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【あの名セリフにグッとくる】“これは現場のポパイなので”――『ロケ弁の女王』感動シーン集

  • 2025.5.30

テレビの裏側――そこで働く人たちの奮闘や想いを、たった一つのお弁当が描き出す。 『ロケ弁の女王』は、ただのグルメ漫画ではありません。 “お弁当”という小さな世界に詰まった“誰かを思う気持ち”を、優しい視点で描く感動作です。主人公の俵 米子(たわら よねこ)は 撮影現場の“ロケ弁”に何よりの情熱を注ぐ新人スタッフ。失敗を経験する中でもひたむきに、人のために働く姿が印象的です。
今回は、そんな作品の中でも読者の胸を打った「感動シーン」を厳選してご紹介します。名セリフとともに、読後にじんわりと温かさが広がる名場面を振り返ってみましょう。

【登場話】第5話:「これは現場のポパイなので!」――偉そうなプロデューサーに米子は…

ある日の撮影現場。美術装飾部の井筒 梨々子(いづつ りりこ)が「ポパイ余ってる?」と米子に問います。なんと、応援の人員を呼んだため、ロケ弁が5つ足りないというのです。しかし、残っているのは4つ。梨々子は「私の分はいいから!」と走り去っていってしました。
米子は思い立ち、ロケバスの中に余っていたロケ弁『ポパイ』1つをやっとの思いで見つけ出します。
もちろん、米子は残り1つを現場スタッフ·梨々子に渡そうと考えます。
しかし、現場に待ち受けていた相手は“偉そうな大物プロデューサー”·剛上。「俺が来たらイスとポパイ用意しとけ」との圧に一瞬ひるむ米子ですが…?

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『ロケ弁の女王』(c)のやまあき・つのだふむ・サエグサケイ/コルク
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『ロケ弁の女王』(c)のやまあき・つのだふむ・サエグサケイ/コルク
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『ロケ弁の女王』(c)のやまあき・つのだふむ・サエグサケイ/コルク

米子が見せたこの勇気は周囲のスタッフの心を動かしました。いつもは米子にキツく当たるチーフ助監督の南雲が前に立ちはだかり「今日数ギリギリだったみたいで」と制します。
無事お弁当は、一生懸命仕事を頑張る梨々子のもとに届けられ、米子は満足そうな表情を見せるのでした。

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『ロケ弁の女王』(c)のやまあき・つのだふむ・サエグサケイ/コルク

【登場話】8話:「たった一人のために」――弁当屋を再開した理由

「私ってどんくさいですか?」
仕事で落ち込んだ米子がそう問いかけたのは、「ロケ弁を自ら届ける男」として名の知れた『BENT-BENT』の社長さん。
米子は歩道橋での撮影シーンで一般歩行者を止めることができず、撮影を中断させてしまいます。さらに歩行者から「そんなもん(ドラマの撮影は)不要不急だろ」と言われたことが引っかかってしまったのでした。
「私たちの仕事って不要不急なんですかねー」
見かねた社長は、『つい最近まで弁当屋を辞めていたこと』を打ち明け、さらに『再開した理由』を話し始めます。

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『ロケ弁の女王』(c)のやまあき・つのだふむ・サエグサケイ/コルク

指を刺したのは『BENT-BENT』のお弁当そのもの。
「『もう一度食べたい』って言ってくれるお客さんがいてね」「そのたった一人のためにまた始めてみたんです」

心が折れて、辞めてしまおうとまで考えたお弁当屋さんを“たった一人のため”に再開したという『BENT-BENT』の社長さん。
ドラマの撮影も、期待して待っている人のために魂を込めてつくりあげるもの。その想いは米子の心にもそっと届いたのでした。

“お弁当”が伝えるのは、温度のある優しさ

米子は信じているのです。たかが弁当、されど弁当─現場の空気を和らげ、気持ちを整えれば、きっと良いドラマが生まれると。
だから彼女は、ひとつひとつの弁当に、手を抜かず、真っ直ぐに向き合います。
『ロケ弁の女王』は、人知れず現場を支える存在の尊さと、自分なりのやり方で〝いい仕事〟を目指すひたむきさを描いた物語です。



『ロケ弁の女王』(c)のやまあき・つのだふむ・サエグサケイ/コルク

※本記事はコンテンツの権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。



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