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22年前、日本中が聴き惚れた“天使の歌声バラード” 平成の月曜深夜を熱狂させた“ドラマ仕立ての名曲”

  • 2025.7.17

「22年前、どんなラブソングに胸を打たれたか覚えてる?」

2003年2月14日、想い人に告白をするバレンタインデーであるこの日に、後世に残るラブソングが誕生した。

それはーーI WiSHの『明日への扉』(作詞・作曲:ai)

I WiSHのデビューシングルとしてリリースされこのラブソングに日本中が聴き惚れ、瞬く間に大ヒットを記録した。

2025年3月、現在はソロで音楽活動をしているI WiSHのボーカル・川嶋あいがYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に登場し、この楽曲を披露。多くの視聴者に当時の思い出を蘇らせ、感動を与えたのが記憶に新しい。

今回は、そんなI WISHや『明日への扉』について改めて振り返っていきたい。

I WISHと『明日への扉』

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I WiSHのボーカル・ai (C)SANKEI

I WiSHは、ボーカルのaiとキーボードのnaoからなる男女二人組のユニットである。

ボーカルのaiは、後に本名「川嶋あい」としてソロ活動を本格化させたシンガーソングライター。路上ライブ1,000回という目標を掲げ活動し成し遂げた“路上の天使”とも呼ばれる彼女。どこまでも透き通るのに、聴く者の心を強く揺さぶる歌声は、ユニットの最大の武器であった。

一方のnaoは、I WiSHの多くの楽曲で作曲を手掛けたコンポーザー。aiの歌声の魅力を最大限に引き出す、キャッチーでありながらどこか切ないメロディを生み出す才能は非凡なものであった。

この二人の化学反応によって、I WiSHならではの清潔感あふれるサウンドと、若者の心に寄り添う等身大のメッセージが生まれ、多くの共感を呼んだ。

そして『明日への扉』は、彼らが作ってきた最も有名な一曲であり、その後も長きにわたって愛され続けることとなる。

まるでドラマのようなストーリーを携えた“二人の物語”

この楽曲の魅力の一つは、ドラマ仕立ての歌詞構成にある。

1番では、片思いのシーンが赤裸々に描かれている。片思いしている自分自身に気づく瞬間、星座占いで二人の行く末を妄想する甘酸っぱい恋心、さり気ない仕草を目で追いかけて満たされていく心ーーそのすべてがなんとも言えない初々しさが溢れている。冒頭のAメロでは相手のことを“君”呼びしているが、恋心に気づいたBメロからは“あなた”呼びに変わっているのは、心情の変化を表しているのだろうか、と想像を膨らませられる。

2番では、思いがけず二人の恋が見事に成就する。失って傷つくことに臆病になってしまい、なかなか想いを伝えられないことに憤る自分。しかしそんな中で、相手も同じ気持ちを持っていたことを告白してくれ、何も言えずに涙が溢れる。違う人間がともに歩むことの難しさを予期しながらも、これからの二人の未来に対して希望を感じている。

そしてCメロからラストにかけては、相手からの告白に答えるように「ずっと一緒だよね」という、ありきたりだが心からの愛の誓いの言葉を伝える感動的なシーンだ。長い間お互いに秘めていた想いが成就し、曲名にもある“明日への扉”がここでようやく開く。

まるで一遍のドラマを鑑賞しているかのようなストーリー。改めて歌詞をじっくりと見てみると、さらに感動を増すものになっている。

感動的な物語に混ざり合うメロディと“天使の歌声”

この曲がリリースされた2003年は、J-POPシーンがさらなる多様化を見せ、音楽スタイルにおいてもポップとロック、バラードが多種多様に融合し始めた時期だ。そんな中でこの『明日への扉』は、ぐうの音も出ないほどド直球すぎるバラードで時代に挑んだ。

メロディは先述した歌詞と見事に調和しており、ピアノとアコースティックギター、ストリングスを基盤にしたシンプルなアレンジが特徴的だ。シンプルでありながらも、曲の切り替わりにおいてはリズムや音量の緩急が絶妙なバランスで展開されるため、歌詞のメッセージを強調し情熱的に響くような印象を受ける。

そして何より、ボーカルaiの“天使の歌声”と称されるほどの透き通った歌声。これらがすべて上手く、そして美しく混ざり合うことによって、『明日への扉』は一度聴いたら忘れられぬ名バラードとなっている。

『あいのり』との“異次元のシナジー”

この楽曲が国民的なヒットソングとなる上で、恋愛バラエティ番組『あいのり』(フジテレビ系)の主題歌起用は決定的な役割を果たした。

見知らぬ男女がラブワゴンで世界を旅し、真実の愛を探すという番組のコンセプト。その中で生まれる出会いや別れ、告白の緊張感が、『明日への扉』のピュアなストーリーに完璧にシンクロし、異次元のシナジーを生んだ。

番組の感動的なシーンと共に流れるこの曲は熱狂を最高潮に高め、平成中期の月曜深夜に『あいのり』を観ていた多くの視聴者の思い出に深く刻み込まれたのである。

22年経っても色あせない名バラード

『明日への扉』は、今でも幅広いメディアに登場し続けている。そしてそのたびに心に響き、聴く人々にポジティブなエネルギーを与え続ける楽曲だ。

時代を、そして世代を越えて愛され続けるこの“永遠の名ラブソング”は、これからも恋の成就を願う多くの人々に希望を与え続け、数々の“明日への扉”を開く後押しをしていくことだろうと確信する。


※この記事は執筆時点の情報です。