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「日本のヤバさ」を“葬式”が映し出す。【2100年】3450万人まで人口が激減する可能性とその解決策を解説 / 『インベスターZ』

  • 2025.5.2
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『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

全国トップクラスの優秀な若者が集まる道塾学園を舞台に、秘密裏に学校の運営費を稼ぐ投資部の活躍を描いた三田紀房作の『インベスターZ』(講談社)。株や経営など経済に深く踏み込んだ内容が話題となり、大人からも支持を集めている人気作です。

この作品のなかには、ビジネスや普段の生活に活かせる知識が盛り沢山!

本記事では誰もが気になる、「日本の未来を見通すカギ」について紹介していきます。

日本はどうなる?未来を予測するカギは「葬式」(『インベスターZ』6巻・credit.51)

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『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

 

投資に関する話をするなかで、美雪は「現代は成熟した社会で新しい産業の可能性を見つけにくい状況だと思う」と語りました。確かに「100年後の日本を想像しろ」と言われても、簡単に思い浮かべることはできません。

しかし、美雪の言葉に対し祖父の繁富は「時代を読むヒントはそこらじゅうにある」と返答。

日本は将来的に衰退すると予測されていますが、「葬式」を見るとその要因がわかり、日本の未来をイメージするカギになると言うのです。

注目すべきは「喪主の平均年齢」

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『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

繁富は葬式のなかでも、特に「喪主の平均年齢」に注目すべきと語ります。現在、日本人の平均寿命は約83歳で、喪主の平均年齢は約67歳。どちらもかなりの高齢化が進んでいます。繁富はこの状況を「老人から老人に資産が相続されている」と表現しました。

この相続状況が日本の暗い未来を暗示していると言うのです。実は20~30年ほど前まで、喪主の平均年齢は40代でした。現役世代にお金が渡ることで、遺産は住宅などの購入や子供たちの教育費にまわされ、経済の好循環を生み出していたと言います。

しかし、現在の喪主達は退職し、老後の生活に入ったひとがほとんど。これにより遺産は貯蓄へとまわされることに。これにより日本は1世帯あたり2,000万円超の貯金が放置されている、貯金大国になってしまいました。繁富が言うには、経済に貢献していない「塩漬け資産」が約880兆円あるとのこと。

この状況が続けば経済の停滞が進み、日本が衰退していくことは明らか。「喪主の平均年齢」をスタートに、日本の未来がここまで推測できるのです。さらに、繁富は別のデータを持ち出し、日本の恐ろしい未来像を語り始めます。

少子高齢化の行く末

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『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

長い間叫ばれ続けている「少子高齢化問題」。日本は2004年12月に人口約1億2,800万人となり、人口のピークを迎えました。しかしそこから少子高齢化が進み、2100年には約3,450万人にまで減ると予測されています。たった100年のあいだに、人口が約3分の1にまで減少すると言うのです。

そのうえ、2100年時点の高齢者率は40.6%と予測されています。つまり、人口の半数近くが高齢者ということ。この未来が実現してしまった場合、繁富は「首都圏に人口が固まり、北海道・本州北部・四国・九州は誰も住んでいない荒れ果てた土地になる」と推測しました。

今の日本からは想像もつかない姿ですが、この考えが絵空事だとは思えません。実際の数字として予測数値が出ているだけに、その信憑性はかなり高いと言えるでしょう。

経済の停滞による衰退、そして少子高齢化による人口構造の変化。これにより導き出される最悪の未来を回避するには、いったいどうすればいいのでしょうか。

日本を変えるキーマンは「若者」

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『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

経済停滞による日本の衰退、そして加速していく少子高齢化。これらの問題を解決するカギは、若者たちの存在です。

現役世代にお金が回りさえすれば、経済が大きく循環し、結婚や子供をつくる余裕も生まれてきます。そうなれば、日本の衰退は次第に止まり、少子高齢化にも歯止めがかかっていくことでしょう。

しかし、貯金をしている老人に「若者にお金をあげて欲しい」と頼んでも、それが受け入れられることはまずあり得ません。財前もその状況を理解しており、「法律でも作って強制的に使わせたりしないと預金は動かないよ」と語っていました。

法による強制は実際難しいと思われますが、「お金を使いやすくする環境」は整えられるかもしれません。日本の衰退を止めるためにも、経済へのテコ入れと若者へのサポートは急務と言えそうです。

時代を読むヒントを見逃すな

「葬式」から見えてくる日本の未来は、何とも恐ろしいものでした。

しかし、それが予測できていれば、最悪の事態を回避する手段を講じることも可能です。それがうまくいけば、日本の未来が明るいものに変わるかもしれません。

時代を読むヒントに目を配りながら、その行く末をしっかりと見守っていきましょう。



「インベスターZ」(c)三田紀房/コルク

※本記事はコンテンツの権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。

※本記事の情報は掲載当時のものです。



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『インベスターZ』6巻・51話
『インベスターZ』6巻・51話
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