37歳男性「最近急に白髪が増え、つい抜いてしまう…」“白髪を抜くと良くない”って本当？！【医師がズバリ回答】

2025.8.23

「ある日ふと鏡を見ると、白髪が気になり始めた」という経験はありませんか？特に若い頃にはほとんど無縁だったのに、突然増える白髪に戸惑いを感じる方も多いでしょう。

そんな中でよく聞く話の一つが「白髪を抜くと良くない」という噂です。果たしてこれは本当なのか？白髪を抜くことで髪や頭皮にどのような影響があるのか、安心して対処するために知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。

白髪を抜くと本当に悪影響？理由と現実を多角的に考える

30代後半になって、最近急に白髪が増えてきたように感じます。白髪を抜いてしまうことがあり、抜くと良くないのは本当でしょうか？本当に増えてしまう理由があるのか知りたいです。（37歳男性）

まず結論から言うと、「白髪を抜くこと自体がすぐに危険」という科学的な証拠はありません。

しかし、抜き方や頻度によっては頭皮や毛穴にダメージを与えてしまうことがあります。白髪は、黒い髪に比べて毛根のメラニン色素が少なくなった結果ですが、それ自体は“老化のサイン”や“遺伝的要素”、あるいは“ストレス”や“生活習慣の乱れ”等、様々な要因が絡んでいます。

白髪を見つけて「抜けばまた生えてこない」と考える方もいますが、実は一度抜いた毛は同じ場所からまた生えることがほとんどです。ただし、毎回抜くことで毛穴に負担がかかり、炎症や毛根障害を引き起こすリスクがあり、その状態が続くと抜け毛や薄毛にもつながる可能性があります。

また、白髪を抜くことにより毛穴の炎症が激しくなると、隣接する健康な毛根にも悪影響を及ぼすこともあるため、注意が必要です。つまり、抜くことで即「白髪が増える」ということはありませんが、抜き過ぎや不適切な処理は髪の健康には良くないことが多いのです。

なぜ白髪は増える？背景と対処法のヒント

白髪の増加には、加齢だけでなく遺伝、栄養不足、ホルモンバランスの変化、ストレスなど多様な背景があります。30代後半で急に白髪が増え始めるケースも珍しくありません。特に忙しい生活で栄養バランスが乱れたり、睡眠不足や過剰なストレスを感じることが影響していることも多いのです。

たとえば、髪に必要なメラニンの生成を助ける銅や亜鉛、ビタミンB群が不足すると、色素が薄くなり白髪が増えやすくなります。また慢性的なストレスは活性酸素を増やし、毛根細胞の働きを鈍らせると考えられています。そうした環境下で白髪をむやみに抜くと痛みや炎症につながりやすいため、なるべく抜かずに染める、または自然なケアで目立たなくする方法が理想的です。

具体的には、頭皮マッサージで血流を促進したり、栄養バランスの良い食事を心掛けること、過度なストレスをため込まない生活リズムを作ることが効果的です。さらに、白髪が気になる場合は、市販の白髪染めや専門サロンでのケアを利用するのも選択肢のひとつでしょう。

白髪との付き合い方とまとめ

白髪が増えると気分が落ち込むこともありますが、抜くことは根本的な解決にはなりませんし、頭皮トラブルのもとにもなりえます。白髪を抜くことによる「悪影響」の噂には一理あるものの、過剰に心配しすぎず、適切なケアが大切だというのが現実です。

30代後半からの白髪増加は決して珍しいことではなく、体の変化や生活環境の影響が絡んでいます。まずは抜かずに自然な形で対処し、生活習慣の見直しや専門的なケアを検討してみるのがおすすめです。白髪も含めて自分の髪とゆったり向き合うことが、長く健康な髪を保つコツと言えるでしょう。

監修者：PRIDE CLINIC 院長久野賀子（https://pride-clinic.com/）

2017年東京医科歯科大学医学部医学科卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、５年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。

※記事内の情報は執筆時点の内容です。
調査方法：インターネットサービスによる任意回答（自由回答式）
調査実施日：2025年8月7日