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なぜ?「ランクル」「アルファード」は中古車が新車より高い?『プレミア価格』が起こる“事情”

  • 2025.5.8
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写真:photoAC(イメージ)

本来、中古車は新車よりも価格が下がるのが一般的です。

しかし、トヨタのランドクルーザーアルファードといった人気の車種では、中古車価格が新車価格を上回る“プレミア価格”という現象が起こることが珍しくありません。

 「中古車価格は新車価格より安い」という常識を覆すこの現象は、なぜ起きるのでしょうか。

この現象の背景には一時的な市場環境だけでなく、これらの車種特有の高い需要とリセールバリュー(購入したものを売却した際に算出される価値)の高さがありました。

本記事では、ランドクルーザーとアルファードを例にして、自動車ライターである筆者がプレミア価格が形成される仕組みをわかりやすく解説します。

なぜ新車より高い中古車が生まれるか

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写真:photoAC(イメージ)

背景として挙げられるものとして、1点目に需要の集中に対して供給が追いついていないという状況があります。

人気車種やモデルの場合、メーカーの生産能力を上回る注文が殺到し、納期が1年以上先になることも珍しくありません。1月30日に発表されたジムニーノマド(スズキ)が約5万台の注文が殺到し、2月3日に注文停止を発表したのは記憶に新しいところです。

欲しいクルマが生活に不可欠な人や特定の用途で早急に必要とする層にとって、長期間の納期は大きな負担になります。

そのため、登録済みの中古車でも「すぐに手に入る」というメリットを重視し、高額であっても購入を決断する動きが生まれるのです。

また、中古車とはいえ低年式・低走行距離で状態が良い個体であれば、納車待ちを回避して新車と変わらない状態のものを手に入れる手段としての価値を持ちます。さらに、人気グレードや希少カラーなど新車では手に入らない仕様にこだわる層にとっても、プレミア価格を支払う理由になり得るでしょう。

単なる価格競争ではなく「今すぐ手に入れたい」という強いニーズと、「希望する仕様を確実に手に入れたい」という思いが、市場にプレミア価格を生み出しているのです。

「ランドクルーザー」や「アルファード」が特に高騰する理由

中古車市場において価格が高騰しやすい車種には、いくつか共通する特徴があります。

ランドクルーザーとアルファードは、その代表例といえるでしょう。

この2車種に共通する点として、リセールバリューの高さが挙げられます。これらの車種は元々高額なことに加え、数年経っても価値が落ちにくく、中古市場での需要が非常に根強いのが特徴です。

「ランドクルーザー」の中古車が高値になるワケ

ランドクルーザーは、特殊な事情を抱えています。世界的に見ても卓越した走破性を有し、信頼性の高さから国内市場のみならず中東地域をはじめとする世界各国で高い評価を受けており、需要が極めて旺盛です。

特に現行モデル(300系)は2021年の登場直後から世界的にオーダーが殺到し、生産が追いつかない状況が続きました。一時は納期が4〜5年程度とされ、現在も納期見込みが立たないことから受注停止措置が取られています。

ランドクルーザーはその性質上、「ランドクルーザーでなければならない」環境の地域への供給が優先されていると考えられます。国産モデルとはいえ、日本が最優先の供給先ではない可能性が高いでしょう。

このため、新車を手に入れることが極めて困難になり、代替手段として中古車市場に注目が集まった結果、価格が高騰する環境が生まれているのです。また発売から4年程度が経過しても納期見込みが立たないことから、納車前にモデルチェンジする可能性も指摘されています。

この点も、相場価格をさらに押し上げている一因といえるでしょう。

「アルファード」の中古車が高値になるワケ

一方、アルファードもまた国内外で高級ミニバンとしての地位を確立しています。

2023年にはフルモデルチェンジし、現行型(40系)に切り替わりました。新型は受注開始直後から高い人気を集めており、高価格帯にもかかわらず注文が相次いでいます。

その結果納期の長期化やグレードによる納車時期の違いなども影響し、「すぐに乗りたい」というニーズが中古市場に波及しました。元々先代モデル(30系)の人気が高かったことにもあり、特に人気グレードや上位仕様については新車よりも高い価格設定が見られるケースが目立っています。

ランドクルーザー、アルファードともに、単なる人気車種というだけでなく、それぞれの特性に応じた強い需要が存在しており、それがプレミアム価格形成の大きな要因となっています。

冷静な見極めが必要

新車より高い価格がついた中古車を購入するのは、一見すると割高に思えるかもしれません。

しかし、すぐに乗りたい、あるいはどうしても欲しいグレードや仕様がある場合には、プレミア価格を受け入れる選択もひとつの方法です。

一方で、時間に余裕がある場合や急ぎでなければ、新車の納期を待ったり中古車でも価格が落ち着くのを待つという選択肢もあります。

いずれにしても、目先の価格だけでなく、自分にとって本当に必要な一台かどうかを冷静に見極めることが大切です。



ライター:春宮 悠(はるみや ゆう)
プロフィール:モビリティ業界やカーライフをテーマにした執筆を中心に活動。業界の動向を捉えつつ、車が持つ価値を多角的に考察する記事を多く手がけています。ビジネスやライフスタイルとの接点を独自の視点で捉え、モビリティが生む可能性を探求する姿勢を大切にしています。

※サムネイル画像出典:photoAC(イメージ)