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ライラ・モスの“滝のような”ラッフルスカートが、2025年のいま新鮮に映る理由

  • 2025.7.13

永遠のアイコン、フランソワーズ・アルディが5枚目のアルバム『La Maison où j'ai grandi』をリリースした1966年に、イヴ・サンローランは「リヴ・ゴーシュ」ラインを立ち上げた。オートクチュールの高尚な世界から離れ、初めてストリートのエネルギーへと目を向けたその瞬間は、まさに時代を切り取った一コマであり、アンソニー・ヴァカレロは2025年プレフォールコレクションでそのエッセンスを呼び起こした。そこには、バッドガール風のレザージャケット、クロコ風のタイトスカートヴィンテージ調のブルゾン、そして床を這う滝のようなラッフルスカートなどが登場したのだった──。

ライラ・モスはその“マキシ丈がミニ丈に変化したようなスカート”を着こなし、パリの歴史あるブルス・ドゥ・コメルスで開催された2026年春夏のサンローラン(SAINT LAURENT)のメンズのショーに現れた。透け感のあるロングスリーブトップに、Tストラップのパンプスを合わせたルックは、ブランドのプレフォールのルックブックでのマチルダ・グヴァルリアーニのスタイルに倣ったもの。前から見ると“ブラット”で、後ろ姿は“ボーホー”のようなルックは、1960年代のロンドンを中心に起きた若者文化であるスウィンギング・シックスティーズにインスパイアされたようでありながらも、2025年という時代の空気を閉じ込めたようにも見える。

サンローラン2026年春夏メンズコレクションのプレゼンテーションに現れたライラ・モス。
Saint Laurent: Photocall - Paris Fashion Week - Menswear Spring/Summer 2026サンローラン2026年春夏メンズコレクションのプレゼンテーションに現れたライラ・モス。

モスは、今季もっとも豪華と噂されていたゲストリストに名を連ねたひとりだった。ほかには、ラミ・マレックアーロン・テイラー=ジョンソンアメリア・グレイ、マルク・エイデルシュテイン、ガブリエット、The Dare、ペギー・グーといった面々が集結。ヴァカレロは、1974年のサンローラン、そして80年代の(「ゲイの楽園」と称されていたこともある)ファイアーアイランドへと思いを馳せ、パトリック・アンガス、ビリー・サリヴァン、ラリー・スタントンといった、エイズで命を落としたアーティストたちの豊かな色彩世界からインスピレーションを得た。

「なぜその時代をインスピレーションに選んだのですか?」というVOGUEのサラ・モーアの問いに、ヴァカレロは「だって僕はゲイだから」と答えた。だが、彼は続けてこうも語った。「彼らは、何が起こるかもわからないまま、激しくて楽しい時間を生きていた。その姿に、今の時代の空気を重ねました。私たちももっと考えるべきかもしれない。人生を見逃さないためにね」。

Text: Daniel Rodgers Adaptation: Reona Kondo

From VOGUE.CO.UK

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