小数の割り算、どうやって計算するか覚えているでしょうか。
「筆算で計算する」方法を記憶している人も多いかもしれませんね。
しかし今回の問題は小数の割り算のルールさえ覚えていれば、暗算でも答えを出すことができますよ。
早速挑戦してみてください。
問題
次の計算を暗算でしてください。
4.8÷0.6−8
解答
正解は、「0」です。
どうやって計算すれば、筆算なしでも答えが出せるのでしょうか。
次の「ポイント」で確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「小数の割り算を整数の割り算として計算すること」です。
冒頭の小数の割り算に難しさを感じなくても大丈夫。実はこの問題、小数の割り算を整数の割り算にして、次のように簡単に計算できるのです。
4.8÷0.6−8
=48÷6−8
=8−8
=0
小数の割り算のルールを見れば、どうしてこのような計算ができるか分かります。
<小数の割り算のルール>
1.割る数が整数になるまで小数点を右に移動する(桁上げする)
2.1と同じ桁数分割られる数の小数点も右に移動する(桁上げする)
3.割り算をする
今回割る数は0.6なので、まずは小数点を一桁分右に移動します。次に割られる数4.8の小数点も一桁分右に移動すると、この割り算は48÷6の形になります。
これなら簡単に計算できますね。
【おまけ】 小数の割り算の仕組み
小数の割り算では、小数点を移動して計算をしましたが、このような操作をして元の割り算と答えが変わってしまわないのでしょうか?少し応用的な内容になりますが、興味がある人は読み進めてみてください。
小数の割り算の仕組みは、割り算を分数として表すと分かりやすいです。
割り算は、割られる数/割る数という分数で表せます。
4.8÷0.6
=4.8/0.6
分数では、分子と分母に同じ数を掛けても数の大きさは変わりませんから、次のように変形が可能です。
4.8/0.6
=(4.8×10)/(0.6×10)→桁上げのために分子と分母に10を掛ける
=48/6
=48÷6
こうすれば、どうして小数点を移動して行う割り算と元の割り算の答えが一致するのかが分かります。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
小数の割り算では、割る数の小数点を整数になるまで右に移動し、割られる数も同じ桁だけ小数点を右に移動してから計算します。今回は割られる数も割る数も小数点以下の桁数が同じでしたから、整数どうしの割り算に変換できたのです。
小数の割り算の計算方法を思い出せたなら、ぜひ他の問題にも挑戦してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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