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伊藤万理華、クセのある共演者たちとの稽古は「笑いをこらえるのに必死」 舞台初主演

  • 2025.5.12

タイトルの“リプリー”は、リドリー・スコットが監督した1979年公開の映画『エイリアン』の主人公の名前で、宇宙船航海士。とはいえ、本作にリプリーは登場しないし、映画とはまるで別の物語。ただ、主演を務める伊藤万理華さんの役・ユーリは、リプリー同様宇宙船の航海士。その船というのが、エイリアンより厄介な(に違いない)乗組員揃い。次々と起こるトラブルの対応に追われる役柄だ。

宇宙空間で、くだらないことで揉め合っています

「私、不憫な役が多いのですが、なぜなんですかね」

これは作品について尋ねたときの伊藤さんの第一声。思わず笑ってしまったが、なんだか周りに振り回されてテンパる姿が似合いそうだ。

「そう言っていただけるならよかったです。今回の公演が舞台初主演なんです。今までご一緒してきた主演の方は、みんなをまとめて引っ張っていく印象があり、私もそのつもりでいました。でも蓋を開けてみたら、みなさんのエネルギーに引っ張られるばかりで…」

男性ブランコ、かもめんたるといった芸人さんをはじめ、共演はひとクセもふたクセもある面々ばかり。

「稽古初日から、みなさんに圧倒されています。ずっと面白いので、笑いをこらえるのに必死で。そこには対抗しようとしてもできないので、様子を窺いながら自分の役を探っているところです」

脚本・演出はヨーロッパ企画の上田誠さん。緻密に構築した架空の世界で繰り広げられるゆるーいコメディが真骨頂。伊藤さんは一昨年のドラマ『時をかけるな、恋人たち』ですでに上田脚本は経験済み。それもまたSFものだった。

「宇宙空間なのに、くだらないことで揉め合ったりするんですが、それがすごく上田さんらしいなと思っています。たとえば友達同士で会話しているときに、『そこを拾う?』というところを面白がって笑うことありますよね。そういった人間のツボがたくさん盛り込まれています。上田さんがSFをお好きすぎて、入れたいことも全部詰め込まれているんです。セリフにも歌にも宇宙用語がたくさんあり、ひとつひとつ意味を説明していただいていますが、言い慣れていないので必死です」

ユーリは、キャパオーバーになると現実逃避で歌い出してしまうキャラクター。乃木坂46時代、“不安定な歌声”と言われながらも、妙にクセになる伊藤さんの歌に魅了された人は多い。

「上田さんが、10何年も前に制作した私の個人PVをご覧になって、歌が好きだとおっしゃっていて…。まさか今になって、舞台で歌うことに繋がるとはまったく想像していなくて、当時からの伏線回収なのかなと思っています(笑)」

昨年のドラマ『燕は戻ってこない』では、貧困から介護と風俗を掛け持つ女性を好演。そのリアリティのある演技が高く評価された。

「自分の等身大に近い役柄をいただけるのは、ありがたいことだなと感じています。最近、今までなら苦手で敬遠していたジャンルにも、一回踏み出してみようかなと思うようになりました。いろんな人と話すとか、いろんなものを見るとか。自分が体験することで少しでも引き出しになればと思っています」

ブラウス、トップスはスタイリスト私物

写真・草野庸子 スタイリスト・Peter Gunn Sho ヘア&メイク・大宝みゆき インタビュー、文・望月リサ

anan2445号(2025年4月30日発売)より

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