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大人が意外と間違える「144kmの道のりを秒速20mで走ると…」→何時間かかる?

  • 2025.7.5
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今回は、速さと時間の問題に挑戦です。

学生のころこのジャンルの問題が苦手だったという人も、ぜひチャレンジしてみてください。

速さの問題を計算するポイントが分かりますよ。

問題

秒速20mの電車が144kmの道のりを走るのに何時間かかりますか?

解答

正解は、「2時間」です。

この問題は、時間と速さと道のりの関係式にそのまま数字を当てはめて計算できるものではありません。

次の「ポイント」で、答えを出すまでの流れを確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「単位変換」です。

今回は、次の二つの単位変換を正確に行うことが重要ですよ。

・秒速→時速への単位変換
・m→kmへの単位変換

それぞれ順番に見ていきましょう。

【前提知識】速さ・道のりから時間を求める式

速さと道のりが分かっている問題で、時間を求めるときは次の式を使います。

道のり÷速さ=時間

この式を忘れているときは、すごく簡単な例で考えてみるといいですよ。

例えば、10mの道のりを秒速2mで進むとしたら、何秒かかるかを計算するにはどうすればよいでしょうか。秒速は1秒ごとに進む距離のことです。1秒ごとに2m進むのだから、10m進むにはどれぐらいかかるのかというと…。

自然と「10m÷2m=5秒(道のり÷速さ=時間)」の計算ができたのではないでしょうか。

秒速→時速への単位変換

上で「道のり÷速さ=時間」の式を確認しましたが、今回の問題でいきなりこの式を使おうとするのは間違いです。

先に紹介した「10mの道のりを秒速2mで進むとしたら、何秒かかるか」という問題では、速さの単位(秒速)と求める時間の単位(秒)はどちらも秒でしたね。

しかし、今回の問題は次のようになっています。

秒速20mで走る電車が144kmの道のりを進むのに何時間かかりますか?

速さは速、求めるのは時間と、単位にずれがあるのが分かりますね。

こんなときは、秒速を時速に直してから計算します

まず、秒速を分速に直してみましょう。1分は60秒ですから、60秒で進む距離を求めればそれが分速になります。これは秒速20mに60を掛ければ求められます。

分速:20m×60秒=1200m

次に、分速を時速に直します。1時間は60分ですから、60分で進む距離が時速になります。これは、分速1200mに60を掛ければ求められますよ。

時速:1200m×60分=72000m

これで時速が出ました。

m→kmへの単位変換

最後に、時速と道のりの単位を揃えましょう。

この問題で、道のりは144kmだと書かれています。一方の時速は現時点で72000mと分かっていますが、kmとmでは単位が違うため、このまま割り算しても正しい答えは出ません。

まずは、72000mをkmに直しましょう。1kmは1000mなので、72000mは72kmです。

つまりこの問題は「時速72kmで走る電車が144kmの道のりを進むのに何時間かかりますか?」というふうに書き換えることができるのです。

これで単位はすべてそろったので、「道のり÷速さ=時間」の式を使って答えを求められます。

144km÷72km=2時間

まとめ

今回のように、速さと時間の問題には、単に関係式を覚えておくだけでは計算できないものがあります。

このような問題を計算するためのポイントは、単位をそろえることです。「何時間かかるか」という問題の場合は、速さを時速に変換してから計算します。

さらに、長さの単位がばらばらになっていないかも注意しましょう。今回は、kmに統一してから計算をしました(mに統一して計算しても答えが出ますが、数字が大きくなるので少し計算しづらくなります)。

単位がそろっているかどうか確認することで、速さと時間の問題の正解率はぐっとアップするはずですよ。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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