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20年前、日本中が沸き立った“予測不能な疾走サウンド” 売上60万を超え光り続ける“大人気アニメOPテーマ”

  • 2025.8.7

「2005年、テレビから流れてきたあのイントロに、心が沸き立ったのを覚えている」

2005年といえば、社会現象となったドラマ『電車男』(フジテレビ系)が放送され、愛・地球博が開幕されるなど、日本中が独特の熱気に包まれていた年。携帯オーディオプレーヤーが一般に広く普及し始め、誰もがイヤホンで自分だけの音楽の世界に浸るようになった、そんな時代である。

そんな2005年2月23日にリリースされ、若者を中心に爆発的な人気を獲得した一曲がある。それが、ORANGE RANGEの『*~アスタリスク~』(作詞・作曲:ORANGE RANGE)だ。

令和ver.の『イケナイ太陽』MVリリースやYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」出演など、昨今また巷を賑わせているORANGE RANGE。彼らが『*~アスタリスク~』をリリースしてから20年が経った今、この楽曲がなぜあれほどまでに私たちの心を掴んだのか、その魅力を改めて振り返る。

J-POPの“当たり前”を壊したハイブリッドなサウンド

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2004年 au「着うたフル」PRイベントでスペシャルライブを行ったORANGE RANGE (C)SANKEI

当時、ヒットチャートの常連だったORANGE RANGE。彼らの音楽の最大の魅力は、ジャンルの壁を軽々と飛び越える「ミクスチャー」スタイルにあった。その中でも、9枚目のシングルとしてリリースされた『*~アスタリスク~』は、彼らの真骨頂が凝縮された一曲と言えるだろう。

ロックの疾走感を軸にしながら、どこか切なさを抱かせるメロディーが駆け巡り、そこに3人のボーカルによるリズミカルな掛け合いが畳みかけられる。数分間の楽曲の中で、まるで万華鏡のように次々と表情を変えていくのだ。

出だしはシンセサイザーの機械音。その直後、サビからロックなギターとともに激しいバンドサウンドが鳴り響く。かと思えば、Aメロでは、ボーカルの掛け合いを含むラップ調のリズムでありながらも、静かな夜空を思わせる穏やかなサウンドに。Bメロでは、星々がただただ光り輝く様子を敢えて無機質に、でもドラマチックに表現するように、細かく平坦な音程とともに畳み掛けるようなスピード感を持ったメロディでサビに繋がる。Cメロでは歪んだギターサウンドとともに曲の雰囲気がガラッと変わってラップが繰り広げられ、落ちサビでは広大な宇宙や永久に等しい時間の長さを象徴するような、メロウで壮大、ミステリアスな雰囲気が包み込むーー

ジャンルを定義するのであれば、きっとロックやポップスの部類に入るのであろう。だが、さまざまなジャンルの要素がハイブリットされたようなこの予測不能で目まぐるしい曲展開こそが、当時の若者たちの有り余るエネルギーと共鳴し、心を掴んで離さなかったのではなかっただろうか。 「次に何が来るんだろう?」というワクワク感が、この曲には満ち溢れていた。

あの大人気アニメの世界観と奇跡的なシンクロ

この楽曲のヒットを語る上で欠かせないのが、大人気テレビアニメ『BLEACH』(テレビ東京系)の初代オープニングテーマへの起用である。

成仏できなかった魂が悪霊となった姿であるホロウ(虚)や、続々と襲いかかってくる新たな敵たちと闘い、仲間を守りながら成長していく主人公・黒崎一護たちの物語。そのシリアスでありながらも希望を失わない世界観と、『*~アスタリスク~』が持つ光と影、静と動が入り混じったサウンドスケープは、まさに奇跡的なシンクロを見せた。

イントロが流れるだけで、脳裏にアニメのオープニング映像が鮮やかに蘇るという人も少なくないはずだ。楽曲がアニメの魅力を増幅させ、アニメが楽曲に物語性を与える。この相乗効果によって、『*~アスタリスク~』はお茶の間レベルの知名度を獲得し、60万枚を超えるセールスを記録。『花』に次ぐヒット曲として、幅広い世代に愛される一曲となったのである。

20年経っても色褪せない、青春の輝き

『*~アスタリスク~』は、CDが売れ、アニメがカルチャーの中心にあった時代の熱気を真空パックしたような楽曲だ。それは、ただのヒットソングというだけでなく、多くの人にとっての「青春のテーマソング」でもあった。

友達と夢を語り合った放課後、未来への漠然とした不安と期待を抱えていたあの頃。この曲を聴くと、そんな甘酸っぱくもキラキラとした記憶が、昨日のことのように思い出される。

音楽の聴き方が多様化した今だからこそ、イヤホンでじっくりと、あの頃の自分に再会するような気持ちでこの曲に耳を傾けてみてはいかがだろうか。きっと彼ら自身が歌詞の中で願っていたように、20年という時が経っても変わらずORANGE RANGEの想いが光り続けているはずだ。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。