分数の計算ルールは覚えていても、整数と分数を計算する問題になると手が止まってしまうことはないでしょうか。
さらに、その整数が負の数だったら、問題はより難しく感じられるかもしれません。
こんな時大事なのは、一つひとつの計算ルールを着実に思い出しながら計算することです。
では、早速今回の問題に挑戦してみましょう。
問題
次の計算をしてください。
3/5÷9/10+5−(−5)
解答
正解は、「10+2/3(32/3)」です。
分数の割り算と負の数の引き算を正しく計算できないと、この答えにはたどり着けません。
では、その計算過程を次の「ポイント」で確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「分数の割り算と負の数の引き算の基本ルールを守って計算できること」です。
二つの基本ルールを順番に確認していきましょう。
分数の割り算の基本ルール
まずは冒頭、分数の割り算の計算ルールから確認していきましょう。
3/5÷9/10+5−(−5)
分数の割り算は、割られる数と割る数の逆数(分子と分母を入れ替えた分数)の分子どうし、分母どうしを掛け合わせます。
なお、計算効率を良くするために、分子と分母を共に割りきる数が見つかったら、掛け算の途中で約分してしまいましょう。
では、実際の計算過程を紹介します。
3/5÷9/10+5−(−5)
=3/5×10/9+5−(−5)
=(3×10)/(5×9)+5−(−5)←3と5で約分する
=(1×2)/(1×3)+5−(−5)
=2/3+5−(−5)
これで分数の割り算が終わりました。
次の2/3+5の計算ですが、帯分数(整数と分子が分母より小さい真分数で表した分数)で表現する場合は、+5を整数部分として5+2/3と表せばOKです。簡単ですね。
負の数の引き算の基本ルール
最後に、負の数の引き算をします。
5+2/3−(−5)
ここで、以下の計算ルールを思い出してください。
負の数の計算ルール
+(−〇)=−〇
−(−〇)=+〇
このように、負の数の計算では「足し算は引き算」に、「引き算は足し算」になります。
負の数の()の前の+記号、−記号の意味が反転すると覚えておきましょう。
では、この計算ルールを使って答えを出してみましょう。
5+2/3−(−5)
=5+2/3+5
=5+5+2/3
=10+2/3
−(−5)は+5になります。帯分数の整数部分にこれを足して計算すれば、答えの10+2/3が算出できました。
まとめ
今回の問題では、分数の割り算と負の数の引き算が正しくできるかどうかが問われました。
計算ルールを忘れていた人は「分数の割り算は逆数を掛ける」、「負の数の足し算引き算は、()の前の+、−記号の意味を反転させる」と覚えておきましょう。
このように、一つの問題の中で複数の計算ルールが必要になる場面は少なくありません。
色々な問題に挑戦して、たくさんの計算ルールを使いこなせるようになりましょう。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
負の数が混じった計算にもう一問挑戦!