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47年前、日本中が心惹かれた“異才の俳優” 刑事ドラマの常識を塗り替えた“テレビ史に残る国民的存在”

  • 2025.5.28

1970年代、日本のテレビドラマが急速に発展し始めた中で、ひとりの若手俳優が注目を集め始めた。

その名は水谷豊。47年前にデビューした作品である、1968年放送のSF怪奇ドラマ『バンパイヤ』や、1974年の『傷だらけの天使』で見せた繊細かつ鋭い演技は話題を呼んだ。

彼の特徴は、“自然体でありながら、圧倒的に惹きつける存在感”。カメラの前で飾らない、でも誰よりも印象に残る。そんな“静かなる異才”として、少しずつ確かな足跡を刻んでいった。

日本中が心惹かれた“異才の俳優”の存在

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(C)SANKEI

水谷豊が真の“お茶の間の顔”となったのは、1978年のドラマ『熱中時代』だ。小学校の教師・北野広大を演じた彼の優しさと熱血ぶりは、当時の子どもたちはもちろん、その親世代にも深く響いた。

毎週の放送を家族みんなで楽しみにし、次の日には学校や職場で話題になるーー。

そんな“TVが家族の中心だった時代”の象徴とも言える作品であり、水谷自身にとっても、俳優人生の大きな転機となった。決して派手ではないけれど心に残る。そんな水谷の持ち味が、ここで全国区の支持を得た。

“刑事ドラマの常識”を塗り替えた“テレビ史に残る国民的存在”

2000年に始まったドラマ『相棒』。

警視庁特命係・杉下右京という一風変わったキャラクターを、水谷豊は実に自然に、そしてユーモアと知性をもって演じた。右京の“変人だけど理知的”、そして“どこか孤独”な空気感は、水谷自身がこれまで積み重ねてきたキャリアと深くリンクする。

20年以上にわたり放送され続ける『相棒』は、まさに水谷豊の代表作にして、“生涯をかけた作品”とも言える。

その時代ごとの相棒との掛け合いも人気を博し、シリーズは映画化・舞台化もされ、日本のドラマ史に残るロングラン作品となった。

“静かなる名優”が映し出す、時代の記憶

年齢を重ねるごとに深みを増すその演技と存在感。水谷豊は、これからも“日本のドラマに欠かせない人”として、静かに、しかし力強く私たちの記憶に残り続けていく。

昭和から令和へと移り変わる中で、水谷豊が演じた数々のキャラクターたちは、今も私たちの心のどこかで生き続けているのだ。


※この記事は執筆時点の情報です。