1. トップ
  2. 工夫して計算してみて!「35×18」→暗算できる?

工夫して計算してみて!「35×18」→暗算できる?

  • 2025.4.13

今回は二桁の掛け算を暗算する問題に挑戦です。

一桁の掛け算はすぐに答えられても、二桁となると筆算なしの計算は厳しいと感じる人が多いのではないでしょうか。

しかし、諦める前に式の数をよく見てください。計算を簡単にする工夫のタネが見つかるかもしれませんよ。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
35×18

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「630」です。

制限時間内に答えられたでしょうか?

頭の中で筆算をしようとするのはあまりおすすめできません。繰上りが多く、混乱してしまう可能性が高いからです。

この問題を暗算する「ポイント」を、次の項で確認してみましょう。

ポイント

暗算のポイントは、「隠された5×2に気が付くこと」です。

桁の大きな掛け算を簡単にする工夫として、よく使われるのが10の倍数を作ることです。なぜなら、10の倍数の掛け算は末尾に0を付けるだけで答えが出るからです。


3×10=30
4×100=400

よって、次のような式の場合は、先に「2×5」を計算すると効率的です。


2×5=7×10=70

「2×5」は10です。このように掛け算の中に先に10を作ることで、計算が楽になりますね。

さて、今回の問題を改めて確認してみましょう。

35×18

この問題には一見、2も5も登場しないように見えます。

しかし、次のように変形したらどうでしょうか。

  35×18
=7×5×2×9

35は「7×5」、18は「2×9」で表すと、「2×5」の掛け算が出現しました。

あとは、この「2×5」を先に計算すれば、簡単に答えが求められます。

  7×5×2×9  ←5×2を先に計算する
=7×10×9
=7×9×10  ←7×9を計算する
=63×10  ←10の倍数の掛け算
=630

掛け算の計算の順番は柔軟に変えられる!

先の解説では、「7×5×2×9」という式を左から順に計算するのではなく、「5×2」から先に計算しました。

このようなことが許されるのは、掛け算には「結合法則」が使えるからです。

<結合法則>
順番を変えて計算しても答えは同じになるという法則。
(■×▲)×〇=■×(▲×〇)

この法則を利用すれば、柔軟に順番を変えて、計算しやすい順に掛け算をすることができます。

なお、結合法則は足し算もしくは掛け算だけの式には使えますが、引き算や割り算には使えませんので注意しましょう。

まとめ

今回紹介したのは、二桁の掛け算の中に「2×5」を作り出し、計算を簡単にするという工夫でした。

まずは二桁の掛け算が、「〇×2×5×■」という形で表せないか検討します。掛けられる数、掛ける数のどちらかが2の倍数で、どちらかが5の倍数であれば、式は「〇×2×5×■」の形に変形できます。すると式は、「〇×■×10」の形になり、楽に計算できるというわけです。

この方法なら、頭の中で筆算をするよりも簡単に答えが求められそうですね。

二桁の掛け算を簡単にする方法は、問題によって変わります。ぜひ他の暗算問題にもチャレンジしてみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


もう一問挑戦!

小学生でも分かる問題にチャレンジ!「12×99」→暗算できる?
小学生でも分かる問題にチャレンジ!「12×99」→暗算できる?