1. トップ
  2. クイズ
  3. 意外に間違える人が多いかも…?「時速60kmの車で20分間ドライブ」→何km進む?

意外に間違える人が多いかも…?「時速60kmの車で20分間ドライブ」→何km進む?

  • 2025.8.5
undefined

速さと時間の問題は、基本となる速さ・時間・距離の関係式を単位に合わせて柔軟に書き換えるテクニックが求められます。

学生時代、速さと時間の問題が苦手だったという人は多いかもしれません。しかし、問題文の意味をしっかり押さえて計算すれば、案外簡単に答えを出せるかもしれませんよ。

問題

時速60kmの車で20分間ドライブすると、スタート地点から何Km進みますか?

解答

正解は、「20Km」です。

この問題を計算するにあたり、一生懸命「はじき」や「みはじ」の法則を思い出そうとした人もいるかもしれません。

しかし、この問題は単に「はじき」の法則に数字を当てはめただけでは答えが出ません。

一方で、問題の意味を正確に理解できれば、公式なしでも十分答えにたどり着けますよ。

次の「ポイント」で、この問題の計算過程を紹介します。

ポイント

この問題のポイントは、「単位をそろえること」です。

まず、速さ、時間、距離の関係を整理してみましょう。

この問題では、車の速さは時速60kmとなっています。時速とは、1時間あたりに進む距離のことです。この車は1時間で60km進むのですね。

ということは、2時間であれば「60km×2」、3時間であれば「60km×3」進むわけです。この関係を確認できれば、次の式を自分で作ることができます。

60km×時間=進んだ距離

さて、今回問題に書かれている時間は「20分」です。では、上の式の時間の場所に20分を当てはめればよいのでしょうか?

60km×20=1200km?

1時間で60kmしか進まないのに、20分で1200kmも進んでしまうのは明らかにおかしいですね。

これは、20分を時間の単位に直していないからです。

前述した通り時速60kmは、1時間単位の速さを表しています。よって20分で進む距離を出すには、速さを1分単位の速さ=分速に直すか、20分を時間の単位に直す必要があります。

では、二つのやり方を見てみましょう。

時速を分速に直して計算する

まずは、時速を分速(1分単位の速さ)に直して計算する方法をご紹介します。

1時間は60分ですから、1時間で60km進む車=60分で60km進む車です。したがって、この車が1分で進む距離は60km÷60で求められますね。

60km÷60=1km

1分で1km進むのだから、20分では1Km×20進みます。

1km×20=20km

20分を時間に直して計算する

次に20分を時間に直して計算する方法を見てみましょう。

1時間は60分ですから、20分は20/60時間、つまり1/3時間といえます。

20/60=1/3時間  ←分子と分母を20で割って約分する

1時間あたりに進む距離は60kmですので、60Km×1/3で20分で進む距離が求められます。

60Km×1/3=20km

はじきの法則で間違いやすいポイント

最後に、速さの問題でよく見る「はじきの法則」を使う場合の注意点を紹介します。

undefined

「はじき」の法則は上の図のような形をしていて、この図に問題文の数を当てはめて使います。

今回の問題でいえば、速さ=時速60km、時間=20分です。

「はじき」の法則に数を当てはめると、「60km×20分」を計算することになりますが、先に紹介した通り、速さと時間の単位がずれていますので、この式は間違いになります。

また、「はじき」の法則では「は」と「じ」と「き」を書く場所を間違えてしまうと、まったく使えない図が出来上がってしまいます。

「はじき」の法則は一見便利ですが、単に数字を当てはめれば答えが出てくると思い込んでいたり、速さ・時間・距離の場所をあやふやに覚えていたりすると、誤答のもとになってしまいます。

「はじき」の法則の形をしっかり思い出せない場合、文章の意味を考えながら式を組み立てた方が、正解率が高くなるでしょう。

まとめ

今回は、速さと時間から距離を求める問題にチャレンジしました。

このような問題は、速さ・時間・距離の単位がそれぞれそろっているかを必ず確かめてから、計算式を立てましょう。

時速とは1時間に進む距離だと認識できていれば、時速60kmに20分をそのまま掛けるようなミスは防げるはずです。速さと時間と距離の関係を確認しながら、計算をしていくことが大事ですよ。

他にも速さの問題を用意していますので、ぜひチャレンジしてみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


類似の問題に挑戦!

大人が意外と間違える「144kmの道のりを秒速20mで走ると…」→何時間かかる?
大人が意外と間違える「144kmの道のりを秒速20mで走ると…」→何時間かかる?