アメリカ先住民“ユロック族”に嫁いだ日本人女性「踊りは男子の家系だけ」「部外者は衣装触るのNG」知られざる“掟”

2025.5.19

カリフォルニア州最北の港町で暮らすAKDこと亜希ダウニングさん。ネイティブアメリカン（先住民）の一つである“ユロック族”の夫と結婚した自身の暮らしを通じて、異文化の魅力や、ユロック族のリアルな生活をユニークな視点で視聴者に届ける動画『CHANNEL AKD 』をUPしています。そのチャンネル登録数は2,740人（2025/5/12時点）です。

今回は、彼女のYouTubeチャンネル『Channel AKD』にある数多くの人気動画の中から『アメリカ先住民“ユロック族”とは？』をピックアップ！3.4万回以上再生（2025/5/12時点）されているこの動画では、ユロック族についての基本的な情報や、彼女が抱いている思いなどが紹介されています。

ユロック族は、カリフォルニア州にいる部族

ユロック族は、連邦に公認された109のアメリカ先住民の部族のうち、カリフォルニア州にいるアメリカ先住民の一部族。カリフォルニア州の中では人数が最も多い部族だそうです。

カリフォルニア州とオレゴン州の境目に、ユロック族の保留地があります。

2020年に行われた国勢調査によると、ユロック族の人口は6,357人。ただし、保留地に住んでいるのは1,236人で、残りのユロック族の人々は保留地以外の土地に住んでいるとのこと。

保留地は、亜希ダウニングさんいわく「やっぱりね、すっごい田舎…。田舎どころでもないっていうか、ちょっと住めないかなって思って」とのこと。亜希ダウニングさん一家も保留地外の、近くにある町に住んでいるそうです。

ユロック族の第一言語は、英語です。ただ、ユロック族独特の言語は、今でも地名や子どもの名前に使われています。実際、亜希ダウニングさんの子どもにも、ユロックネームをつけたそうです。

鮭を多く食す民族

続いて、ユロック族の食生活について。現代を生きるユロック族は、普通のアメリカ人と同様の食事をしています。

ユロック族の伝統的な食文化として挙げられる筆頭は“鮭”。ユロック族は『サーモンピープル』と呼ばれるほど、鮭を食べることが多い部族です。これは、ユロック族の保留地が大きな川沿いにあり、鮭やアナゴ、チョウザメなどが豊富に採れることと関係しています。亜希ダウニングさん一家もバーベキューで食べることが多いそうです。

他にも、鹿のほか、鹿の2倍の大きさのエルクなどを獲って食べるとのこと。こちらもとてもおいしいと話します。

民族衣装や踊りには厳密な掟が

また、ユロック族には民族衣装があります。ただし、現代の日常生活においては普通のアメリカ人と同じような服を着ており、民族衣装は部族のイベントや大きな式典、伝統的儀式など、特別な時にだけ着られています。

ちなみに、ユロック族では、男性の衣装は男性が作り、女性の衣装は女性が作るというしきたりがあります。しかも、ユロック族以外の人がその衣装を作ったり着たり触ったりすることは禁忌とされているそうです。

ユロック族の踊りは『ブラッシュダンス』と呼ばれています。ユロック族のなかでも踊り子の家系の男性だけが踊ります。

踊りには意味があり、踊る場所も決まっていて、写真や動画の撮影が厳禁とされている踊りもあります。ユロック族として文化を守っていくという気運があるそうです。

ユロック族の文化に触れたいなら『サーモンフェスティバル』へ

たまに「（ユロック族の）保留地に入れるんですか」と尋ねられることがあるそうですが、それに対し亜希ダウニングさんは「一応は入れます」とコメント。

カリフォルニアからオレゴンへ通じる『101』という道路がユロック族の保留地を突っ切っているため、誰でも入ることは可能なのだそう。ただし、地図上に道が表示されていないことも多く「入れなくもないけど入りづらい場所も一部あります」とのことです。

ちなみに、ユロック族の保留地では毎年8月に『サーモンフェスティバル』というイベントが開催され、ユロック族の踊りや、伝統的な棒術『スティックゲーム』を観覧できたり、伝統的な料理や装飾品を購入できたりします。その際には、多くの一般人が訪れるそうです。

元々はアメリカ先住民についての知識や固定概念が一切なかったという亜希ダウニングさん。結婚前の夫から初めてユロック族であると告げられた時も「ふーん」「そうなんだ。で？」という程度で、すんなり受け入れたそう。

実は亜希ダウニングさんには、幼稚園のお遊戯会の劇『ピーターパン』で『タイガーリリー』の役を演じたという過去があります。

タイガーリリーというのは、『ピーターパン』に登場するアメリカ先住民の部族の首長の娘。その役を演じた自分が今、アメリカ先住民の妻になっていることに、ちょっぴり運命を感じる亜希ダウニングさんなのでした。

動画にはこんなコメントが！

この動画のコメント欄には、以下のようなコメントが寄せられていました。アメリカ先住民に興味のある人や、ユロック族とアイヌの文化の共通点を指摘する人もいました。

アキさん動画を今日はじめて拝見しまして、前から興味のありましたNative Americanについて、しかも日本人のかたから、日本語でお話を聞けるなんて、すごく嬉しく思いました。

ユロックの衣装がアイヌの衣装にそっくりで驚きました。アイヌも鮭をよく食べていたようです。共通する点があり驚きました。

今回は、アメリカ先住民・ユロック族に関する基本的な情報を知ることができる動画でした。

動画：『アメリカ先住民”ユロック族”とは？』
協力：『Channel AKD』

亜希ダウニング
カリフォルニア州最北の港町で暮らす。ネイティブアメリカン（先住民）の一つである“ユロック族”に嫁いだ自身の暮らしを通じて、異文化の魅力や、ユロック族のリアルな生活を視聴者に届けている。また、在米セキュリティカウンセラーとして、アメリカで暮らす上で役に立つ防犯情報も発信する。

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。