら? と思いつつ左を見ると、良かった、ちゃんと(?)雪駄が並んでいました。

出迎えてくれた星田さんに聞いてみると「あ、うち、カフェが先なんですよ」。ほう、ふむふむ。……え?

聞けば、全くの他業種で働いていた星田さんが脱サラして、三郷町内の今とは別の場所にカフェファンチャーナを開業したのが2009年のこと。「そのカフェの常連さんのおひとりが、鼻緒履物の職人さんだったんです」と星田さん。

「当時のカフェの店先に販売スペースを設けていたので、作家さんの食器だとか、いろいろなものをセレクトで販売していたんです。

雪駄も最初は仕入れで取り扱いました。それが好評だったので、しばらくしてその常連の職人さんに4、5種類のオリジナル商品を100足ほど作っていただいたんです。

仕入れ商品の倍ぐらいの値段になってしまったので、2週間ぐらいで売れればいいな〜と思っていたら、1週間で完売して」

生活にとけ込むニュースタンダード 誕生から数年で世界のSETTAに!

「実は雪駄って草履の一種なんですが、本来は男性が履くもので、ちょっとぐらい痛くても我慢して履き慣らすのがオトコのおしゃれ、みたいなところがあったらしいんです」。

でも、当時からカフェのお客さんは、女性が圧倒的多数。「だから、女性にも喜んでもらえるデザインで、痛いのなんか僕だってイヤなんで、歩きやすいものを作りました」

ヴィンテージ家具などを取り入れたカフェのイメージに合わせ、鼻緒にヨーロッパやアメリカのヴィンテージ生地を使ったオリジナル雪駄を展開し、反響に手応えを感じた星田さんは、2013年に「DESIGN SETTA SANGO」を立ち上げます。

そんな「VINTAGE」シリーズは、今でも人気。人とかぶらないのも嬉しいですよね。

「雪駄が世界に通用する履物になればいいなぁ、と、始めたころには願掛けに近い思いで“SETTA(セッタ)”と表記することにしました。

デニムやスカートなど、とくに和装じゃないふだん着に取り入れられるデザインですが、昔ながらの雪駄とおなじように、鼻緒は真ん中にあります。だから、左右どっちでも履けます。そこは崩したくなくて。ちなみに、ビーチサンダルとかは、よく見てもらうと鼻緒は親指側に寄ってます」

伝統的な鼻緒履物のフォーマット自体は崩さず、ほどよい反発力のあるEVA素材をソールに採用することで、一日中履いても疲れない歩きやすさを実現。その微妙なカーブも、職人さんの手仕事から生まれるそう。

もちろん鼻緒も職人さんが一つひとつ手ですげているそうで「いわゆるイイカゲンではなく、人の手だから、ちょうど“良い加減”ってできるんだと思います」

企画、材料選定、デザインを星田さんたちが行い、製造は侘寂び屋(芝惣商店)さん。そして販売・プロモーションなどは再び星田さんたちが行うという、いわば製造販売一体のプロジェクトチームから、SETTAが生まれます。

星田さんはブランド立ち上げから3年後には東京をはじめ奈良県外で販売。2016年には、イタリア・ミラノで開かれている「ミラノサローネ」のJAPAN DESIGN WEEKに出展。

そう、世界進出を有言実行しはったんです。まさに、一念岩をも通す!

今では、日本はもとより世界からもDESIGN SETTA SANGOのSETTAを買いに、わざわざ三郷町のこちらのお店を訪れるお客さんも!

「海外のお客さんは、履いてくれるだけじゃなくて“これはアートだよ”って、玄関に飾ったりしてくれてるみたいなんですよね」と星田さん。

取材した日にも、台湾から「昔雑誌で見かけて、母に買ってあげたくて来たの」というおふたりが来店されていました。

カフェとパンとセッタと 描いたビジョンをカタチに

お店の2階は、カフェファンチャーナ。カフェとしても人気店で、ランチタイムからティータイムまで、平日でも大盛況です。でも、星田さんは「カフェ? 妻と出会う前は、全然詳しくなかったんです」と言います。

星田さんがカフェに興味を持ったのは、おしゃれなカフェ巡りが趣味だった妻の純子さんの影響。当時、大阪の印刷会社の先輩として後輩の純子さんと営業回りの合間に時間調整でカフェを訪れるようになったのだそうです。「今はもうないんですけど、あるお店で“自分でもこういう店やりたい!”ってなって、会社、辞めたんです」

飲食業未経験ながら、憧れのお店を営んでいる会社の面接に行った星田さん(ハートが強い!)。

「何しにきたの」と呆れ半分での対応に、流石に受かるわけない……と思いきや、かえって面白がってもらって半年ほどお世話になったそうで、さらに数年間の修業の日々を送ります。

フラグを回収しているからこそ「下積み」といえる期間、つまりその当時にすれば正直全く何のアテもない、いうなれば無職期間にふたりはご結婚!

