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「え?娘の彼氏と?」「気持ち悪い」“あまりにも攻めた脚本”に衝撃…だけど「観ないと人生の半分損する」大絶賛の“隠れた名ドラマ”

  • 2025.8.3

ドラマや映画の中には、人生を見つめ直すきっかけをくれる作品があります。今回は、そんな中から"心に問いかけられる名作"を5本セレクトしました。本記事ではその第2弾として、ドラマ『その時がきた』(フジテレビ系列)をご紹介します。
美容整形の世界で成功を収めた主人公が、家族や仕事、そして道ならぬ恋に揺れながら、自分らしい生き方を模索していく――その先に待つ衝撃の結末とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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大谷直子(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『その時がきた』(フジテレビ系列
  • 放送期間:1997年10月6日~1997年12月26日
  • 出演: 大谷直子(九重彰野 役)

九重美容外科クリニックで院長を務める九重彰野(大谷直子)は48歳。メディアに注目される一方、家庭では夫・明治(岡本富士太)がアルコール依存症の治療に専念するため、城ケ島に診療所を構えたまま家を離れています。

朝から休みなく働く彰野に、同僚の医師は「まだ48なんだから、家族のことばかりじゃなく自分の楽しみも見つけなさい」と助言。

そんなある日、娘の毬世(宮澤美保)が参加する美術大学のグループ展が開かれました。毬世が出品した母・彰野を描いた絵の前で、一人の若者が立ち止まり、「寂しそうだ」とつぶやきます。

同じころ、彰野のクリニックには知人の紹介で新しいアルバイト医・添田(増沢望/現:増澤ノゾム)が訪れます。彼はかつて彰野と同じ大学で学んだ後輩でした――。

“若さを売る美容外科医”が語った「老いていく"その時"はやって来る」

ドラマ『その時がきた』は、1997年に東海テレビが制作し、2025年1月16日からBS松竹東急で再放送された全58話のテレビドラマです。

原作は作家・佐藤愛子さんの同名小説。佐藤さんは『ソクラテスの妻』『血脈』『九十歳。何がめでたい』など、数々のベストセラーを生み出したことでも知られています。

主演の大谷直子さんは、NHK大河ドラマ『勝海舟』草燃える』『北条時宗』軍師官兵衛』、土曜ドラマ『松本清張』シリーズ鎌田敏夫』シリーズなど、名作で幅広く活躍してきた実力派女優です。

そんな彼女が本作で演じるのは、美容外科クリニック院長・九重彰野。これまで多くの女性に“若さ”を提供してきた彰野ですが、やがて自分自身の老いに直面し、心が揺れ始めます。

アルコール依存症の夫を支え、家族のために働く彰野を心配した娘の毬世は離婚を勧めますが、彰野は「やりたいことをやっている夫を尊敬している」と語り、夫がつくった借金返済のために好きではない美容外科の仕事を続けています。

クリニックでは、若さを失うことを恐れる患者に「老いていく"その時"はやって来る」と諭す場面も。

本作は、美容整形外科の院長として多くの女性に“若さ”を提供し続けてきた主人公が、やがて自らの老いに直面し、家族や人生の意味を問い直していく――その過程を丁寧に描いた作品です。

ミドルエイジ女性の“生きづらさ”を描いた話題作

美容整形熟年離婚年下男性との道ならぬ恋――今では珍しくないこれらの題材も、1997年の放送当時、ドラマで深く描かれることはほとんどありませんでした。制作に携わったプロデューサーが「時代を先取りした題材」と語るように、本作は女性が抱える生きづらさをいち早く描いた作品でもあります。

物語の中で描かれるのは、母と娘の微妙な距離感や、年齢を重ねた女性特有の孤独…。娘の毬世が描いた母の絵を見て、「寂しそう」と評される場面は、外見の華やかさの裏に隠された孤独や焦燥を象徴しています。

SNSでは、「え?娘の彼氏と?」「気持ち悪い」「この話はホラーでしょうか…」といった声が見られました。

一方で、「最後は倫理的に疑問が残るけど全体的に楽しめた」「観ないと人生の半分損する」「超おもしろい昼ドラ」「隠れた名作」「大谷直子さんは凛として素敵」といった肯定的な声も多く寄せられています。

これほど賛否が分かれるのは、登場人物の選択や価値観が現代にも通じるテーマであり、観る人の心を強く揺さぶるからでしょう。『その時がきた』は、時代を先取りした題材と細やかな女性の心理描写によって、今なお“隠れた名作”として愛されています。


※記事は執筆時点の情報です