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33年前、日本中が枕を濡らした“切なすぎる別れの旋律” 150万枚超を売り上げた“不朽の名曲”

  • 2025.5.28

「1992年、この曲が流れてきて、心がざわついたーー」

1992年にリリースされたサザンオールスターズの『涙のキッス』は、恋の終わりを真正面から見つめた“別れのバラード”だ。それは、若さゆえの衝動とは違う、“大人の恋”にしか訪れない静かな痛み。

J-POP全盛期の波にのまれながらも、変わらず“サザンらしさ”を貫いた一曲は、今なお多くのリスナーの記憶を揺さぶる。オリコンによる累計売上枚数は150万枚超を記録しており、自身のシングルで初めてミリオンセラーを達成した楽曲でもある。

150万枚超を売り上げた“不朽の名曲”

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(C)SANKEI

冒頭からただならぬ雰囲気を放つ、あのフレーズーー。

恋が終わるとわかっていても、まだ“愛している”と言いたい気持ち。届かないとわかっていても、願わずにはいられない未練。サザンが得意とする“情景のある歌詞”が、胸の奥のほうに残る痛みを掘り起こす。

そして桑田佳祐の声。言葉よりも先に、声に宿った“感情”がこちらの心を打ち抜く。

その切なすぎる別れの旋律に、日本中が涙し、そっと枕を濡らした。

金曜ドラマ『ずっとあなたが好きだった』とのリンク

この曲が主題歌として使われたのは、賀来千香子主演の金曜ドラマ『ずっとあなたが好きだった』(TBS系)。当時社会現象を巻き起こした“冬彦さんブーム”の裏で、このバラードが“もうひとつのドラマ”を描き出していた。

恋の重さ、報われなさ、切なさーー。

ドラマの余韻と曲の世界観が共鳴し合い、視聴者の感情を深く揺さぶった。

サザンのラブソングは、どこか粋でやるせない“大人の余韻”が漂う。きれいごとでは済まされない感情、後悔や未練を、メロディとともに飲み込んでいく夜。そんな“大人の恋”の輪郭が、音楽で描かれる。

大人の美学が詰まった名曲は、33年経った今も変わらず

あれから33年。恋の形も、愛の言葉も、変わったかもしれない。でも、あの頃『涙のキッス』を聴いて感じた“胸の締めつけ”は、今でもふと蘇る。

別れを悲しむだけではなく、愛した日々に感謝しながら、次に進む。

そんな大人の美学が、この曲の中には確かにある。“涙のキッス”は、今もどこかの夜にそっと流れているのかもしれない。そしてまた、ひとりの心に寄り添っているのだ。


※この記事は執筆時点の情報です。