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自分にかける言葉の力で、5月病を予防する【ヴォーグなお悩み外来】

  • 2025.5.3

自分に優しく声をかけることが5月病克服のカギ

Young woman with eyes closed smiling on a beach

5月病の季節。新しい環境や仕事に慣れずうまくいかないと、つい自分を言葉で責めてしまう人が多いのではないだろうか? 公認心理師で産業カウンセラーとしても活躍する大野萌子さんも、次のように話す。「何か問題が起きたときに、『私が悪かったんだ』とか、『私のせいだ』と自分を言葉で責めてしまう人が多いですね。それが続くと、自分をどんどん追い詰めてしまうことになりかねません」メンタルヘルスを保つためには、自分自身にどのような声をかけているかが大きな影響を与えると、大野さんは続ける。

「私は、言葉にはそれを現実にする“言霊”があると信じています。これは、日本の古来からの文化に根ざしているものです。例えば、結婚式などのお祝いの場では、あまり良い意味でない言葉を使わないように心がけますよね。こうした配慮は、ハレの日だからこそ気をつけるという意識が強いと思いますが、実は日常生活でも同じことが言えると思うんです」。では、自分にダメ出しをしたり、マイナスな言葉をかけそうになったとき、どのように言葉を言い換えていけばよいのだろうか? ここからは、大野さんが具体的にアドバイス!

仕事のことを考えてブルーになるならそのほかの楽しいことにフォーカス

Coffee Shop Relaxation Drink Free Time Concept

EX:「明日、仕事に行きたくない……こんな私はダメだ」

→「明日は、気になっていたカフェの新商品を試そう!」

「仕事のことばかり考えても、気分が沈むだけ。意識的に仕事そのもの以外のことにフォーカスして、楽しみを見つけましょう。例えば、気になっていたカフェの新商品を試すとか、通勤経路を少し変えてみるだけでも気分が変わります。コンビニの新商品をチェックして、今週のラインナップで気になるものを買ってみるのもいいですね。仕事へのやる気を無理に出そうとせず、楽しいことを作ってそれに目を向けるのです」

ミスをしたことを引きずらず

小さなことでも自分を褒めるのが大切

Creative manager planning project at office closeup. Woman reading documents

EX:「昨日、ミスをしてしまった……。私って仕事できないな」

→「昨日ミスをしたのに、今日もきちんと起きられた私は偉い!」

「誰にでも失敗はあります。大事なのは、その中でもできたことに目を向けること。例えば、今日は時間に余裕を持って出社できたとか、午前中にメールの返信を終わらせたとか、昨日はお化粧をきちんと落として寝たとか、小さなことでも自分を褒めることが大切です。『できたじゃん!』『偉い!』って、自分に声をかけてあげるだけでも、気持ちが前向きになるのです。朝、起きられただけでオッケー。人生とはそういう小さなことの積み重ねだと思います」

忙しくて焦っているときは、同僚に自分がなんて声をかけるか想像しよう

Shot of two businesswomen enjoying a coffee break

EX:「なんか忙しくて追われている感じがして息がつけない。もっと効率よくできるはずなのに……

→「そんな時こそ、ちょっと休んでみたら?」

「忙しくて息がつけない時こそ、自分に優しく声をかけてあげて。もし同僚や大切な人が同じ状況にいたら、『ちょっと休もうよ』『一息つこうよ』って言いますよね。その言葉を自分に対しても使うことが重要です。例えば、私が子供に受験勉強をしている時、『リラックス』という言葉をよくかけていました。何も特別なことは言わないけれど、ただその一言で少し気持ちが楽になるんです。状況は変わらなくても、肩の力を抜くためのキーワードが自分の中にあると、心が少し軽くなることがありますよ」

小さな幸せを認識するようにすれば良いことがゼロな日なんてない

Woman With Curly Hair Planting In Living Room

EX:「今日は特に良いことがなかった。私は何も成し遂げられないんだ……」

→「今日は着ている服を褒められて、嬉しかったな!」

「うまくいかなかったことに意識を向けると、その日はずっとうまくいかないと感じてしまいます。人間は意識することしか気づかないので、うまくいかなかったところにフォーカスするのではなく、できたことを振り返りましょう。例えば、今日は着ている服を褒めてもらったとか、コンビニで今まで無愛想だった店員さんが『おはようございます』と言ってくれたとか、そんな些細なことを見つけて、『良かったな』と思うのです。小さな幸せをカウントすることで、実は良いこともたくさんあったことに気づけます」

話を聞いたのは……

大野萌子さん

公認心理師、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士、一般社団法人「日本メンタルアップ支援機構」代表理事。企業内カウンセラーとしての長年の経験を活かし、社内コミュニケーション、ストレスマネージメント、ハラスメント対策を専門とする。近著に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)など。

Text:Kyoko Takahashi Editors:Kyoko Muramatsu, Yuna Shibata

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