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27年前、日本中が熱狂した“革命のロック” 売上120万枚を超え一瞬で大スターを生んだ“決定的な1曲”

  • 2025.5.29

「1998年の夏、どんな音楽が街に鳴り響いていたか覚えてる?」

CD全盛期のJ-POPシーンにおいて、ひときわ鮮烈な存在感を放った一曲がある。それが、L’Arc〜en〜Cielの『HONEY』(1998年7月8日発売)だ。

同日に『花葬』『浸食 〜lose control〜』と3枚同時リリースという前代未聞の戦略を打ち出し、3曲ともがオリコン上位にランクイン。中でも『HONEY』は約120万枚を超えるセールスを記録し、ラルクの名を一気に全国区に押し上げ大スターたらしめた“決定的な1曲”だった。

“ロック黄金期”に一瞬で大スターを生んだ“革命のロック”

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(C)SANKEI

イントロのギターが鳴った瞬間から、リスナーの胸を一気に掴む。

スピード感あふれるロックナンバーでありながら、hydeのどこか気だるげで色気のあるボーカルが乗ることで、単なるハードロックには終わらない“甘さと哀しみ”を内包していた。

直線的なラブソングのようでいて、どこか影のある言葉たち。ラルクらしい“耽美と疾走”が絶妙なバランスで共存する、当時のJ-ROCKを象徴する一曲となり、日本中が熱狂した。

異例の“3作同時リリース”が示したバンドの勢い

『HONEY』『花葬』『浸食』というタイプの異なる3曲を同時リリースするという、音楽業界でも前例のないプロモーション。

これにより、L’Arc〜en〜Cielは“売れるロックバンド”としてだけでなく、“アート性と戦略性を併せ持つ存在”として一目置かれることになる。

派手な演出に頼らず、音楽そのものの力で勝負していたことが、ファン層の厚さや長年の支持につながっていった。

“ビジュアル系”という枠を越えて

1990年代後半、L’Arc〜en〜Cielは“ヴィジュアル系”という括りで語られることも多かった。

しかし『HONEY』は、その枠を一気に突き破った。ファッション性の高さはそのままに、純粋なロックバンドとしての音楽性が評価され、男女問わず広い層から支持を受けるようになる。

それは後続のロックバンドにも大きな影響を与え、「ヴィジュアル×本格派ロック」というスタイルを確立させた原点でもあった。

27年前、日本中を魅了した“伝説的ロックバンド”の名曲

1998年という年は、サッカーW杯フランス大会があり、GLAYや宇多田ヒカルなど音楽シーンも盛り上がりを見せた、まさに“J-POP黄金時代”。

そんな時代の真ん中で、『HONEY』はたしかに“夏の音”として鳴り響いていた。耳にすれば、あの灼けるような陽射しや、友だちと過ごした青春の風景がふと蘇る。

『HONEY』は、そんな“夏の記憶”を封じ込めた、時代を超える名曲だ。


※この記事は執筆時点の情報です。