分数には、三つの種類があります。
分母よりも分子が小さい「真分数」、分母よりも分子が大きい(あるいは等しい)「仮分数」、そして、整数と真分数の組み合わせでできている「帯分数」です。
今回は、帯分数どうしの足し算に挑戦しましょう。
問題
次の計算をしてください。
(51+1/2)+(11+3/4)
※当記事では、「51と1/2」のような帯分数を「51+1/2」と表します。
解答
正解は、「63+1/4」です。
数が大きいので難しそうに思えるかもしれませんが、簡単に計算できますよ。
次の「ポイント」で計算方法を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「帯分数の足し算では整数どうし、分数どうしを足す」です。
帯分数を仮分数に直して、計算することもできます。しかし、帯分数を仮分数に直すのは手間がかかります。今回のように、整数部分の数が大きい時はなおさらです。
そこで、整数部分と分数部分を別々に足し算します。分数の足し算では、足される数、足す数の分母を共通の数(分母どうしの最小公倍数)になるように通分してから、分子どうしを足し算します。
では、やってみましょう。
(51+1/2)+(11+3/4)
=(51+11)+(1/2+3/4)
=62+{(1×2)/(2×2)+3/4} ←1/2の分母を4にするため、分子と分母に2を掛ける
=62+2/4+3/4
=62+(2+3)/4
=62+5/4
さて、ここで計算を終えてしまうと、正解にはもう一歩足りません。
5/4は分母よりも分子が大きいので、真分数ではなく仮分数です。帯分数は整数と真分数の組み合わせでできているので、62+5/4は帯分数としては不適です。
そこで、5/4を帯分数にすることを考えます。5/4は4/4+1/4です。4/4=1なので、5/4=1+1/4が成り立ちます。
後は、これをもとの式に当てはめて、再度計算すればよいのです。
62+5/4
=62+1+1/4
=63+1/4
これで答えが出ましたね。
まとめ
今回の問題では、帯分数の足し算に挑戦しました。
帯分数の足し算では、整数部分と分数部分を別々に足します。ただし、分数の足し算の結果が1以上の仮分数になった場合は、帯分数にして分数部分は真分数にしましょう。
ぜひ、他の帯分数の問題にも挑戦して、計算方法を確認してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
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