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エンディングが終わった瞬間、客席からざわつく声… 『名探偵コナン』だからこそできる“他にはない仕掛け”

  • 2025.5.15
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(c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 2023

毎年のように話題になり、大ヒットを記録している劇場版『名探偵コナン』シリーズ。近年では、ロケットスタートを切ったうえに興行収入100億円を突破した2023年公開の『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』の凄まじい勢いが記憶に新しい。本作がここまでの大記録を打ち立てた理由とはいったい何だったのだろうか。

ファンの“期待値”を引き上げた巧みな戦略

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(c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 2023

八丈島に行くことになった江戸川コナン、毛利蘭、灰原哀、少年探偵団のメンバー。そこでは、世界中の防犯カメラをつなぐための海洋施設「パシフィック・ブイ」が建設されていた。パシフィック・ブイでテストが進められている認証システム「老若認証」によって逃亡中の犯罪者を発見できる一方、コナンと灰原の正体が黒ずくめの組織にばれそうになってしまう。黒ずくめの組織に誘拐される灰原を、コナンは救えるのか。

毎年のように大きな話題を呼んでいる劇場版『名探偵コナン』シリーズは、作品の面白さだけでなくいくつも話題になる要素を兼ね備えている。たとえば、4月より公開された『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』は試写会を行っていない。ネタバレをふせぐためであり、これによりファンの期待は一層高まった。

また、毎回メインキャラクターが決まっており、スポットが当たるキャラクターのファンは鑑賞する大きな理由になる。『名探偵コナン 黒鉄の魚影』では、灰原哀と黒ずくめの組織がキーパーソンになると事前にほのめかされていた。エンディングの後に流れる次回作の予告も、劇場版『名探偵コナン』のひとつの楽しみになっている。

原作やTVアニメでは描かれていない新情報が劇場版で初解禁されるサプライズも、大きな注目を集めている。昨年公開された『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』も、ラストでキャラクターの相関図に関わる衝撃的な事実が明かされ、観客をざわつかせた。

長く愛されている作品の力に加え、他にないようなユニークな仕掛けによってファンの予想を気持ちよく裏切ることに成功している劇場版『名探偵コナン』。毎年のように大ヒットを記録できるのは、映画に対する期待値の上げ方が巧みであることや、飽きさせない工夫が理由のように思う。

コナンとの関係性に進展が?観客の心を揺さぶった灰原

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(c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 2023

『名探偵コナン 黒鉄の魚影』にて鍵を握った灰原は、キャラクター人気投票で毎回上位にランクインするほど高い人気を誇るキャラクターだ。灰原は暗い過去を持ちつつも、クールな一面とかわいらしい一面のギャップがたまらない。そんな彼女とコナンの関係性が、本作にて進展したのだ。

蘭というメインヒロインがいるため、サブヒロインである灰原はいわゆる負けヒロインに見えるかもしれない。その報われなさに心を動かされる人が続出しているのだ。本作でも見せた蘭を思いやって一歩引く灰原の行動は、灰原にも「幸せになってほしい」と願わずにはいられない。ラストで流れるスピッツの『美しい鰭』のイントロが流れた瞬間、胸がぎゅっと締め付けられたのはきっと筆者だけではないだろう。

私たちの期待をぐっと引き上げるような仕掛けや、コナンと人気キャラクターである灰原の関係性の進展。さまざまな見どころによって、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は興行収入100億円を突破するほどの大ヒットを記録した。『名探偵コナン 隻眼の残像』も、公開から10日間で観客動員430万人、興行収入63億円を突破している。“コナン祭り”とも言える盛り上がりから、今後も目が離せない。


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【(c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 2023】

ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari