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40年前、日本中を魅了した“異端のカリスマモデル” 整いすぎた容姿ゆえに苦戦した“唯一無二の大俳優”

  • 2025.5.27

「阿部寛って、昔はモデルだったって知ってた?」今や役者としての印象が強いことから、この事実に驚く人もいるかもしれない。1980年代後半、彼は“カリスマモデル”として絶大な人気を誇っていた。

そこから「5年間くらい仕事がなかった」という時期を経て、今や“日本を代表する俳優”として確固たる地位を築いた。

その軌跡には、ひとつの時代と、自分自身との闘いが詰まっている。

40年前、日本中を魅了した“異端のカリスマモデル”と“下積み時代”

阿部寛が芸能界に登場したのは1980年代後半。『メンズノンノ』の創刊号モデルとして表紙を飾り、彫刻のようなルックスと190cm近い長身で一躍注目を浴びた。

しかし、モデルから俳優に転身して以降、しばらくは苦戦の連続だった。その整いすぎた容姿が“役者”としてのリアリティを阻むこともあり、出演作品に恵まれない時期が続いた。

1990年代半ば、阿部寛は舞台やVシネマに活路を見出し、自らを磨き直していた。その地道な努力が実を結んだのが、2000年のドラマ『TRICK』や、2006年のドラマ『結婚できない男』(関西テレビ系)などの作品だ。

“イケメンなのにコミカル”、“クールなのに不器用”という意外性が視聴者の心を掴み、驚きとともに再評価されていった。

整いすぎた容姿ゆえに苦戦した“唯一無二の大俳優”

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(C)SANKEI

阿部寛が役者としてブレイクしたのは、30代後半を迎えてからだった。

TBS日曜劇場『新参者』シリーズでは繊細な人間ドラマを背負える俳優としての実力を見せつけ、映画『テルマエ・ロマエ』ではギリシャ彫刻のような顔立ちを武器にした。

長身、低音ボイス、そして隠しきれないユーモア。彼が放つ“存在感”は、今や誰にも真似できないものになっている。いまや“日本を代表する役者”とまで言われる存在に変わったことは、彼の真摯な姿勢と努力がもたらした必然だ。

阿部寛が表現する演技の“リアルさ”と“人間味”が、見る者の心に深く残る。

“阿部寛”というジャンルは、進化を続ける

年齢を重ねても、彼の魅力は衰えない。むしろ、“渋さ”と“余白”が加わることで、ますます深みを増している。

阿部寛という俳優は、まさに“ローマは一日にしてならず”と言える。長い時間をかけて、自分だけのスタイルを築き上げた“進化する演者”なのだ。私たちはこれからも、彼の存在に驚き、笑い、そして涙することだろう。


※この記事は執筆時点の情報です。