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大人が意外と忘れている数学「√9801」→根号を使わずに表すと?

  • 2024.9.1
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数学記号の中には、日常生活ではあまり使わないものもあります。

このような記号は、大人になってから触れる機会はあまりないものです。

今回はそんな記号の一つ、「√(根号)」についての問題です。久しぶりに解けるかどうか、試してみてください。

問題

√9801を整数で表してください。

解答

正解は、「99」です(±99ではない点に注意してください)。

√を根号を使わずに表すには、コツがあります。

効率的な解法を知りたい方は、次の「ポイント」をご覧ください。

ポイント

今回の問題のポイントは、「数の倍数の特徴を使うこと」です。

まず、√とは何かについて復習しておきましょう。

a>0のとき、√aとは「二乗するとaになる正の数」のことです。

例えば、√9は3^2=3×3=9が成り立つので、3のことだと分かります。

√9=3

なお−3×(−3)も9になるので、√9=±3と答えてしまいたくなりますが、−3は「二乗すると9になる正の数」ではありません。

√a(a>0)を根号を使わずに表すときには、必ず正の数で答えるよう注意しましょう。

今回の問題では、√9801を根号を使わずに表すので、x^2=9801になるような正の整数xを探せばよいのです。

しかし、xに1,2,3...と順番に数を入れていって、ぴったり9801になるような数を探すのはとても時間がかかります。

そこで、まず9801が何の倍数になるのかを考えて少しずつ掛け算の形に分解していきましょう。

このとき役に立つのが、各数の倍数の特徴です。

  • 9の倍数(9で割り切れる数)→ 全桁の数の合計が9で割り切れる
  • 11の倍数(11で割り切れる数)→(一の位から一桁ずつ飛ばして足した数)−(残りの桁を足した数)=0か11で割り切れる数(例:abcdの場合、(d+b)-(a+c)=0か11で割り切れる数)

では、この特徴を使って9801を掛け算の形に分解していきましょう。

まず、9801の全桁の合計は9+8+0+1=18なので、9で割り切れます。よって9801は9の倍数ですね。

9801=9×1089

1089の全桁の合計も1+0+8+9=18なので、1089も9の倍数です。

9801=9×9×121

121は「一の位と百の位の合計−十の位=(1+1)−2=0」なので、11の倍数です。

9801=9×9×11×11

後は、同じ数×同じ数になるよう掛け算の順番を変えます。

9801
=9×9×11×11
=9×11×9×11
=99×99

9801=99×99だと分かったので、√9801=99と答えが出ます。

まとめ

今回は、根号を使わずに表す問題に挑戦しました。

この問題で見た通り、数の倍数の特徴を知っていると、計算がとても楽になります。

始めは覚えづらく感じるかもしれませんが、使っているうちに慣れてきます。

また、「どうしてこのような特徴があるのか」という背景理論を調べてみるのもおすすめです。丸暗記するより納得してから覚えたほうが忘れづらいですよ。

√の問題は他にも用意していますので、ぜひ挑戦してみてください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP

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「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。


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