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ジャケットが似合うボディとは? スタイリッシュな体の最前線【マニッシュを着こなすボディメイクvol.1】

  • 2025.5.2

この春トライしたい、ダンディなスタイル

2024年9月24日、パリのベルシャス通りにはサンローランの2025年春夏コレクションを観るため世界中からセレブリティが押し寄せた。そこでゲストたちは、完璧な仕立てのジャケットパンツといったルックの数々に目を奪われる。1960年代にタキシードを提案したムッシュ・サンローランのフィロソフィーを現代に蘇らせたような、マニッシュで力強く、とびきり美しいスタイルだ。

サンローラン(SAINT LAURENT)Photo_ Gorunway.com
サンローラン(SAINT LAURENT)Photo: Gorunway.com

だが、アジア人がマニッシュな装いをこなすには、ボディの美しさと気概が必要だと語るのは、俳優やモデルのボディコンディショニングを多く手掛ける木村祐介さんだ。「もともと着物を着て摺り足で歩く文化でしたから、日本人は靴やヒールで歩くのがあまりうまくない。油断すると猫背で汚い歩き方になるので、洋服の美しさが見えなくなってしまうんです。でも、マニッシュな装いはいわば“戦闘服”。ジャケットを纏うと闘うスイッチが入るように、自信や強さを表現するツールとして服を着こなす必要があるんです。たとえば冨永愛さんなどをイメージするとわかりやすいのですが、主張を意識した姿勢作り、手足を長く保つための姿勢をとれると服の格好よさが最大限引き出される。そういう意識をもつと、顔立ちすらもパリッと端正になってくるんです」

とはいえ、スマホやパソコンが当たり前になっているから、現代人の姿勢 は崩れる一方。自身もモデルとして活躍し、現在はボディトレーナーとして 多くの人を指導している佐々木ルミさんはこう教えてくれた。 「私自身も含めて、程度の差はありますがほとんどの人は何かしらの姿勢不良を抱えています。巻き肩だったりストレートネックだったり、猫背になっていたり……という悩みは皆さん思い当たるのではないでしょうか。その最大の原因は、筋力不足にあります。私たちは重力にさらされて生きていますが、筋力が足りずに重力に負けてしまっている方がとても多いんですね。特に、骨格を支えるインナーマッスルが弱っている。すると、マニッシュなファッションをこなすのに欠かせない姿勢がキープできないんです」

ただし、このときにいきなり姿勢を良くしようとしないようにご注意を。というのも、いい姿勢をとろうとすると私たちは胸を張って肩甲骨を寄せ、腰を反らせがち。そして、結果として体に不要な緊張を強いてしまう。それより大切なのは、いい姿勢にもっていくための筋肉を意識し、育て、自然と美しい姿勢になる心身のトレーニングをすることなのだ。「たとえばジャケットを着たら、中はもとより、首や手、顔など見えているところをどこまで意識できるかが肝心。無理に背筋を伸ばすより、ジャケットからスッと美しい首が伸びているほうが格好いい。コンプレックスがあるからと首をすぼめて隠していたら、どんなにラグジュアリーなジャケットを着てもチープな印象になってしまいます。“私の首を見て”“ヒールを履きこなして歩く私は格好いい”と自信を持つことが先決なんです」(木村さん) 意識の持ち方が変われば、日常の所作が変わる。そして自然とボディにも変化が生まれ、服を堂々とこなせるようになる。太った痩せたよりも本質的なボディメイクをして、今季のマニッシュな装いを楽しもう。

話を聞いたのは……

YUSUKE KIMURA

「TONAFU-調-代官山」主宰。身体調律家。 機能的に美しく動けるボディ作りの提案に 定評が。撮影やショーの前に駆け込む俳優 やモデルのファンも多く、身体や所作への 意識を変えるボディワークの第一人者。小 顔や美顔作りの書籍も多く手掛ける。

RUMI SASAKI

ボディメイクトレーナー、モデル。痩せ信 仰に囚われた自身の経験を元にした、ウェ イトトレーニングと食事改善によるヘルシ ーなボディ作り提案で人気に。姿勢が良く 見えるのはもちろん、機能的に動くコツが わかるウォーキング指導も好評。著書多数。

Photo: MEINKE KLEIN Text: Satoko Takamizawa Editor: Misaki Kawatsu

※『VOGUE JAPAN』2025年6月号「マニッシュを着こなすためのボディメイク」転載記事。

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