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時間をすくう旅、アメリカにて。 写真と文:黄瀬麻以 (写真家) #2

  • 2025.4.9

10年ほど前、ほんの少しだけアメリカ西海岸に住んでいたことがある。

今の円安を考えると、当時は本当にドルが安かったな...。移住する前の年は1ドル=84円くらいだったのに、自分が住み始める頃には127円くらいに値上がりしてブーブー言っていたことをよく覚えている。

それでもなんとかしがみついて1年7ヶ月ほど住んでいた。

英語の勉強に集中せずにちょろちょろ(何をしていたか自分でもあまり覚えていない)していたせいで、今の拙い英語しか身に付かなかった。

アメリカにいた頃はいろいろと国内でも旅ができて楽しかったし、撮影したい人に声をかけてよくポートレートを撮らせてもらっていた。

そのフィルムを現像して、暗室に行ってプリントをしている時間がなんとも幸福だったことを覚えている。そんなアメリカ生活の後はなんだか「住むように旅をする」が一つのテーマになったようにも思う。

休みの日は何もすることがなくてただただ被写体を探してずっと散歩していた日々。でもその写真が案外気に入っていたりして。

旅先ではついついアグレッシブになりがちだけれど、そんな暇な時間をたっぷりとって過ごすのもまたいい発見があると信じて、あえてぼーっともしてみる。

写真はアメリカに住んでいた時にただひたすら散歩して撮っていた風景や人、または国内の旅先。

そして、住んでいたところに数年経ってから訪れた時のもの。

edit : Sayuri Otobe

写真家 黄瀬 麻以

1984年京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。フリーランスカメラマンとして東京を拠点に、雑誌、広告などで活動中。

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