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40年前、日本中が震えた“エモい”の原点ソング 時代を越えて共鳴され続ける“激情の旋律”

  • 2025.8.1

「口づけをかわした日、誰のこと思い浮かべてた?」

1985年の秋。駅前の雑踏に混じって流れてきたあのイントロ。カセットを巻き戻すたびに少しずつ擦れていった音。でも、何度聴いても、気持ちは初めてあの歌に触れた日へ引き戻される。

REBECCA『フレンズ』(作詞:NOKKO・作曲:土橋安騎夫)――1985年10月21日リリース。

40年前にリリースされた、REBECCAにとっ4枚目のシングルであり、結果的に“バンドの象徴”となった曲だ。

この曲は、ただのヒットソングではない。誰かの記憶に貼りついて、今なお剥がれずに残っている“思い出の一部”だった。

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(C)SANKEI

感情が音になる瞬間――“フレンズ”が心に入り込んだ理由

当時のREBECCAは、まだメジャーシーンで確固たるポジションを築いていたわけではなかった。そんな中でリリースされた『フレンズ』は、従来のロック路線を引き継ぎつつも、感情的な歌詞と、緩急のある展開が印象的なミドルテンポのロックナンバーだった。

この曲は、ドラマ『ハーフポテトな俺たち』(日本テレビ系)のエンディングテーマに起用され、やがてドラマの枠を飛び越え、音楽そのものがひとり歩きを始めた。

イントロの数秒――あの印象的なシンセの響きだけで、もう空気が変わる。

そこに乗るのは、NOKKOの張り詰めたようなボーカル。まるで誰かの“言葉にならない気持ち”をそのまま音にしたような切実さが、サビで一気に爆発する。紡がれる“感情の渦”が、当時のリスナーの心に残った。

のちにアルバムにも収録され、バンドの代表曲として多くの人に知られていく。

“エモ”の原点は、ここにあったのかもしれない

今の感覚でいえば、『フレンズ』は完全に“エモい”の塊だ。

でも当時は、そんな言葉もなかった。

ただ、「なんかわかる」「これ、忘れられない」――そう思わせる楽曲だった。

しかもこの曲が収録されたアルバム『REBECCA IV 〜Maybe Tomorrow〜』は、最終的に130万を超えるセールスを記録。

当時の音楽番組では、バンド全体というより“この曲の空気感”が話題になるという珍しい現象まで起きていた。派手さではなく、空白の中にある感情を音にした。

だからこそ時代に、静かに沁み込んでいったのだ。

時代を超えて、再び“誰かの主題歌”になった

『フレンズ』の特異性は、時間が経っても色あせなかったという点にある。

その象徴が、1999年のフジテレビ系ドラマ『リップスティック』での主題歌としての再起用だ。主演は三上博史と広末涼子。非行少年少女を扱ったこの社会派ドラマで、『フレンズ』は主題歌として静かに流れた。

この時代に“懐メロ”として扱われず、今の若者の痛みにも寄り添える曲として選ばれたこと――それ自体が、この楽曲の持つ「普遍性」の証だった。

再結成で繋がれた生きている記憶

2015年、REBECCAは完全なる再結成を果たす。そしてその年の大みそか、『第66回NHK紅白歌合戦』に初出場し、『フレンズ』を歌唱した。

30年の歳月を経て、この曲が“年の瀬の日本”に届けられた。あの日の音をなぞるようでいて、声の奥には時の重みが宿っていた。

あの瞬間、『フレンズ』は単なる懐古の産物ではなく、“生きている記憶”として蘇った。

いまも“あの日の感情”が胸の奥にある

時代が変わっても、この曲はあちこちでリバイバルされ続けている。

CMに、ドラマに、カバーソングに。

特に20代や30代のアーティストたちがこの曲を歌いたがるのは、「新しさ」ではなく「人の心に届くもの」を求めているからかもしれない。

『フレンズ』が持つのは、懐かしさではない。

“この感情、まだちゃんと心の中にある”ということを、思い出させてくれるリアルさだ。

人は変わる。時代も変わる。でも、あの時に感じた感情の記憶は、消えない。

それをそっと教えてくれるのが、この曲だった。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。