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工夫して10秒で計算してみて!「4111−3987」→暗算できる?

  • 2025.8.31
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繰り下がりは、引き算の難易度を左右する大きな要素です。繰り下がりが多い引き算は、筆算をしても間違いやすく、暗算となれば難易度は上がります。

しかし、工夫次第では、意外と簡単に答えが出てしまうかもしれませんよ。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
4111−3987

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「124」です。

この問題、百の位から一の位までは、上位の位から数を借りないと(繰り下がりしないと)答えが出せません。

これはかなり面倒です。

次の「ポイント」では、繰り下がりをできるだけ回避するための工夫を紹介しますよ。

ポイント

この問題のポイントは、「引く数をいったん切りのよい数にしてから引き算すること」です。

この式がややこしいのは、引く数3987が切りの悪い数だからです。そこで、引く数を3987に近くて切りのよい数4000に変えてしまいましょう。

4111−3987→4111−4000=111

繰り下がりはまったく生じないので、計算がとても楽になりましたね。

とはいえ、111は「4111−4000」の答えであり、元の式「4111−3987」の答えとは異なります。

そこで、「−4000」と「−3987」のずれを埋めることを考えます。4000は3987よりも13大きい数です(4000−3987=13)。つまり、3987の代わりに4000を引くと、本来の式よりも13多く引いてしまっていることになります。

そこで、いったん4111から4000を引いて、あとで引きすぎた13を足します。こうすれば、面倒な繰り下がりを回避しつつ、元の式と同じ答えを出せます。

4111−3987
=4111−4000+(4000−3987)
=4111−4000+13
=111+13
=124

二行目の+(4000−3987)は、切りのよい引く数と元の引く数の差を足して、答えを元の式と変えないように調整している部分です。

ただ、この部分もそのまま計算すれば繰り下がりが生じてしまいます。そこで、「3987+13=4000」を元にして、4000と3987の差は13だと考えます。3987と4000はかなり近い数なので、引き算を足し算に変えて考えると答えが出しやすいのです。

なお、この計算の( )を取り去ると、次のように「−4000」と「+4000」が打ち消しあって、元の式に戻るのが分かります。

4111−4000+(4000−3987)
=4111−4000+4000−3987
=4111−3987

まとめ

今回紹介したのは、引く数を切りのよい数に変えて計算する工夫でした。

bより大きくて切りのよい数をb'とすると
a−b
=a−b'+(b'−b)

( )を取るとb'が打ち消しあって、a−b'+b'−b=a−bになる。

この工夫は、引く数が切りのよい数に近いときに使えます。一方で、引く数が切りのよい数からかなり離れていると、(b'−b)の計算が複雑になることがあるので注意しましょう。

このシリーズでは、他にもさまざまな暗算の工夫を紹介しています。引き続き別の問題にもチャレンジしてみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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