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「まさか、こんな仕掛けがあるとは」ジブリ名作の“1枚の画像”に隠されたヒミツ…日本のNetflix解禁で話題に

  • 2025.5.15

 

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※TRILL編集部内で作成・画像はイメージです

静かに、でも確実に――その知らせは、心に重く届いた。

5月15日(木)、スタジオジブリの不朽の名作『火垂るの墓』が、7月15日(火)〜ついにNetflixで配信されることが発表された。

1988年の公開から35年以上。
戦争の記憶を、ひと組の兄妹の目線で描いたこの作品は、『ジブリ作品』と聞いて思い浮かべるようなファンタジーや冒険とは一線を画す。
観るたびに胸が痛くなる。けれど、その痛みこそが、この作品の大切な役割でもある。

いま、配信という形でふたたび広く届けられることで、「これまで触れたことがなかった世代にも見てほしい」「改めて観ることで何かに気づけるかもしれない」――そんな声がSNSを中心に広がっている。

そしてもう一つ、話題を呼んでいるのが、Netflix公式が投稿した“たった1枚の画像”
一見すると何気ないそのビジュアルに、ある“仕掛け”が隠されていたのだ──。

「仕掛けられていた」1枚のビジュアル

Netflix Japanの公式X(旧Twitter)が投稿したのは、兄・清太と妹・節子がまっすぐと正面をみつめる、静かなキービジュアル。

だが、話題になっているのはその“裏”にある仕掛けだ。

なんとこの画像、コントラストを調整すると背景にB29(アメリカの大型爆撃機)が浮かび上がるのだ。
いわば「見ようとしなければ見えない」戦争の影が、画像の中にひっそりと忍ばされていた。

この投稿を受けてSNSでは、「初めて気づいた」「まさか、こんな仕掛けがあるとは」「背景に飛行機があることに今まで気づかなかった」といった声が相次いだ。

なぜ、あえて“見えにくく”したのか?

この仕掛けが意図するものは何だろうか。

『火垂るの墓』は、神戸大空襲で両親を失った兄妹が、戦争という現実の中で懸命に生きようとする姿を描いた作品。過激な演出や誇張表現ではなく、“静かに”戦争の悲惨さを伝えることで、多くの人の心に刺さってきた。

そしてこの画像の演出もまた、作品の根底にある「見えにくい痛み」や「静かな恐怖」を表しているのかもしれない。

何気ない夜空の向こうには、爆撃機の影。
その対比こそが、『火垂るの墓』の本質なのだろう。

SNSでは、「見るたびに心を締め付けられる」「今見ることに意味がある」「全人類観てほしい」「若い子たちにも観てほしい。」など作品に対する声が次々と投稿されている。

“ジブリ作品=ファンタジー”というイメージが強い中で、『火垂るの墓』は異質だ。
だがだからこそ、この作品が必要なのかもしれない。

戦争を経験していない私たちが、想像力の限りを尽くして“誰かの記憶”に触れる。
そのためのきっかけとして、Netflixという“場所”があるのかもしれない。

誰かの痛みに気づける人であるために

公式ビジュアルの仕掛けは、一見すると“遊び心”のようにも思える。
けれど、その奥にあるのは“見えないものに目を凝らしてほしい”という静かなメッセージではないだろうか。

気づかなければスルーしてしまうような“戦争の影”。
けれど、それを知ったとき、私たちの見える世界はほんの少しだけ変わる。

『火垂るの墓』がまたひとつ、私たちに問いかけてくる。

大切なことは、目に見えない――
それでも、気づこうとすることで、世界は少しずつ優しくなれる。

そんな気持ちで、画面の向こうにいる清太と節子を、見届けてみてはどうだろうか。


※記事は執筆時点の情報です