女性「若い頃から白髪が多くずっと悩んでた…」“ストレスで白髪が増える”これって本当？！【医師がズバリ回答】

2025.8.20

若いのに白髪が多くて鏡を見るたびにため息。そんな悩みを抱えている人は少なくありません。白髪は年齢を重ねるごとに増えるものですが、20代や30代、さらにはそれ以下でも目立つことがあります。

特に悩ましいのは、ストレスが白髪を増やすって本当？という疑問。ストレス社会と言われる現代、心当たりのある人も多いのではないでしょうか。今回は、「ストレスと白髪がどう関係しているのか」を解説します。

ストレスって白髪にどう影響するの？そのメカニズムをひも解く

若い頃から白髪が多くてずっと悩んでいました。ストレスも抱えていましたが、本当に関係しているのか気になっています。ストレスで白髪が増えるのは本当ですか？（35歳女性）

結論から言うと、ストレスが全く白髪に関係ないとは言い切れません。白髪の主な原因はメラニン色素の減少によるもので、遺伝や加齢が大きな影響を持っています。一方で、過度なストレスが体に与える影響は多岐にわたり、白髪もその一つに含まれていると考えられています。

ストレスを感じると、体は「交感神経」が優位になり、ホルモンバランスが変わります。これに伴い、活性酸素が増え、毛根のメラノサイト（色素を作る細胞）にダメージが起きやすくなるのです。さらに、慢性的なストレスは血流を悪くし、健康な髪を育てるために必要な栄養や酸素の供給も妨げます。これらの条件が重なると、白髪が増えるリスクが高まる可能性があります。

しかし、これが即ち「ストレスを感じたら必ず白髪が増える」というわけではなく、個人差が大きいこともポイント。ストレスに強い人や、そもそも遺伝的に白髪が出やすい人など、その影響度にはばらつきがあります。

若年性白髪はストレス以外にも？背景と具体例で見えてくる白髪事情

白髪が若い頃から多い場合、ストレスだけでなく他の要素も関わっていることが多いです。代表的なのは遺伝。親や祖父母に若白髪が多い家系だと、遺伝的に色素細胞の働きが弱まりやすいことがあります。また、栄養不足や偏った食生活、慢性的な睡眠不足は髪の健康を損なう要因です。

例えば、髪の栄養になる最も有名ビタミンHや、ビタミンB群やミネラル類（カルシウム、亜鉛など）が不足すると、髪の成長や色素生成に影響を及ぼすことがあります。さらに、喫煙や過度の飲酒も血管を収縮させて血流を悪化させるため、白髪を進行させやすくなるといわれています。

若年性白髪の具体例として、20代で目立つ白髪が増えた人の中には、仕事や人間関係のストレスだけでなく、睡眠不足や食生活の乱れも同時に抱えているケースもあります。こういった複数の要素が合わさることで、白髪が早く増えることも考えられます。

心を軽くして白髪と上手につきあうために

ストレスが白髪の原因の一部であることは間違いありませんが、それだけで白髪のすべてが説明できるわけではありません。まずは原因を理解しながら、自分なりに心身のバランスを整えることが大切です。例えば、規則正しい生活や栄養バランスのよい食事、適度な運動、そして何より自分なりのリラックス法を見つけることが白髪対策にもつながります。

また、白髪は誰にでも起こりうる自然現象のひとつと捉え、必要以上に気にしすぎないこともストレス軽減のポイント。染めるなどの対処法もありますが、それによって心が楽になるのであれば、それもひとつの選択肢です。

若い頃から白髪が多くても、それがあなたの魅力の一部になることもあります。無理に隠すのではなく、理解と受け入れを通じて、長く自分らしいヘアスタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか。

ストレスと白髪の関係は複雑、でも前向きに付き合うことがカギ

白髪は加齢や遺伝が大きな原因ですが、ストレスもその一因となり得ます。ストレスによって活性酸素が増えたり、血流が悪くなったりすることで、毛根のメラノサイトに影響が出ることがわかっています。しかし、それが白髪につながる度合いには個人差があり、ストレスだけで起こるわけではありません。若年性白髪の背景には、栄養・生活習慣、遺伝など様々な要素が絡み合っています。

白髪に悩んでつらくなることもあるかもしれませんが、まずは生活全体を見直し、無理をしない範囲で心身のバランスを整えるのが望ましいでしょう。そして、自分の白髪をあまりマイナスに捉えず、自然な変化のひとつとして受け入れていくことも大切です。白髪と上手につきあいながら、自信を持って毎日を過ごせるといいですね。

監修者：PRIDE CLINIC 院長久野賀子（https://pride-clinic.com/）

2017年東京医科歯科大学医学部医学科卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、５年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。