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工夫して10秒で計算して!「13+55−13×55÷13」→10秒でチャレンジ

  • 2025.3.26

今回は、13と55が繰り返し登場する計算問題にチャレンジしてみましょう。

二桁の掛け算や割り算は時間がかかりそうですが、制限時間は10秒しかありません。時間内に計算できるよう、工夫を凝らしてください。

問題

次の計算をしなさい。
13+55−13×55÷13

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「13」です。

なお、この答えは式冒頭に登場する13と一致しますね。しかし、これは偶然ではありません。

では、どうすれば10秒以内で計算できるのか、次の「ポイント」で確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「同じ数のペアを見つけること」です。

今回の式には、13と55しか使われていません。この特徴をうまく利用すると、計算はとても簡単になるのです。

では、具体的な計算方法を順番に見ていきましょう。

掛け算と割り算をセットで計算する

計算順序のルールにより、この問題は掛け算から計算を行います。なぜなら、掛け算や割り算は足し算や引き算よりも優先順位が高いからです(足し算と引き算、掛け算と割り算に優先順位の差はありません。しかし、同じ優先順位の計算なら、左にあるものから先に計算します)。

よって、今回の問題は「13×55」からスタートするのが正解です。

13+55−13×55÷13

しかし、「13×55」を計算するには時間がかかります。そこで、次の「÷13」に注目しましょう。

掛け算の掛けられる数「13」と直後の割り算の割る数「13」は同じ数です。式がこのような形をしている場合、掛け算と割り算の答えは、掛け算の掛ける数と一致します。

■(掛けられる数)×▲(掛ける数)÷■(掛けられる数と同じ数で割る)=▲(掛ける数)

<成り立つ理由>
  ■×▲÷■
=(■×▲)/■ ←割り算を分数で表し、■で分子分母を約分する
=▲/1
=▲

今回の式ならば、次のようになります。

  13+55−13×55÷13
=13+55−55

ややこしく見えた掛け算と割り算の答えが、すぐに求められました。

引き算から先にする

次に、二つの55に注目します。

13+5555

55−55」は同じ数どうしの引き算なので答えは0です。すると、残ったのは冒頭の13だけ、つまり答えは13となります。

  13+55−55
=13+0
=13

このようなやり方であれば、10秒以内に計算を終えるのも難しくはないでしょう。

ここで「足し算よりも先に引き算をしてもよいの?」と思った人は鋭いです。

先に「足し算と引き算の優先順位に差はなく、同じ優先順位の計算なら、左にあるものから先に計算します」と説明しました。よって、この計算方法は左にある足し算を優先していないため、間違っているように見えますね。

実は、足し算だけの式であれば、計算はどこからしてもかまわないのです。これを、加法の結合法則といいます。

<加法の結合法則>
(■+▲)+〇=■+(▲+〇)

ここでさらに「−55は足し算じゃなくて引き算なんだけど?」と思った人はいませんか。

実は、正の数の引き算は負の数の足し算に変えることができます。

−◎→+(−◎)

この書き換えを使えば、式は足し算のみの形に変換できます。

  13+55−55
=13+55+(−55)

これで以下のように、加法の結合法則が使えますね。

  13+55+(−55)
=13+{55+(−55)} ←加法の結合法則により、「55+(−55)」から先に計算する
=13+(55−55)
=13+0
=13

まとめ

今回は、二つの数が繰り返し登場する問題に挑戦しました。

同じ数が何度も現れる式は、今回紹介したような工夫がしやすくなります。同じ数どうしのペアを見つけて、うまく処理できないかを考えてみてください。

工夫次第で計算が楽になる問題は多くあります。ぜひ他の問題にもチャレンジして、工夫のバリエーションを増やしてみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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