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「ガッカリ」「いいドラマだけに残念」“まさかの制作ミス”で公式謝罪の“異例事態”…だけど「全人類観て」熱狂ファン続出の秀作

  • 2025.7.3

「なんでこんなに言葉が刺さるの?」「ただの恋愛ドラマじゃない…これは“人生”のドラマだ」そんな声がSNS上にあふれるほど、視聴者の心を掴んだ名作ドラマ『カルテット』。感情をあらわにしない登場人物たちが、ふと漏らす“本音のセリフ”。それは視聴者の心の奥深くに届き、「自分の人生」と重なる瞬間さえ与えてくれます。

本記事では、ドラマ『カルテット』における“刺さるセリフ”を軸に、物語の魅力と功績を深掘りします。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

セリフが印象的なドラマ『カルテット』

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(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):『カルテット』(TBS系)
  • 放送期間:2017年1月17日〜3月21日

あらすじ

冬の軽井沢に集まったのは、夢破れた30代の男女4人。巻真紀(松たか子)別府司(松田龍平)家森諭高(高橋一生)、そして世吹すずめ(満島ひかり)は、“偶然”カルテットを組むことになります。 しかし、その出会いはすべて偶然ではなく、真紀の失踪した夫にまつわる秘密が関係していました。

共同生活と演奏活動を続ける中で、4人は次第に心を通わせていきますが、それぞれが抱える秘密と本音が交錯するなかで生まれた小さな“ほころび”をきっかけに、日常が音を立てて崩れはじめますーー。

美しい弦楽の旋律の中に響く、ウソと本音の共鳴。恋と嘘と友情が複雑に絡み合う、極上の人間ドラマがそこにありました。

“セリフ”が刺さる理由とは?

『カルテット』が視聴者の心を強く揺さぶる最大の要因は、言葉の力にあります。登場人物たちが、感情を抑えながらも絞り出すセリフには、驚くほどのリアルさと痛みが伴い、視聴者を引き込んでいったのです。

たとえば、巻真紀(松たか子)が放つ有名なセリフ。

人生には、三つの坂があるんですって。上り坂、下り坂、まさか。絶対なんてないんです。人生ってまさかなことが起きるし、起きたことはもう元に戻らないんです。レモンかけちゃった唐揚げみたいに。
出典:ドラマ『カルテット』(TBS系)第1話

この言葉は「伝説の唐揚げレモン論争」として、多くの視聴者の心に残ったセリフです。SNSにもさまざまなコメントが寄せられ、「人生に絶対はない「まさか」のことが起きるし、起こったことはもう元に戻らない」「唐揚げレモンなんて話聞いたら カルテット観たくなってきた」等、中には唐揚げレモン=カルテットと記憶している方までいるようです。

また、家森諭高(高橋一生)の放ったセリフは、「不器用な大人」の切なさを象徴し、「行間案件」として多くの視聴者からの共感を得ました。

行間。好きな人には好きって言わずに会いたいって言うでしょ? 会いたい人には会いたいって言わずに、ご飯行きません?て言うでしょ。言葉と気持ちは違うの。出典:ドラマ『カルテット』(TBS系)第2話

「日常」に溶け込むようなこのセリフには、「考えさせられるワードすぎる」「これが通じない人にはどうしたらいい?」など、ご自身の経験と重ね合わせる視聴者も続出したようです。

そして、最後にご紹介するのは、多くの視聴者の心に響いたのは、次のセリフ

泣きながらご飯食べたことある人は、生きていけます。出典:ドラマ『カルテット』(TBS系) 第3話

世吹すずめ(満島ひかり)巻真紀(松たか子)がかけた言葉ですSNSでは「ドラマ史に残る名言」「私の心のお守り」とこのセリフに救われ、今も大切にしている方が多く見受けられました。

『カルテット』には、日常とリンクするような「みぞみぞするセリフ」がたくさんあります。共感したり、心を揺さぶられたり、時には怒ったり、泣いたり…。こうしたセリフは、派手さがないぶん、静かに、確実に視聴者の心を深くえぐっていったのです。

実は伏線だった…見事な脚本力

『カルテット』は、ドラマの中で生まれる”心に残るセリフ”だけではなく、制作側のこだわりも光っています。坂元裕二さんによる脚本は、全話通して言葉の“行間”を意識した繊細な構成で、多くの視聴者が”行間案件”を楽しみました。

普段の会話のような雰囲気で「ストーリーから脱線してるのでは?」と思いきや、実は伏線だった…というつくりにおいては、出演するキャストの方々も「面白い」との感想を残しています。

そのなかで、出演メンバーでもある世吹すずめを演じる満島ひかりさんは、台本を読んだ感想を、番組公式サイトによるインタビュー内で次のように語っています。

坂元さんの台本って、すっごく不思議で。最初読んだときには、「えー?なんでこうなるの?嘘みたい」とか、「そんなことあ~りません」(笑)みたいなことがあるのに、結局終わった後に台本を読み返してみると、“あ、書かれたとおりになっていた”…ということが多い。出典:松×満島×高橋×松田 4ショットインタビュー第2回(TBS)

一生懸命で、不器用で、だからこそ親近感が湧くドラマ『カルテット』。「行間案件」や「唐揚げレモン論争」など、誰もが親しめる話題を提供しつつも、なんだか心がチクっとするような…。そんな、自然と引き込まれてしまう演技の裏側には、こうしたキャストの”想い”が込められていたのですね。

”時間軸のズレ”で物議を醸し、公式が謝罪する事態に

日常的なシーンが多く、感情移入のしやすさから人気を集めていた『カルテット』。そんな本作ですが、SNSで物議を醸した場面もあったようです。

それは、第6話の別府司(松田龍平)家森諭高(高橋一生)のスマホ表示の日時が矛盾している件が発端でした。SNS上では「時間軸がズレているのでは?」という視聴者の不安と戸惑いが見られましたが、ドラマ『カルテット』自体に思わせぶりなセリフが多くちりばめられていたため、さまざまな考察が寄せられていました。

公式からも謝罪が出る異例事態となり、「制作ミス」と明言されましたが、一部では「いいドラマだけに残念」「ガッカリしちゃった」と悲しむ声も見られた一件です。

しかしながらも、登場人物の名言ともいわれるセリフや独特の世界観に“ハマる”視聴者は非常に多く、その人気は今でも衰えることはありません。

まとめ

キャストの見事な快演と秀逸な脚本によって「全人類観て」と言われるほどに熱狂ファンが続出した『カルテット』。

その熱狂の根源にあるのが、登場人物が奏でる“セリフ”たち。 耳に残るだけでなく、人生に問いを投げかけてくるような言葉の数々が、多くの人の記憶に深く刻まれました。

何気ない言葉が、実は一番の名言だったー。そんな発見を、あなたにもきっと与えてくれるはずです。