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39年前、日本中が釘付けになった“伝説の刑事ドラマ” 常識を覆した“最強バディ”の軌跡

  • 2025.4.27
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(C)SANKEI

1986年、“刑事ドラマ”の概念が覆された。

「39年前の秋、どんなドラマに夢中になっていたか覚えてる?」

1986年といえば、おニャン子クラブや中森明菜が音楽チャートを賑わせ、バブル経済の気配が街に漂い始めていた時代。テレビではホームドラマや学園ものが主流を占めていたが、そんな中、ひときわ異彩を放つ“スタイリッシュな刑事ドラマ”が登場する。

『あぶない刑事(デカ)』――1986年10月5日、日曜21時、日本テレビ系で放送スタート。
主演は舘ひろしと柴田恭兵。刑事ものに「センス」と「遊び心」を持ち込んだこの作品は、ドラマ史に新たな風を吹き込んだ。

ドラマ『あぶない刑事』とは?

舞台は横浜・港署。登場するのは、スーツにサングラスがトレードマークのタカ(舘ひろし)と、ニヒルな笑顔とアクションが冴えるユージ(柴田恭兵)という二人の刑事。

事件を追うはずの刑事たちが、街中をバイクやクラシックカーで駆け回り、時にユーモアを交えながら犯人を追い詰めていく――そんなスタイルは、当時としては非常に“異端”だった。

だがその“カッコよさ”と“軽妙なやり取り”は、視聴者の心を一気に掴み、気づけばドラマは社会現象へと発展していった。

なぜ『あぶない刑事』はここまで支持されたのか?

それまでの刑事ドラマといえば、正義感や苦悩、汗と涙をベースにした重厚な作品が多かった。だが『あぶない刑事』は、まず“ビジュアルと演出”でその印象を大きく塗り替えた。

スタイリッシュなスーツに身を包み、ギラつく横浜の街を背景に繰り広げられる銃撃戦やカーチェイス。まるで映画のような映像美とハードボイルドな音楽に彩られたこの作品は、ドラマの枠を超えた新しいエンタメとして受け入れられただろう。

さらに、舘ひろしと柴田恭兵による軽妙な掛け合いや、信頼に満ちたバディ感は、男性視聴者だけでなく女性層の心もつかんだ。特に二人の関係性には“友情”と“信頼”の両方が宿っており、見る人の胸を熱くさせた。

『あぶない刑事』が残したインパクトと影響

この作品の成功は、ドラマの世界にいくつもの新しい潮流をもたらした。

刑事ドラマというジャンルに“エンタメ性”を取り入れ、重すぎず、それでいてスリリングな展開を可能にした点は画期的だった。また、全編横浜ロケを中心に据えた演出により、作品の世界観と実在の街の魅力がリンクし、ロケ地が“聖地化”されるような現象も発生。

さらに、主演2人のファッションや乗る車、BGMに至るまでが“カッコよさ”の象徴としてトレンドとなり、視聴者の生活にも大きな影響を与えた。

シリーズ終了後も劇場版が数多く制作され、時間を経ても愛され続ける“終わらない伝説”として、今なお文化の中に息づいている。

39年経っても色褪せない、“あの二人の背中”

『あぶない刑事』がこれほどまでに記憶に残る理由は、単なる刑事ドラマとしての枠を超え、“人生のスタイル”を描いた作品だったからだ。

軽やかに生きながらも、仲間への信頼を胸に、自分の美学を貫く――そんなタカとユージの生き様は、世代を問わず共感を呼び続けている。

あの頃、テレビの前で胸を高鳴らせたあの気持ちを、もう一度味わいたくなる。
“あぶない”ほどにカッコよかった二人の背中は、これからも変わらず、私たちのヒーローであり続ける。


※この記事は執筆時点の情報です。