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工夫して計算してみて!「67×67」→暗算できる?

  • 2024.11.21
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同じ数に同じ数を掛けることを「二乗する」といいます。

二乗の計算がスピーディーにできると、便利な場面が多々あります。

しかし、3×3のような一桁の数の二乗はともかく、二桁の数の二乗をすぐに計算するのはなかなか難しいものです。

今回は、簡単に二乗の計算ができる方法をご紹介しましょう。

問題

次の計算を暗算でしてください。
67×67

解答

正解は、「4489」です。

どういう方法で計算すれば、二桁の二乗の暗算が簡単にできるのでしょうか?

次の「ポイント」で詳しく解説しますよ。

ポイント

この問題のポイントは、「掛け算の数の一の位を0にして計算すること」です。

67×67という今回の式ですが、どちらか一方が70になれば、簡単に計算できます。

しかし、当然ながら掛け算に登場する数が67と70では計算結果が変わってきますよね。

そこで、次のように式を調整します。

  67×67
=(67+3)×(67−3)+3×3
=70×64+9

「70×64」や「+9」は「67×67」にくらべて、ずっと計算がしやすいですね。

このように、二乗の計算は次の手順で答えが出せます。

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  1. 掛け算に登場する一方の一の位が0になるよう数字x(この問題では3)を足す。
  2. xを掛け算中のもう一方の数から引く。
  3. 1と2の数を掛けてから、xの二乗を加える。

この手順さえ覚えておけば、筆算を使わなくとも二乗の計算が簡単にできるようになります。

二乗の計算が簡単に出来る理由

しかし、「67×67」が「(67+3)×(67−3)+9」に変形できるのはなぜなのか、気になる人もいるでしょう。

これは、( )内の掛け算を分配法則で分解していくと分かります。

分配法則とは、「( )の中の足し算をしてから掛け算をする場合」と「( )の中の数を別々に掛け算してから、それぞれの答えどうしを足す場合」の答えが同じになるという法則です。

式の形で見てみると、次のようになります。

<分配法則>
○×(▲+■)=○×▲+○×■
(○+▲)×■=○×■+▲×■
※( )の中が引き算でも成り立ちます。

では、さっそくやってみましょう。

(67+3)×(67−3)+3×3

まず(67+3)を、「○×(▲+■)=○×▲+○×■」の○と考えて、(67−3)の中の数とバラバラに掛けます。

  (67+3)×(67−3)+3×3
=(67+3)×67−(67+3)×3+3×3

次に、「×67」や「×3」を、「(○+▲)×■=○×■+▲×■」の■と考えてみましょう。

  (67+3)×67−(67+3)×3+3×3
=67×67+3×67−(67×3+3×3)+3×3

( )の前につく「-」は、( )内の「±」を逆転させるので、式は次のようになります。

  67×67+3×67−(67×3+3×3)+3×3
=67×67+3×67−67×3−3×3+3×3

「3×6767×3」は0、「3×3+3×3」も0になるので、最終的には以下の形になります。

  67×67+3×67−67×3−3×3+3×3
=67×67

これで、「(67+3)×(67−3)+3×3」が「67×67」と同じことが分かりましたね。

なお、この変形を一般化すると、次のようになります。

  (a+b)(a−b)+b^2
=a^2+ab−ab−b^2+b^2
=a^2

まとめ

今回の問題では、二乗の暗算に挑戦しました。

二桁の二乗では、どちらか一方の数に何らかの数xを足して一の位が0になるようにし、もう一方の数からxを引いて掛け算します。これにxの二乗を足せば、計算が完了します。

このように、一見筆算なしでは計算が難しそうな問題を暗算するテクニックはたくさんあります。他の問題でも紹介していますので、ぜひご覧ください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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