公共交通機関では、高齢者や妊婦、体の不自由な人に席を譲ることがマナーとされています。しかし、自分自身が体調不良だった場合、席を譲るべきかどうか悩むこともあるでしょう。
海外のSNS上で話題になったのは、「バスで体調が悪かったため席を譲らなかったところ、周囲から非難された」というエピソード。譲るのが当然なのか、それとも自分の健康を優先するのは仕方のないことなのか、議論が巻き起こっています。
そこで今回は、「公共交通機関での席の譲り合い」に関する海外の方の反応を紹介します。
体調不良で席を譲らなかったら非難された
数日前、バスで帰宅途中に起きたことなんだけど聞いてくれる？
その日乗ったバスは、ほぼ満席だったの。ただ私はその時体調があまり優れなくて、だんだんと横腹の痛みも強くなってきていたから、何とかして席に座りたいと思っていたの。
そうしたら、ちょうどいいタイミングで、後ろの方の座席が一つ空いて、何とか座ることができた。正直、本当にほっとしたのを覚えてる。
でもこの安息は長くは続かなかったの。
というのも、次の停留所にとまった時、一人の女性が高齢の母親と一緒に乗ってきたんだけど。乗車するや否や、一直線に私の席に向かってきて、「母に席を譲ってもらえませんか？」と尋ねてきたの。
私は優先席に座っていたわけではないし、その時は体調がすぐれなかったし、なによりその高齢の女性は年齢の割には元気そうに見えた。だから、「申し訳ありませんが、体調があまり良くないので座らせていただきたいです」と丁寧に断ったのね。
それで話は終わるかと思ったんだけど、その女性はなかなか引き下がらず「あなたは若いんだから、お年寄りほど席を必要としていないでしょう」と言ってきて。
私はもう一度謝罪をしつつ、「本当に具合が悪いので、ほかの人に聞いてみてはどうですか？」と提案をしてみたの。
すると、その高齢の女性が突如「あなたみたいな人間が国をだめにしていくのよ！少しは礼儀を学びなさい」と大声で嫌味を言ってきて…
私は軽いパニックになってしまって、動けずにいたんだけど、そしたら向かいに座っていた女の子が彼女たちに席を譲ってくれて、何とか事なきを得たの。
でもその女の子たちが去り際に、私に向かって「ああいう場合は席を譲るべきだよ」と一言。
その後家に帰った後もずっと考えてしまってさ。
「やっぱり席を譲るべきだったのかな？」と今でも悩んでる。
これって私が悪かったのかな？
アメリカ合衆国の掲示板型ソーシャルニュースサイト「Reddit」にこのような投稿がされると、さまざまなコメントが寄せられました。
外国の方は「公共交通機関での席の譲り合い」についてどのような意見を持っているのでしょうか。実際に寄せられたコメントをいくつか紹介します。
優先席が必要なら、前の席に座るべき
あなたは悪くないよ。座りたかったのなら、バスの前方にある優先席に座るべきだったと思うし。
わざわざ後ろの席まで歩いてきたなら、立っていられるくらいの体力はあると判断されても仕方ない。
もちろん、必ずしもそうとは限らないけどね。
それに、後になってから「あなたは冷たい」って非難してきた人たちも、最初から自分の席を譲っていなかったんだから、どっちが本当に冷たいのか分からないよね。
「NO」と言われるとキレるタイプ
その女性は、「NO」と言われるとキレるタイプなんだろうね。完全に「自分の要求は通るはず」と思い込んでいる人の行動パターンだよ。
それに、混雑したバスに体調の悪い母親を乗せるっていう選択をしたのは娘さん自身。そうなるリスクを最初から想定すべきだったよね。
他人の席に対する権利はない
あなたは何も悪くないよ！
確かに、席を譲るのは礼儀としては良いことだけど、だからといって、彼らがあなたの席を要求する権利はないよね。
若者にも疲れている人はいる
若い人だって疲れていることはあるし、何かしらの問題を抱えていることもある。もしあなたが「席を譲ろう」と思ったなら、自分の意思でそうしていたはず。
それなのに、「自分は年寄りだから当然優遇されるべき」という考え方は間違ってるよね。
優先席でもないのに若い人ばかり狙うのはおかしい
優先席でもないのに、最初に目についた若い人をターゲットにしている時点でおかしいよね。
本当に必要なら、まず優先席に座っている人にお願いすべきだったはず。
あなたはちゃんと丁寧に対応していたのに、向こうが勝手にヒートアップしただけだよ。それに、向かいの席の人もいきなり口を挟んでくるのは余計なお世話。
優先席は時に、危険な席にもなりうる
どうなのかなこれは。
投稿主の気持ちももちろんわかるけど、少し考慮することくらいはできたかもしれないね。
前方の優先席って、場合によっては危険になるんだよね。
特に骨がもろくなってしまっているお年寄りとかはね。
おそらく彼女らは、その可能性を考えて後方の席に移動してきたんじゃないかな。
私には、彼女らが悪いというようには思えなかった。
見た目で決めつけるのは間違い
席を譲らなかったこと自体は悪くないけど、ちょっと考えてみてほしいことがある。
あなたは「自分は若くて元気に見えるけど、実際は体調が悪かった」という状態だったよね。でも、その女性の母親については、「見た目が健康そうだったから問題ない」と判断した。
つまり、あなたは自身がされたこととまったく同じ決めつけを相手にもしていたんだよね。
高齢になると健康問題を抱えていることが多いし、本当に辛かったから頼んだ可能性もある。だからって、「譲るべきだった」とは言わないけど、もう少し考えてみる余地はあるかもしれないよ。
席を譲るべき？それとも自分の体調を優先すべき？
今回は、「公共交通機関での席の譲り合い」について、海外の方の反応を紹介しました。
多くのコメントで、「体調が悪いなら座っていても問題ない」「優先席が必要なら前方に座るべき」という意見が見られました。特に、「若いからといって元気とは限らない」「高齢だからといって必ずしも席を必要とするわけではない」という声が多かったです。
一方で、「見た目だけで判断するのは間違い」「高齢者が後方の席を選んだのには理由があるかもしれない」という意見もありました。
このエピソードを通じて分かるのは、「席を譲る・譲らない」は単純なルールではなく、状況によって異なるということ。どちらが絶対に正しいとは言えず、お互いの立場や事情を考えながら判断することが大切なのかもしれません。
出典：Reddit（AITA for not giving up my bus seat?）