純子さんのご両親もやんわりとではあったものの反対されていたそうですが、ご本人はなんのその。

「付き合い始めたときからこの人と結婚すると思っていたので、両親にも“遅かれ早かれ結婚するから、今結婚したって一緒だよ”って。最後にはちゃんとする人なので、全然心配してなかったです」とニカッと笑う純子さん。一念岩をも通す人のパートナーも、やはり一念岩をも通す人!

カフェやブランドの立ち上げ・運営と並行して2人のお子さんを出産、子育て中というから、ただただ尊敬するばかりです。

夫の和彦さんは三郷町の隣町の出身ですが、三郷町の地場産業が鼻緒履物であることなど知らずに育ったそう。和装に興味を持ったこともなく、雪駄や草履をふだん履きするどころか、そもそもほとんど履いたことがなかったそう。

「どっちかって言ったら、苦手でした。痛そうなイメージがあって。でも、知り合った職人さんが作った雪駄を履いたら痛くなかったんです」。そして今や毎日SETTAを履いて暮らしているというのだから、人生何があるかわかりません。

「我ながら、なんでカフェと鼻緒の履物にこんな肩入れするんだろう? って思い返してみたら、たぶん父方の祖父の影響なのかなぁって。

じいちゃんは大阪・堺の有名な棋士・坂田三吉名人の弟子で、本人も棋士だったんです。坂田さんの家は草履屋だったらしくて、将棋の対局に行くときも自分で作った草履を履いてたそうです。そんな話を、じいちゃんの行きつけの喫茶店で聞いてるのが楽しかったなぁ。

子どもだったので、ミルクピッチャーに少しコーヒーを入れてもらって飲んでましたね」

……そんなん聞いたら、今ごろ星田さんの亡きおじいさまも嬉し泣きしてはるんやないでしょうか。

ところで、1階のパン屋さんの店名は「a bread of fresh air」。“気分を一新するもの、その場の空気をパッと切り替えてくれるもの”というような意味で使われる英語のイディオム「a breath of fresh air」をもじったのだそう。

ほっとひと息つけるカフェファンチャーナ、気分をパリッとさせてくれるようなハード系のパンを取り揃える「a bread of fresh air」、“breakthrough 風穴をあける”をブランドコンセプトとするDESIGN SETTA SANGO。

2022年にオープンした3つのショップが入るこちらのビルは、古くから崇敬を集めてきた風の神様を祀る龍田神社から三郷の町へと延びる“神降(かみくだ)りの風道(かざみち)”龍田古道に面しています。

全然何の脈絡もないようでいて、星田さんのなかではちゃんと全部つながっているんですね。つながっているというよりは、星田さんのパッションがつなげているのかもしれませんが、いずれにせよ、追い風をつかまえて進んでいく勘が鋭い方やなぁ、とお話を伺いながら思いました。

「今やってることを一生続けたいですね。伝統産業のなかにもちゃんと入って、ちゃんと続けたい。食べていけないと続けられないですからね。そういう意味でも、ちゃんと続けたいです」

次の追い風を掴んだら、連絡ください! また取材しに行きます、SETTA履いて(写真のこれ買いました)。

三郷町のお店に伺った後、大阪の阪急うめだ本店1階のメインエントランスを入ってすぐのスペースで開催された「BON ÉTÉ !YUKATA ~ゆかたを私らしく、夏を楽しむ」(会期は終了しています)にも出てはったので、そちらも覗きに行きました。

正倉院宝物に見られる文様をデザインに取り入れた「TEMPYO」シリーズやアフリカの生地を鼻緒に使った「Africa」シリーズ、国内のテキスタイルデザイナーとコラボしたSETTAなど、改めて見ているとまた欲しくなる不思議……(写真のこれも買いました)。

イベント出店などの最新情報は、Instagramでチェックを。そしてぜひ、皆さんのワードローブにも、コーデのスパイスとなるSETTAを取り入れてみてください!

この記事を書いた人

編集者 ふなつあさこ

ふなつあさこ

生まれも育ちも東京ながら、幼少の頃より関西(とくに奈良)に憧れ、奈良女子大学に進学。卒業後、宝島社にて編集職に就き『LOVE! 京都』はじめ関西ブランドのムックなどを手がける。2022年、結婚を機に奈良へ“Nターン”。現在はフリーランスの編集者として奈良と東京を行き来しながら働きつつ、ほんのり梵妻業もこなす日々。

元記事で読む
の記事をもっとみる