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「観ているだけでストレス」「逃げたくなる」“心抉られる脚本”に嘆く声あがるも…「一生忘れられない」一線を画す名映画

  • 2025.6.22

観る人の心に深い感動や共感、時には衝撃や苦悩をもたらすような作品が邦画には多くあります。今回は、そんな“感情を強く揺さぶる”邦画5選をセレクトしました。

本記事では第5弾として、2022年公開の映画『こちらあみ子』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“感情を強く揺さぶる”邦画『こちらあみ子』

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(C)SANKEI
  • 作品名:映画『こちらあみ子』
  • 公開日:2022年7月8日

あらすじ

今村夏子さんの同名小説を原作に、 森井勇佑さん監督・脚本で実写映画化。

広島の小学校に通う5年生のあみ子(大沢一菜)は、純粋無垢ながらも他人の気持ちを理解できず、授業中に騒ぐなどトラブルが絶えない少女でした。同級生ののり君(大関悠士)に好意を抱くも、その行動は彼にとって迷惑なことばかり。自分の誕生日には、プレゼントのトランシーバーに夢中で家族が用意してくれたご馳走にも関心を示しません。

そんななか、妊娠中だった母・さゆり(尾野真千子)が死産してしまいます。良かれと思って庭に「弟の墓」を作ったあみ子でしたが、それを見た母は激しく泣き叫び、以来寝込むように。優しい兄・考太(奥村天晴)もまた、素行の悪い人間になり、ついには暴走族になってしまいました。

その後、中学生になったあみ子は相変わらず友達ができず、父・哲郎(井浦新)は制服のまま寝て風呂にも入らない彼女に惣菜を与えることしかできません。自分の部屋で聞こえる奇妙な音を「成仏できない弟の霊」だと騒ぐあみ子に、父は苦しげに「女の子だった」と告げますが、彼の心情を理解できないあみ子は空想のオバケたちと無邪気に遊ぶばかりでした。家族が疲弊していくなかで、あみ子の存在は、周囲をかき乱し続け――。

映画『こちらあみ子』の見どころ ※ネタバレあり

映画『こちらあみ子』を視聴した一部の方からは、「逃げたくなる映画だった」「観ているだけでストレスが溜まる」という声もあったようです。本作は主人公・あみ子の行動によって、ごく普通の家庭が少しずつ、しかし確実に崩壊していく様が描かれています。大沢一菜さんの自然な演技や、井浦新さん・尾野真千子さんなどの実力派俳優による複雑な感情表現は、思わず腹を立ててしまうほどのリアルさ。演者の演技力は、この作品の大きな見どころの一つです。

また、「あみ子を必ずしも応援したくなるようなつくりになっていないのがすごくよかった」「家族とあみ子の描写に心抉られる」「こんなに映画にのめり込んだのは生まれて初めて」「一生忘れられない」など、ストーリーやメッセージ性を高く評価する方も多く見られました。本作では、あみ子の“普通ではない”言動や行動を通して、“普通”とは何か、社会の枠組みや常識とは何かが問われます。本作に悪い人は一切登場しないことも、私たちが普段当たり前だと思っていることを見つめ直すきっかけを与えました。

重いテーマでありながらほのぼのとした雰囲気で撮影が進んだ作品

映画『こちらあみ子』は、発達障害を抱える主人公のあみ子が悪気なく家族の関係を壊してしまうストーリー。徐々に重い空気が流れていく作品ではありますが、それに反して撮影現場はほのぼのとした雰囲気だったそうです。なんでも、撮影中にはお昼寝タイムもあったのだとか。

まだ映画『こちらあみ子』を観たことがない方、また本記事を読んで映画『こちらあみ子』に興味を持っていただけた方は、“子どもと障がいへの向き合い方を考えさせられるストーリー”をぜひ視聴してみてください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です