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どうやって計算するか覚えてる?「3×(−2^4)」→正しく計算できる?

  • 2025.8.26
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今回は、少しややこしい累乗問題にチャレンジです。累乗とは、同じ数を何個か掛け合わせる計算のことです。今回の問題は負の数の累乗なので、難易度が少し上がります。さて、あなたは正しく計算できるでしょうか?

問題

次の計算をしなさい。
3×(−2^4)

解答

正解は、「−48」です。

マイナス記号をつけ忘れないように注意しましょう。

「あれ?負の数を4個掛けたら正の数になるんじゃない?」と思った人は、ぜひ次の「ポイント」を読んでください。

答えが負の数になる理由が分かるはずです。

ポイント

この問題のポイントは、「−2^4を負の数の累乗とみなさないこと」です。

まず、「^4」の意味を復習しておきましょう。「^4」は、累乗の指数を表しています

指数は累乗において同じ数を何個掛け合わせるかを表した数です。

本来、指数は掛け合わせる数の右上に書くのですが、上付き文字が使えないテキストなどでは「^」記号を使って指数を表現します。この記事でも指数は「^」記号で表しています。

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例えば、「2^3」は、2を3個掛け合わせているという意味です。

2^3  ←指数は3
=2×2×2
=8

ここで、改めて今回の式を見てみましょう。

3×(−2^4)

「−2^4」という式は、一見、−2を4個掛け合わせているように見えるかもしれません。負の数×負の数は正の数になるため、−2を4個掛け合わせると、答えは正の数になるはずです。

しかし、「−2^4」という式は「(マイナス記号を含まず)2の部分だけを4個掛け合わせる」ことを意味しています

つまり、正しい計算過程は次のようになります。

3×(−2^4)  ←括弧の中を先に計算する
=3×{−(2×2×2×2)}  ←2を4個掛け合わせたものにマイナス記号を付ける
=3×(−16)  ←正の数×負の数だから負の数になる
=−48

二行目にあるように、「−2^4」という計算では先に2を4個掛け合わせてからその答えにマイナス記号を付けます。指数の「^4」は、2にのみかかっており、その前のマイナス記号には無関係なのです。

ただし、式が次のような形をしていた場合、これは負の数の累乗になります。

3×(−2)^4

元の式との違いは、指数が負の数全体を囲った括弧の外についていることです。この場合、指数は負の数である「−2」の全体にかかっているとみなして、−2を4個掛け合わせます。

3×(−2)^4
=3×{(−2)×(−2)×(−2)×(−2)}  ←−2を4個掛け合わせる
=3×16
=48

こちらの場合、答えは正の数になります。

まとめ

累乗の問題にマイナス記号が含まれていたときは、負の数全体を掛け合わせるのか、あるいはマイナス記号抜きで掛け合わせるのかに注意して計算しましょう。

負の数全体を掛け合わせるときは、「(−〇)^▲」のように負の数を囲った括弧の外に指数が付いています。一方「−〇^▲」のように数字部分にのみ指数が付いている場合は、(マイナス記号を含まない)〇の累乗とみてください。マイナス記号は〇を▲個掛けた後につけます。

今回のように、マイナス記号を含めた累乗なのかどうかで、答えの符号が変わることがあります。指数がどこについているか確認する癖をつけておくと、誤答を防ぎやすくなりますよ。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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