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工夫して10秒で計算してみて!「5,13,21,29,37,45の数列」→合計は?

  • 2025.7.10
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規則性を持った数の列のことを、数列といいます。

今回は、数列の分野でよく出題される「数列の合計」を求める問題にチャレンジしてみましょう。

簡単に合計を求めるためには、どうすればよいでしょうか?

問題

次の数列の合計を求めなさい。
5,13,21,29,37,45

※制限時間は10秒です。

数列のすべての数を足すと時間がかかってしまいます。10秒以内に計算するには、数列の特徴を利用しましょう。

解答

正解は、「150」です。

10秒以内という制限時間内に、答えが出ましたか?

この数列の特徴を上手に使うと、合計は簡単に求められますよ。

効率的に計算する方法を、次の「ポイント」で確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「等差数列の特徴を使う」ことです。

等差数列とは、同じ数だけ減ったり増えたりする規則性を持った数の列のこと。後ろの数から前の数を引いた答え(差)がどこでも同じになれば、その数列は等差数列です。

では、今回の数列が等差数列かどうかを確認してみましょう。

5,13,21,29,37,45

「後ろの数−前の数」の計算をすると、次のようになります。

13−5=8
21−13=8
29−21=8
37−29=8
45−37=8

すべて同じ8になりました。よって、この数列は等差数列です。

※等差数列では、「後ろの数−前の数」で求められる一定の数を公差と呼びます。この数列は公差8の等差数列です。

さて、等差数列には、数の並びを逆にして元の数列と足すと、どの部分でも同じ合計になるという特徴があります。

5,13,21,29,37,45
45,37,29,21,13,5 ←逆にして足す(以下画像を参照)

 

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上の画像のように、今回の数列ではすべての合計が50になりました。

このように合計が同じになるのは、等差数列の特徴ゆえです。例えば、最初の「5+45」と次の「13+37」を比べてみてください。13は5に8を足した数、37は45から8を引いた数です。

つまり、13+37(5+8)+(45−8)のことなので、+8と−8が相殺され、式全体の答えは変わらないことになります。以下の図を見ると、どの部分の足し算でも同じことが言えると分かりますね。

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ここで、元の数列と逆にした数列との合計50は、数列に登場する数字の個数6個分できることを確認してください。
50が6個あるので、全体は50×6=300になります。

300は「元の数列」と「逆にした数列」二つの合計なので、元の数列の合計の2倍です。
よって、300を2で割れば、もとの数列の合計が求められます。

では、ここまでの説明をもとに、全体の計算過程を見てみましょう。

まず、数列の数の並びを反対にして足します。このとき、どの部分でも答えは同じになるので、代表して最初の数と最後の数を足します。

5+45=50

次に「50×数列の数の個数(ここでは6個)」を計算します。

50×6=300

300は数列二個分の合計なので、「÷2」をして数列一個分の合計に直します。

300÷2=150

これで答えが出ましたね。

まとめ

等差数列の合計を出すときは、数を一つひとつ足すよりも、等差数列の特徴を使って計算した方が楽です。

ここで紹介した「逆にした数列を足して、数列の数の個数を掛けて、2で割る」という手法を式で表したのが、次の「等差数列の和の公式」です。

等差数列の合計=(最初の数+最後の数)×数列に登場する数の個数÷2

この公式は、等差数列の合計を簡単に求めたいときにとても便利です。特に数列が長く、すべての数を足すのに手間がかかるときは、ぜひこの式を使ってみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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