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人には話しづらい【女性の不調 Q&A】 産婦人科医が不安や疑問にお答え!

  • 2025.4.10

教えてくれたのは……

ローズレディースクリニック医師 石塚清子先生

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。現在はローズレディースクリニックにて多くの婦人科、不妊患者の治療にあたる。

Q1 不正出血が続いていて心配です……。

不正出血と一口で言っても、その原因はさまざま。良性のポリープや外傷、見落としたくないがん、ほかにも排卵時出血という生理的な不正出血もあります。
しかしタイミングや出血の色、量などだけではそれらを鑑別することはできません。不正出血が続く場合は、一度受診をして検査をしましょう。
石塚清子先生

Q2 生理が止まってしまいました。 どんなタイミングで受診すべきですか?

生理が止まった年齢が閉経間近、40代後半であればさほど心配する必要はありませんが、10代や20代では過度なダイエットによる体重減少が原因で月経が止まってしまうことも。
また卵巣機能不全という、他の人よりも著しく早くに閉経してしまう病気が隠れていることもあります。月経が止まってしまったら放置をせず、3か月を目安に一度受診をしましょう。
石塚清子先生

Q3 結婚して子どもができるか不安。 妊活や不妊治療っていつから始めればいいですか?

妊活を始めて一年間夫婦生活を持っていても妊娠しなかった場合に、『不妊症』という診断がつきます。ですので妊活後、一年たったら受診するのが目安です。
ただし年齢による卵巣機能の衰えを考慮して早期の治療が望ましい人もいますし、最近はこれから妊活を始めるという人が早めに受診するケースも増えています。
不妊の原因としては、実は女性因子と男性因子は半々といわれています。男性も一緒に受診し、夫婦で取り組むことが望ましいですね。
ローズレディースクリニック医師・石塚清子先生

Q4 ピルに対しての否定的な意見も聞きます。 本当に飲んでも大丈夫ですか?

ホルモン剤に対して、漠然とした不安や抵抗を抱いている人もいますが、望まぬ妊娠を防ぐほか、月経痛のコントロールや、経血量が少なくなることで貧血を改善させるなどQOLの向上も期待できます。
また卵巣がんや大腸がんのリスクを下げるなど、うれしい副効果も。既往歴や年齢、月経不順の原因により投与できないケースやピルが適切ではないケースもあるので自己判断で服用することは避けるべきですが、医師の適切な診断を受けて服用することはむしろ推奨できます。
石塚清子先生

Q5 最近眠りが浅くてすぐ起きてしまいます。 これも女性ホルモンのせいですか?

不眠症も、更年期症状のひとつとして挙げられることがあります。
ただし、うつ病など精神的な病気が隠れていることも。まずは夕寝を控え、昼寝も30分程度にとどめる、就寝前のカフェインやブルーライトを避ける、朝日を浴びるなど、生活習慣を見直してみましょう。
それでも改善されない場合は、心療内科や精神科、産婦人科に受診して相談してみましょう。
石塚清子先生

Q6 納豆などのイソフラボンを摂るといいと聞きますが、それって本当?

大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た構造をしており、更年期症状の軽減を期待できる成分として注目されています。
ただし大豆自体に含まれているイソフラボンは糖をつけた状態。代謝できる腸内細菌を持っていないと食べても吸収されません。
ですが発酵した大豆には糖が外れている『アグリコン型イソフラボン』の割合が多いので、食べるなら味噌や醤油、納豆などの発酵食品がおすすめです。
石塚清子先生

Q7 最近の不調、更年期かも? ホルモン補充療法が気になりますが、抵抗があります……。

乳がんや血栓症などの既往歴がある人は受けることができませんが、ホルモン補充療法をすることで骨折や心血管系疾患のリスクを減らしたり、認知症を予防したりする効果が期待できます。
更年期症状が辛い人、活力を持って元気に年をとっていきたい人は、医師と相談しながら取り入れてもよいでしょう。副作用として血栓症や乳がんのリスクが多少上がるといわれているので、念のため年に一度は必ず乳がん検診を受けてほしいですね。
ローズレディースクリニック医師・石塚清子先生

Q8 更年期は、遅いほうがいいのでしょうか? 更年期の捉え方を教えてください。

更年期は女性ホルモンがゆらいでいる状態なので、さまざまな不調が起こります。更年期が早いということは閉経も早いということですので、女性の健康寿命という意味では遅いほうがよいでしょう。
ただし卵子の数は決まっているので、個人の意思で閉経を遅らせることはできません。ですので更年期に対する捉え方としては、遅らせるのではなく“不調が起こったらホルモン補充療法や漢方薬などで緩和する”というのが正解です。
ローズレディースクリニック医師・石塚清子先生

保険が使えるようになり、身近になった不妊治療

プレコンセプションケアの助成金に注目
 
晩婚化や晩産化が進んでいることもあり、不妊に悩む女性は増えています。35歳を超えると徐々に妊娠率は下がりますし、高齢妊娠になればなるほど妊娠出産時の合併症のリスクは増えます。不妊を感じたら早めに専門医に相談しましょう。
2022年からは幅広い不妊治療が保険適用となりましたし、東京都が妊娠前の検査(プレコンセプションケア)で助成金を出すようになったのも嬉しいニュース。これから妊活を始めるという女性も気軽に検査できるようになりました。
石塚清子先生

不妊治療の種類

photograph:Mari Yoshioka illustration:Kayo Yamaguchi text:Nahoko Morimoto
 
リンネル2025年4月号
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