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工夫して10秒で計算してみて!「10,14,18,22,26,30の数列」→合計は?

  • 2025.7.20
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何らかの規則性を持つ数の列のことを「数列」といいます。

数列にはいくつかの種類があります。ある種類の数列の合計を求めるには、ただ数を一つひとつ足していくよりも、数列の特徴を生かして工夫する方が効率的に答えを出せますよ。

問題

次の数列の合計を求めなさい。
10,14,18,22,26,30

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「120」です。

10秒以内に計算ができましたか?

「制限時間が短すぎて、計算できない!」と思った人は、ぜひ次の「ポイント」をご覧ください。

効率的に合計を求める工夫を紹介していますよ。

ポイント

この問題のポイントは、「等差数列の特徴を使って合計を計算すること」です。

<等差数列>
同じ数だけ減ったり増えたりする規則性を持った数の列のこと。

後ろの数から前の数を引いた答え(差)がどこでも同じになれば、その数列は等差数列です。

まずは、今回の数列が等差数列かどうか確かめてみましょう。

10,14,18,22,26,30

「後ろの数−前の数」の計算をすると、次のようになります。

14−10=4
18−14=4
22−18=4
26−22=4
30−26=4

どの箇所でも差が4になったので、この数列は等差数列です。なお、等差数列では「後ろの数−前の数」の差を公差と呼びます。この数列は、公差4の等差数列です。

ここで、等差数列の数の並びを逆にして、元の数列と足してみましょう。

10,14,18,22,26,30
30、26、22、18、14、10 ←逆にして足す(以下画像を参照)
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どの部分の答えも40になっていますね。一見不思議に見える現象ですが、等差数列ではこれは当たり前の結果なのです。

この数列は等差数列なので、上の数列は4ずつ増えており、その数列を逆にした下の数列は逆に4ずつ減っています。4増えた数と4減った数を足しているのですから、プラスマイナス0で、どこでも足し算の結果は変わらないのです。

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例えば、「10+30」の次は「14+26」になります。これは「(10+4)+(30−4)」のことなので、整理すると「+4」と「−4」が打ち消しあい、結局「10+30」と同じ式になりますね。

14+26
=(10+4)+(30−4)
=10+30+4−4
=10+30
=40

さて、今回の数列は数が6個あるので、すべての数を足すと40×6=240になります。

これは、同じ数列を二つ足したときの合計なので、「÷2」をすれば元の数列の合計が出てきます。

40×6=240
240÷2=120

これが今回の問題の答えです。

まとめ

等差数列の合計を出す手順を公式としてまとめると、次のようになります。

数列の最初の数を初項、最後の数を末項、数列に含まれる数の個数を項数とすると、等差数列の合計は(初項+末項)×項数÷2で求められる

数列と逆にした数列のどの部分の合計も等しいので、代表して初項+末項の値を使います。「(初項+末項)×項数」が二つの数列の合計です。元の数列の合計を出すには、二つの数列の合計を2で割ればよいのです。

実際に数列をひっくり返して足して...という手順を取らなくても、公式に数を当てはめれば簡単に等差数列の合計を求められますよ。

ただし、公式の背景を理解していないと忘れやすくなるため、「公式が成り立つ仕組み」も一緒に覚えておくとよいでしょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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