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80'sムードが再燃!2025年夏、注目すべきクラシックシューズ5選

  • 2025.7.27

バレリーナシューズ

ペリー・エリス、1987年春夏コレクション
Bailarinas.ペリー・エリス、1987年春夏コレクション
クロエ、2025年春夏コレクション
Bailarinas. クロエ、2025年春夏コレクション

映画『パリの恋人』(1957)でオードリー・ヘプバーン演じるジョー・ストックトンが見せた装いは、バレリーナシューズの優美さを象徴するスタイルとして、時代を超えて語り継がれてきた。UK版『VOGUE』2021年3月号でアンジェリーナ・ジョリーが纏ったカバー・ルックも、その現代的なオマージュだ。

この上品なシューズを日常に落とし込んでいたのが、80年代のダイアナ妃。ジーンズにブレザーを合わせたミニマルな装いに、バレリーナフラットで抜け感を加える──そんな自然体のエレガンスが、今改めて支持を集めている。

2025年春、クロエCHLOÉ)から登場したのは、クラシックなフォルムにレースアップのひねりを加えた一足。どこか懐かしくて、でも今のムードにぴたりと寄り添う。カジュアルが定番化した足もとに、軽やかでセンシュアルな選択肢をもたらしてくれる、そんな存在だ。

スリングバック

ジョルジオ アルマーニ、1987年春夏コレクション
Zapatos slingback.ジョルジオ アルマーニ、1987年春夏コレクション
タマラ・ラルフ、2025年春夏コレクション
Zapatos slingback.タマラ・ラルフ、2025年春夏コレクション

パワースーツをフェミニンに仕上げるなら?そのヒントをくれるのが、映画『ワーキング・ガール』(1988)でメラニー・グリフィスが履いていたスリングバックヒールだ。

1987年春夏、ジョルジオ アルマーニGIORGIO ARMANI)は、パワーショルダーのジャケットにプリントパンツ、そしてピンヒールのスリングバックを合わせたルックを披露。意志のある佇まいの中に、しなやかな女性らしさを宿すスタイルは、時を超えて再び注目を集めている。

2025年春夏、タマラ ラルフTAMARA RALPH)のショーでは、ウエストを絞ったベルベットジャケットに、パール付きのペンシルスカート。そして足もとには、繊細なストラップのスリングバックが。重厚さの中に抜けをつくるこのバランス感こそ、いまの“強さ”を表現する新しいコードとなっている。

Tストラップシューズ

ジバンシィ、1988年春夏コレクション
Zapatos T-Bar.ジバンシィ、1988年春夏コレクション
クリストファー・エスバー、2025年春夏コレクション
Zapatos T-Bar.クリストファー・エスバー、2025年春夏コレクション

1988年春夏、ジバンシィGIVENCHY)のランウェイに登場したのは、水玉フリルのドレスにたっぷりと巻いたストール、そしてTストラップのヒール。マキシマリズムが花開いた時代、その“more is more”な美学を象徴するルックとして話題を集めた。

けれどその後、Tストラップは“グラニーシューズ”のイメージに縛られ、次第にモードの表舞台から姿を消していく——クラシックすぎて、ちょっと野暮ったい。そんな扱いを受けていた時期も、確かにあった。しかし今、あの“おばあちゃんっぽさ”がむしろ新鮮に映る。グラニーニットやナイトウェア、そしてTストラップ——レトロなムードにひねりを加えて、懐かしさごと再構築するスタイルが、ファッションの先端で静かに息づいている。

その空気を体現していたのが、クリストファー エスバー(CHRISTOPHER ESBER)の2025年春夏コレクション。しなやかなホルタートップにテーラードパンツを合わせたミニマルなルックに、足もとで効かせたのは、クラシックなTストラップのブラックヒール。かつて“グラニー”と呼ばれたその一足が、いまのムードにフィットしている。

オックスフォードシューズ

ヨウジヤマモト、1985年のコレクション
Zapatos Oxford.ヨウジヤマモト、1985年のコレクション
ロエベ、2025年春夏コレクション
Zapatos Oxford.ロエベ、2025年春夏コレクション

スカートスーツに尖ったヒール。80年代と聞いてまず思い浮かぶのは、そんな力強く華やかなスタイルかもしれない。けれどその一方で、しなやかでジェンダーレスな美学も、静かに息づいていた。ヨウジヤマモトYOHJI YAMAMOTO)が描いたのは、アンドロジナスなパワールック。足もとには、凛とした佇まいのオックスフォードシューズ。その潔さが、時代の空気の中で異彩を放っていた。

そして2025年春夏。ジョナサン・アンダーソンによるロエベLOEWE)のラストコレクションには、その精神が静かに受け継がれていた。誇張されたオックスフォードに、繊細なベビードールドレス。強さとやわらかさが隣り合う、その絶妙なアンバランスが、今の空気を物語っていた。

ツートーンパンプス

シャネル、1982年春夏コレクション
Zapatos pumps bicolor.シャネル、1982年春夏コレクション
バルマン、2025年春夏コレクション
Zapatos pumps bicolor.バルマン、2025年春夏コレクション

真っ赤なルージュに、さりげないボブヘア。そして足もとには、バイカラーのパンプス。知性とフェミニティが共存するその佇まいは、時代を超えて“パリジェンヌらしさ”の象徴となってきた。

1980年代初頭、シャネルCHANEL)のランウェイに登場したツートーンパンプスは、ツイードや重ねづけしたパール、そしてダブルCのロゴとともに、メゾンの美学を体現するマスターピースへと昇華。クラシックでありながら、機能性も備えたその一足は、時代を問わず愛され続けてきた。今では、シャネルにとどまらず多くのブランドがこのクラシックをアップデート。足もとに知性と余白を宿すツートーンの魔法は、これからさらに広がっていきそうだ。

Text: Michel Mejía Adaptation: Mei Fujita, Saori Yoshida

From: VOGUE.MX

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