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「観るのが辛い」「あまりにもリアル」“異質な脚本”に悲痛の声も…“日本映画初の偉業”を成し遂げた秀作

  • 2025.6.13

映画には、心を揺さぶり、涙を誘う“号泣必至の名作”があります。今回は、そんな感動作を5本セレクトしました。本記事では第3弾として『おくりびと』をご紹介します。チェロ奏者から“納棺師”へ…。戸惑いながらも故人と向き合い、生きることと別れの意味を見つめ直す感動作です――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

「旅のお手伝い」のはずが…「そんな仕事、やめて」と拒否されて―

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(C)SANKEI
  • 作品名:映画『おくりびと』
  • 公開日:2008年09月13日
  • 主演:本木雅弘(小林大悟 役)

東京でチェロ奏者として活動していた小林大悟(本木雅弘)は、楽団の突然の解散をきっかけに、妻・美香(広末涼子)とともに故郷・山形へ戻ります。職を探していた大悟は、「旅のお手伝い」という曖昧な求人広告に惹かれて面接へ。旅行会社と思い込んでいたその職は、亡くなった人を見送る“納棺師”の仕事でした。

最初は戸惑いながらも、丁寧に故人を送るうちに、大悟はその仕事の尊さに目覚めていきます。しかし、偏見の目や妻の反発に直面し――。

偏見、迷い、そして誇り——“なりたくてなったわけじゃない”仕事の変化

本作の舞台は、山形県庄内地方。納棺師という職業を通して、人が生き、やがて死んでいくという自然の営みが描かれます。

主人公・大悟は、偏見や葛藤と向き合いながら納棺師という仕事に取り組み、やがて誇りを抱くようになります。丁寧な所作や、故人を見送る一つひとつの場面には、日本ならではの静かな弔いが感じられます。

主演の本木さんはもちろん、山﨑努さん、余貴美子さん、吉行和子さんら熟練俳優陣も、物語を彩りました。特に山﨑さんと余さんは本作でそれぞれ、第32回日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞・最優秀助演女優賞を受賞しています。

生きていくこと、死んでいくことを、ほどよいユーモアを交えて描きながら、人生の尊さを静かに見つめ直す一作です。

入念な役作りを経て、日本アカデミー賞をはじめ多くの賞を受賞

本木さんは納棺師を演じるにあたり、入念に役作りをされたのだそう。

今回映画を作るにあたり、納棺師の方々にもたくさんお会いして、納棺のトレーニングも現場の方々につけていただいたんです。出典:『おくりびと』本木雅弘単独インタビュー(シネマトゥデイ)2008年9月11日配信

その甲斐あって、本作は日本アカデミー賞で最優秀作品賞を含む10冠を達成。モントリオール世界映画祭グランプリを受賞し、アカデミー外国語映画賞では日本映画として初の快挙となる受賞を果たしました。

本木さんの繊細で深みのある演技は、多くの観客の心を打ち、作品の感動をより一層深める要素となりました。

他人ごとではいられない…最期の別れのリアル

映画『おくりびと』には、人生と重なるような別れの場面がいくつも描かれています。

「観るのが辛い」「あまりにもリアル」――こうした感想が寄せられるのも、この作品が“他人の物語”ではなく、“自分の物語”として胸に迫ってくるから…。だからこそ、この作品は観る人の心を動かす、「号泣必至の名作映画」として語り継がれているのです――。


※記事は執筆時点の情報です