京都通信
京都の春、桜に包まれる絶景散歩へ出かけませんか?
市内中心部を南北に貫く地下鉄烏丸線「北山駅」を起点に、およそ180品種の桜が見られる春爛漫の「京都府立植物園」、賀茂川沿いに桜のトンネルをつくる「半木の道」を経て、桜の銘木に彩られた世界遺産「上賀茂神社」へと向かうコースをご紹介。
【START】地下鉄烏丸線「北山駅」
↓(徒歩すぐ)
京都府立植物園
↓(徒歩すぐ)
半木の道
↓(徒歩約10分)
賀茂川沿いの桜並木
↓(徒歩約15分)
【GOAL】上賀茂神社
地元でも愛される穴場の桜スポットを巡りながら、賀茂川のせせらぎと桜のコントラストを楽しむ、春の京都ならではのお花見さんぽをお楽しみください。
◆ここから出発!地下鉄・北山駅
地下鉄烏丸線・北山駅は、京都の玄関口となる京都駅や、観光拠点に便利な四条駅から乗り換えなしで約15分。市内中心部から少し離れた閑静なエリアにあります。最初の目的地「京都府立植物園」の北山門は、駅の3番出口すぐ。券売機でチケットを購入して入園しましょう。
◆京都府立植物園 – 日本最古の植物園で多彩な品種の桜を観賞
1924(大正13)年に開園した「京都府立植物園」は、昨年2024年に創立100周年を迎えた日本最古の公立総合植物園。総面積約24ヘクタールの広大な園内には、国内最大級の観覧温室や、日本各地の山野に自生する植物を自然に近い状態で植栽した日本の森・植物生態園などのエリアが設けられ、およそ1万2千種に及ぶ植物を展示・栽培しています。
桜の品種数は全国屈指の多さを誇り、バックヤードを含めるとなんと約200品種。来園客が見られるものだけでも180品種500本もの桜があり、3月上旬の早咲き種から4月下旬の遅咲き種まで、長期間にわたり楽しめます。
北山門から入ったら、まずは「桜品種見本園」へ。ここでは野山に自生する野生種を人の手で品種改良したサトザクラを中心に、多種多様な品種を一度に観賞できます。緑色の花を咲かせる「御衣黄(ぎょいこう)」や、黄色の「鬱金(うこん)」など、珍しい品種にも注目です。
観覧温室の北側にはソメイヨシノやヤエベニシダレを中心とした「桜林」、東側にはピクニック気分でお花見が楽しめる「大芝生地」が。大芝生地の北側に位置する花菖蒲園では、桜の名所・円山公園のシンボル“祇園枝垂桜”の系統を引く銘木「大枝垂桜」も観賞できます。
〈桜の見頃〉
3月中旬~下旬:河津桜など早咲きの品種
3月下旬~4月上旬:大枝垂桜、ソメイヨシノ
4月上旬~下旬:サトザクラなど遅咲きの品種
【施設情報】
京都府立植物園(きょうとふりつしょくぶつえん)
住所 京都市左京区下鴨半木町
電話番号 075-701-0141
営業時間 9:00~17:00(最終入園 16:00)
休園日 12月28日~1月4日
料金 2025年3月31日まで(入園料のみ):一般200円、高校生150円、中学生以下・70歳以上無料
2025年4月1日から(入園料+温室観覧料)一般500円、高校生・70歳以上250円、中学生以下無料
公式HP https://www.pref.kyoto.jp/plant/
Instagram @kyoto_botagrdns
◆半木の道 – 桜色に染まる賀茂川沿いの散策路
植物園の正門を出ると、すぐ右手に「賀茂川」が流れています。
正式な表記は「鴨川」ですが、地元では鴨川と高野川が合流する“鴨川デルタ”より上流を「賀茂川」、下流を「鴨川」と表記します。
賀茂川東岸に沿って延びる「半木の道」は、約800mの散策路。濃いピンク色のヤエベニシダレザクラが植えられており、満開時には見事な“桜のトンネル”に! ソメイヨシノが連なる対岸の眺めもキレイです。青空と賀茂川、そして桜が織りなす、京都らしい春の風景を眺めながら、川沿いに北上していきます。
半木の道は、北山大橋のたもとが終点。ここまで来たら、河川敷におりて橋の下をくぐりましょう。
この先は、上賀茂神社にほど近い御薗橋まで、ソメイヨシノの並木道が続きます。そのまま川原を歩くのも良いですが、川の東側を並走する鴨西通に出るのもおすすめ。道路に覆いかぶさるように開花する桜の下を歩くことができます。
北上するほど人の往来が減り、のんびり穏やかな雰囲気に。観光客で混み合う鴨川下流域と比べ、より静かに京都の桜を楽しめる穴場です。
〈桜の見頃〉
3月下旬~4月上旬
【施設情報】
半木の道(なからぎのみち)
住所 京都市左京区下鴨半木町(賀茂川沿い)
◆上賀茂神社 – 京都最古のお社で由緒ある桜を堪能
賀茂川沿いを30~40分ほど歩くと、御薗橋に辿り着きます。橋のたもとから東に目を向けると、そこに建っているのは上賀茂神社の「大鳥居」。ついに最終目的地へと到着です。
世界文化遺産「上賀茂神社」は、京都最古の神社のひとつ。正式名称は賀茂別雷神社。本殿と権殿は国宝に、その他の41棟の社殿は重要文化財に指定されています。境内には「斎王桜」「御所桜」「風流桜」「みあれ桜」などの銘木が点在し、桜の名所としても知られています。
とくに素晴らしいのは、一ノ鳥居から二ノ鳥居までの間に広がる芝生に立つ2本の枝垂れ桜。見事な枝を広げるベニヤエシダレの「斎王桜」と、孝明天皇が京都御所から下賜された樹齢150年を超える銘木「御所桜」です。
それぞれ開花時期が異なり、御所桜は斎王桜より1週間ほど早く見頃を迎えます。運が良ければ、白い枝垂れ姿を見せる御所桜と、紅色の花を咲かせる斎王桜を同時に楽しめることも。紅白の桜の花と、青々とした芝生、白砂の参道が美しい景観を見せてくれます。
境内のお休み処「神山湧水珈琲 煎」では、上賀茂神社の御祭神・賀茂別雷大神が降り立ったとされる「神山」から流れる名水で淹れた珈琲を味わうことができるので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
〈桜の見頃〉
3月下旬~4月中旬
【施設情報】
上賀茂神社(かみがもじんじゃ)
住所 京都市北区上賀茂本山339
電話番号 075-781-0011
開門時間 二ノ鳥居5:30~17:00、楼門及び授与所8:00~16:45
公式HP https://www.kamigamojinja.jp/
Instagram @kamigamojinja.official
北山駅から上賀茂神社へと続くこのコースで出合えるのは、地元の人々にも愛される静かな桜の風景。賀茂川の流れを傍らに、桜の木陰をのんびり歩く、京都の春を深く味わう特別なひとときが過ごせます。
Text by Erina Nomura
野村枝里奈
1986年大阪生まれ、京都在住のライター。大学卒業後、出版・広告・WEBなど多彩な媒体に携わる制作会社に勤務。2020年に独立し、現在はフリーランスとして活動している。とくに興味のある分野は、ものづくり、伝統文化、暮らし、旅など。Premium Japan 京都特派員ライターとして、編集部ブログ内「京都通信」で、京都の“今”を発信する。