分数どうしの割り算は一見難しそうですが、簡単に計算することができます。しかし、計算の仕方は覚えていても、どうしてそのような計算方法になるかと聞かれると答えられる人はあまり多くはないかもしれません。
そこで、分数の割り算の計算方法とその根拠を復習していきましょう。
問題
次の計算をしなさい。
4/7÷2/5
分子の数どうし、分母の数どうしを割り算するのは間違いですよ。
解説
この問題の答えは「10/7」です。
分数の割り算は、以下のように簡単な手順で計算できます。
<分数どうしの割り算>
・割る数を逆数にして、掛け算に直す。
・分数どうしの掛け算として計算する。
分数の逆数は、分母と分子を入れ替えたものになります。
計算式で表すと、以下のようになります。
4/7÷2/5
=4/7×5/2 ←割る数を逆数にして掛け算に直した
=2/7×5/1 ←分母と分子を2で約分した
=10/7
では、どうして割り算を掛け算に直しても良いのでしょうか。式変形を繰り返して考えていきましょう。今回の問題に登場する分数で考えます。
まず、割り算の基本的なルールとして、「◯÷■=◯/■」というものがあります。割り算は、「割られる数/割る数」で表せるということです。
これを利用して一つの分数にまとめてみましょう。
4/7÷2/5
=(4/7)/(2/5) →4/7が分子、2/5が分母
分数/分数の形だと非常に分かりにくいので、分母・分子に分母の逆数である5/2を掛けて約分します。
(4/7)/(2/5)
=(4/7×5/2)/(2/5×5/2)
=(4/7×5/2)/1
分母が1なので、省略して
(4/7×5/2)/1
=4/7×5/2
とできます。これにより、割り算の割る数を逆数にして掛け算に直してもよい根拠を説明することができましたね。
まとめ
分数どうしの割り算の計算方法は簡単ですが、その理由までは説明できる大人は少ないでしょう。理由まで知っておくと記憶に残りやすく、計算方法を忘れにくくなります。ぜひ、今回の解説で覚えておきましょう。
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※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):うおうお
数学の教員免許を所持。個別指導・集団指導の学習塾で数学の講師として小学生から高校生までの指導や、小学生の宿題指導を通して算数の魅力を深堀して楽しく伝えている。現在は民間学童保育所で放課後児童支援員として勤務しながらフリーランスで受験指導もしている。
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