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37年前、日本中が面食らった“銀河級アイドルソング” デビュー1年未満で皆を虜にした“音速シンデレラ”

  • 2025.7.30

「1988年の春、どんな音が街を包んでいたか覚えてる?」

バブル経済が加速を始めた日本。街には浮かれ気分とキラキラした空気が満ち、ファッションも音楽も“とにかく派手”が正義だった。

そんな時代のど真ん中に、ローラースケートを履いた7人組が颯爽と現れ、音楽番組のセンターを独占していく。

光GENJI『パラダイス銀河』(作詞・作曲:飛鳥涼)――1988年3月9日リリース。

37年前、日本中が「銀河の彼方までぶっ飛ばされた」ような衝撃を、この1曲とともに味わい、面食らった。

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

デビューからわずか1年未満、まさかの“音速シンデレラ”

『パラダイス銀河』は、光GENJIの3枚目のシングル。前年に『STAR LIGHT』(作詞:飛鳥涼・作曲:チャゲ&飛鳥)で華々しくデビューした彼らは、たった数ヶ月で“ジャニーズの新しい看板”として国民的な人気を獲得し、この曲でその勢いはさらに加速する。

ローラースケートで舞台を駆け巡るパフォーマンスと、光GENJIのまばゆい笑顔。その全てが、テレビを通して家庭の中に入り込み、子どもから大人までを虜にしたのだった。

“青春”という名のジェットコースター

『パラダイス銀河』というタイトルからしてすでにインパクト抜群だが、楽曲自体もまるでテーマパークのアトラクションのようにワクワク感で溢れている。

イントロから一気に駆け抜けるビート。まるで「乗り遅れたら終わり」とでも言わんばかりのテンポの中で、光GENJIの7人が次々と輝きを放っていく。

当時中高生だったリスナーにとって、この曲は「自分の青春にテーマソングがあるとしたら、これだ」と感じさせるような存在だった。

キラキラしたサウンドに乗せて、「退屈をぶっ飛ばせ」と背中を押してくれる感覚。単なるアイドルソングという枠を超えて、多くの若者にとって“前を向かせてくれる存在”だったのだ。

“飛鳥涼が築いた光GENJIサウンド”という革命

この曲を作詞・作曲したのは、CHAGE and ASKAとしても活躍していた飛鳥涼。だが、実は彼はこの『パラダイス銀河』だけでなく、デビュー曲『STAR LIGHT』『ガラスの十代』と、光GENJIの初期シングル3作すべてを手がけている(『STAR LIGHT』はCHAGEとの共作)。

つまり、光GENJIの“音”そのものが、飛鳥の感性によって作られていたということになる。

アイドルソングらしからぬ緻密なメロディライン、“走るように高揚するビート”――それらはすべて飛鳥の持ち味だ。シンプルに聴こえながら、実は非常に高度なポップスで構成されており、「踊れるエンタメ」としての完成度も極めて高い

そして、飛鳥のサウンドに、派手な衣装、ローラースケート、完璧に揃ったダンスが重なることで、光GENJIという存在は“見る音楽”として成立した。

音とビジュアルが完全に融合したこのスタイルは、後のJ-POPアイドルにおける“テンプレート”の一つとなっていく。

“銀河の果て”まで駆け抜けた7人が見せた、ほんの一瞬の奇跡

光GENJIは、その後も快進撃を続け、一時代を築いたが、『パラダイス銀河』はその中でも“圧倒的な象徴”として記憶されている。

アイドルとしての煌めきと、音楽的な完成度。その二つが極限まで研ぎ澄まされたこの1曲が、彼らのキャリアにおける“頂点の証”であることは間違いない。

あの頃、誰もが彼らに夢を見た。

ローラースケートで走り抜ける姿に、自分の未来を重ねた。

“若さ”と“勢い”と“きらめき”――その全部が詰まった奇跡のような3分間。

『パラダイス銀河』は、しゃかりきコロンブスな日々でも、聴くたびにあの頃の高揚感を鮮やかに思い出させ、夢の島へ連れていってくれる。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。