1. トップ
  2. おでかけ
  3. 【久山町】「御料理 茅乃舎」20年に1度の茅葺屋根葺替えで未来につなぐ

【久山町】「御料理 茅乃舎」20年に1度の茅葺屋根葺替えで未来につなぐ

  • 2025.4.3

茅乃舎(かやのや)の出汁ファン、リビングふくおか・北九州Web地域特派員のめりしゃんです。 今回はなんと!ユネスコ無形文化遺産に登録された「茅葺屋根」を未来へつなぐ、”開業以来初”20年に1度の葺替え作業の見学会へ参加してきました。 「茅乃舎」の総本山となるレストラン「御料理 茅乃舎」は糟屋郡久山町の猪野川のほとりに佇む、幅約40m、西日本最大級の茅葺屋根が見事な建物です。(改装のため一時閉店中)

出典:リビングふくおか・北九州Web

茅葺き職人の三苫義久さんはなんと88歳の現役!

48歳で茅葺き職人に転職して今年で40年の大分県日田市在住の熟練の茅葺師・三苫義久さん。「太宰府天満宮」や黒川・湯布院などの茅葺き屋根を手がけてきたとのこと。こちらの「御料理 茅乃舎」は西日本最大級のもので、三苫さんが手がけた屋根の中でも特に思い入れがあるそうです。

温暖化が良い茅を取れなくしていること、農業の機械化が茅葺き屋根がどんどん無くなる原因になってしまったことなど、貴重なお話を聴くことができました。見学者の皆さんも真剣な表情です。 「職人は見て、取って、自分の体で覚える。」と繰り返しおっしゃってました。茅を使った作業も農業の機械化で身近なもので無くなってしまったのですね。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「御料理 茅乃舎」の建物には、阿蘇の外輪山で育った茅が使われています。阿蘇の野焼きをご覧になったことがありますか?あの野焼きが茅の成長にとても重要なのだそうです。ここの茅は関西の方からも取りに来られるとのことですが、温暖化のせいか、いい茅がなかなか取れないとおっしゃっていました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

茅収穫の様子(写真は茅乃舎提供)

出典:リビングふくおか・北九州Web

阿蘇の雄大な景色(写真は茅乃舎提供)

さて、ヘルメット装着!工事現場の足場を上がって葺き替え体験です

今年1月から始まった茅葺き屋根の葺替え工事ですが、実は20年前に、ここを新しく作るときにも一般の見学者が屋根葺き工事を体験したそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

茅乃舎の屋根は、この出窓の部分と背部の煙突の部分がとても難しい作業になるとのこと。この高さでの作業に、ちょっとくらくらしてしまいます。

出典:リビングふくおか・北九州Web

1本ずつ茅を差し込んでいきます。棟梁の三苫さんに「いいぞ!」と褒められています。 2mほどの長さのある茅です。

出典:リビングふくおか・北九州Web

茅葺業界も後継者の育成に取り組んでいらっしゃるとのこと、見学会の子どもたちの中から「やってみようかな」と思う子がいるかも?

出典:リビングふくおか・北九州Web

上から見た時はこんなに厚みがあるようには見えなかったのですが、70cmくらいの厚みでしょうか?とても綺麗です。

出典:リビングふくおか・北九州Web

今回(午後の部)の参加者の皆さんです。今日(3月29日)はお天気も良く桜が満開で、とてもいい見学会でした。

出典:リビングふくおか・北九州Web

葺替え後のオープンは6月中旬頃の予定です

実はこの写真、去年の紫陽花の頃にお邪魔したときに撮ったものです。屋根の茅がいい味を出しているなあと思っていましたが、葺替えの時期が来ていたのですね。そう言われると、ちょっとくたびれている感じもしますか? ここでは茅葺き屋根の維持のため、営業終了後毎日、ホール席で煙をたいています。茅を燻すことで防虫・防腐・殺菌効果があり、耐用年数を高めるのだとか。昔の人の生活も偲ばれます。 今回、葺き替えられた新しい茅葺きの色も、毎日燻されて、段々といい色になっていくのでしょう。

出典:リビングふくおか・北九州Web
出典:リビングふくおか・北九州Web

手前の建物は葺き替えていないので、色の違いがはっきりしています。茅葺き屋根はこれくらい年季が入った色合いがいい感じです。またこれからも、お店の歴史を刻んでいくことでしょう。

出典:リビングふくおか・北九州Web

桜が咲く猪野川です。紫陽花の頃には蛍が飛んでいます。 去年、蛍の時期にここで食事した後、みんなで川沿いを散策して蛍を見ました。今年も楽しみにしています。ちょうど再オープンの頃でしょうか?メニューも眼を見張る美しいお料理でした。オープンが待ち遠しいです。

御料理 茅乃舎

福岡県糟屋郡久山町大字猪野字櫛屋395-1

TEL:092-976-2112

6月中旬まで葺替え工事のため休業中

HP:https://www.kayanoya.com/

Instagram:https://www.instagram.com/kayanoya.official/

元記事で読む
の記事をもっとみる