面積や体積を求める図形問題では、単純な図形を組み合わせて複雑な図形を作ることがあります。
今回は体積に関する問題に挑戦してみましょう!
問題
次の立体の体積を求めよ。(円周率は3.14とする)
バウムクーヘンのように、真ん中に空洞がある形をしています。
どのように体積を求めれば良いのでしょうか。
解説
今回の問題の答えは「1130.4cm3」です。
次のようにして体積を求めていきましょう。
問題の図形は、円柱の真ん中に空洞がある形をしています。
そして、空洞部分もまた円柱です。
そこで、 全体の円柱から真ん中の円柱を引くことで体積を求めましょう。
円柱の体積の求め方は次の通りです。
円柱の体積= 底面積×高さ
今回の図形では次のようになります。
大きい円柱は、底面が半径7cmの円、高さが9cm
7×7×3.14×9
=1384.74(cm3)
小さい円柱は、底面が半径3cmの円、高さが9cm
3×3×3.14×9
=254.34(cm3)
したがって、求める体積は
大きい円柱−小さい円柱
=1384.74-254.34
=1130.4cm3
上記の計算では、それぞれの円柱の体積を求めて、最後に引き算をしました。
しかし、「×3.14」の計算は少し大変ですね。
そこで、次のように計算すると「×3.14」は一回で済みます。
(別解・計算の工夫)
求める体積
=7×7×3.14×9−3×3×3.14×9
=(7×7−3×3)×9×3.14
=(49−9)×9×3.14
=40×9×3.14
=360×3.14
=1130.4 cm3
二回あった「×3.14」を一回にまとめて計算しました。
このように計算の工夫もすることで、よりミスなく体積を計算できますね。
まとめ
円を含んだ図形では「×3.14」の計算が必要になり、計算力も求められます。
図形的な発想力だけなく、計算力も鍛えましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP)
「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。
円柱の体積を求める問題にもう一問挑戦!